第2話 制服
「ただいま!」
私は家のドアを勢いよく開ける。
「あら、おかえり」
そう返してくれたのは彩希おばさん。
霊伐隊の人。
私の両親は昔、霊に殺された。
親がいなくなった私は霊伐隊に保護され、彩希おばさんが面倒をみてくれるようになった。
「柊菜ちゃん、受かったんだってね」
「え! なんで知ってるの!?」
「制服が届いたからよ。柊菜ちゃんの部屋の中に入れておいたから」
「本当? ありがと!」
私は彩希おばさんにそう言い、自分の部屋の中に入る。
部屋の中央にはダンボールがあった。
霊伐隊の制服だ。
「これだ!」
私はリュックを投げ捨て、ダンボールを開ける。
中に服がある。
私は急いで学校の制服を脱ぎ、中に入っている服を着る。
よし、どうかな?
私の制服は白と水色の半袖のシャツと、薄い水色の半ズボン。
それに薄い水色のパーカーを羽織っている。
あ、言い忘れたけど霊伐隊の制服は一人一人違うの。
しかも、制服をもらうまでどんな制服か分からない。
デザイン考える人とか大変そう……。
なんか白すぎるけど……個人的にはかわいいからいっか!
「彩希おばさん!」
私は部屋から出る。
彩希おばさんにこの姿を見てもらいたい!
「どう?」
「かわいいじゃない! よし、合格祝いよ! 今日はごちそうね! エビフライいっぱいつくってあげる!」
「やったー!」
エビフライは私の大好物だ。
しかも、彩希おばさんの料理もおいしい。
夕飯が楽しみだ。
「いただきます!」
私は箸を持つ。
左利きだから左手で。
箸でエビフライを持ち、口の中に入れる。
! おいしい!
「おいしい?」
「うん!」
「そう、よかった。それと髪、どうするの?」
彩希おばさんが私の髪を見ながら言う。
「髪?」
「霊伐隊は霊と戦うのよ? 髪が邪魔だからどうするの?」
あー、確かに。
私はロングで、普段髪を結ばないからな……。
「ショートにした方がいい?」
「いや、結べばいいから……結べば?」
うーん……結ぶといってもな……どんな髪型にしよう……。
彩希おばさんはショートだからな……。
案が思いつかない……。
「……彩希おばさんはどんな髪型がいいと思う?」
「そうね……サイドテールとかどう? ほら、柊菜ちゃん、いつも目立たないからそういう髪型にしたらいいと思うよ?」
……え? 私って目立たないの?
まぁ、確かにサイドテールもいいな……。
よし、明日からサイドテールでいこう!
学校のみんなどう反応するかな……。
霊伐隊の制服は常に着用しなきゃいけないから、明日から学校の制服は着ない。
霊伐隊の制服で行くんだ!
「……あ、そうだ。彩希おばさん、制服ってさ、あの1着だけじゃないよね?」
「うん、同じやつがもう3着あるよ」
じゃあ洗濯はできるみたいだ。
明日がちょっと楽しみ!
制服……白すぎますかね……?