第24話 それぞれのところ
「真気のところに霊が現れたか……」
弘太は独り言を言う。
そんな弘太に美魅が質問する。
「へー、そーなの。今回は口裂け女だったわよね?」
「そうみたいだ」
「……行かないの? その霊のところに」
「……行きたいのか……? あそこには血花ちゃんがいる。今君が血花ちゃんと会ったらヤバイことになるだろ」
弘太の言葉に美魅は大げさに驚く。
しかし、弘太はそんな美魅を無視した。
弘太は美魅のことがウザいと思っている。
しかも弘太は、ウザいやつと話すことが嫌いなのだ。
「でもね〜、アタクシたちにもできることくらいない?」
「向こうがヤバイと思ったらすぐ向かう。まぁ、そんなことはないと思うけどな。班長がいるし」
「確かにアナタたちの班長は強そうだったわね」
美魅はそう言いながら思い出す。
先刻優希に言われた言葉を。
『生きる希望をなくさせるだけだよ』
美魅はそう言う脅しには慣れている方だった。
しかしあのときはなぜか恐怖したのだ。
「班長は霊化の能力も怖いからな……」
「へー、どんなの?」
「教えると思っているのか?」
弘太は美魅を睨みながら、低い声で言う。
しかし美魅はそれを気にすることなく、呑気な声で言う。
「ねぇね、アタクシとアナタ戦ってみない? アタクシが買ったらマニキュア買って。もし戦ってくれないならアタクシ、霊のところに行くよ?」
「そうか、じゃあ仕方ないな。班長も許してくれるだろ」
弘太は美魅を睨みながら霊化する。
そして、霊化の能力を使った。
「自殺しないように気をつけることだな」
「ほう、優希が向かったか」
弘太が霊化したのと同刻。
和生が面白くなさそうな顔をする。
「班長……」
琉璃は優希がいた方向を見る。
「またあいつが殺しちまうか、今回も」
「……今回はどんな感じに……」
琉璃は優希のことを思い出す。
つい先刻、真気が優希のことを思い出したように。
「ああ、あいつは変な殺し方をするもんな。過去にあんなことがあったから、心が壊れちまったのかもな」
「過去……?」
琉璃は和生の言葉が少し気になった。
しかし、和生に訊かなかった。
そんな簡単に他人の過去を聞くべきではないと思ったからだ。
「……で、琉璃……だったよな……。お前」
「うん」
「行くのか、優希のところに」
「……うん、柊菜の能力見てみたい……」
「そっか、あいつの能力か……確かに面白そうだな」
和生はそう言い、走り出す。
琉璃もそれについていった。




