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第22話 向こうの班の自己紹介

 「俺は『(さん)()班』、班長、花杜和生(かどうかずき)だ」


 向こうの班長が早速自己紹介をする。

 『カドウ』か……珍しい名字っぽい……。


 「僕はその弟、(あか)です。よろしくお願いします」


 和生さんの弟さんは丁寧に言って、頭を下げる。

 礼儀正しい……。

 『アカ』……覚えやすい名前だな……。


 「次はアタクシね」


 今度は、あのオネエみたいな人が言う。


 「アタクシは美魅(みみ)。『美しい魅力』って書くの」

 「お前は『(けが)れた汚物』だけどな」


 あー……またあの女の子が変なこと言ってる……。

 汚れた汚物……『頭痛が痛い』みたい……。

 二重言葉って言うんだっけ? こういうの。


 「ああ、アタクシの名字も『ミミ』だから。漢字はないわ。カタカナよ。……次はあなたよ」


 オネエの人……美魅さんが女の子に言う。


 「……『チカ』……私の名前……」

 「へー! チカちゃんか! 可愛い名前だね!」


 班長が女の子の肩を叩き、元気に言う。

 ……? あれ……?

 今……チカちゃんの顔……泣きそうだった……?


 「あら? 本当に可愛い名前かしらね〜?」


 美魅さんが班長とチカちゃんの間に入る。

 そして、細い目でチカちゃんを見る。


 「あなたの名前の漢字、何かしらね〜?」

 「黙れ!」


 チカちゃんは急に叫び、腰にかけてある刀を抜く。


 「やめろ!」


 和生さんがチカちゃんの腕を掴み、刀を奪う。

 赫さんは美魅を睨んでいる。


 そして、チカちゃんは泣き出した。


 「トラウマみたいだな、その子の」


 弘太さんが立ち上がり、チカちゃんに近寄る。

 そういうのわかるんだ……。


 「その子の漢字、『血の花』って書くのよ!」


 美魅さんがニヤニヤしながら言う。

 そしてさらにチカちゃんが大きな声を出して泣く。


 「美魅! いい加減にしてください!」


 赫さんが美魅さんの胸ぐらをつかむ。


 「へー、別に何も変な名前じゃないじゃん」


 班長が不思議そうな顔で美魅さんをみて言う。

 続けて班長が言う。


 「私さ、血好きなんだよね。ほら、綺麗な色してんじゃん。血ってさ、『一途』って感じするじゃん。色が」


 班長は笑って、血花ちゃんの頭をなでる。

 血花ちゃんは目に涙をためながら、班長を見る。


 「別に気にしなくていと思うよ。少なくとも私は、名前だけで差別するような人じゃないから」


 血花ちゃんはそんな班長を見て、また泣く。

 班長は驚き、和生さんをの方を向く。


 「これ私のせい!? さっきより泣き方が酷くなってない!?」

 「ああ、ある意味お前のせいだな」


 和生さんは安心した笑みで班長に言う。

 ……なんか……これでいいのか……。


 確かに人は名前だけじゃない。

 そんなこと言ったら月菜(つきな)ちゃんとかさ、意味わかんなくなるよ。

 『月の菜』って何……?


 ……? ……え……?

 ……月菜ちゃんって……誰……?

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