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第12話 別れた空間 〜優希〜

 「あーあ、柊菜ちゃん大丈夫かなー?」


 呑気(のんき)にそういうのは優希。

 他の皆とは違い、面白そうに辺りを見回している。


 「柊菜ちゃん、本当に百人一首の点数悪いなー。ま、私も悪いけど」


 成績表を見ながら面白そうに優希は言う。

 すると、その近くに人影が現れる。


 優希がその方向を見ると、そこには筋肉ががっしりとした中年の男がいた。

 しかも、肌の色が青紫色だった。


 「お前か、花子の敵は」


 その男はいきなり優希にそう言い出す。

 そんな男に優希は言い返す。


 「いや、別に敵ってわけじゃ……。まぁ、多分敵だけど。花子さん? トイレの花子さんのことかな?」

 「お前が花子のことを言うな!」


 男はいきなり叫びだす。

 そんな男に優希は『急に叫ばないでよ』と思ったが、口には出さなかった。


 「なんでそんなに怒るの? あなたは、その『花子』の親か何か?」

 「担任だ。生徒に手を出す者は、誰であろうと許さない!」


 男は姿勢を低くして、優希に殴りかかる。

 真気や琉璃、弘太たちのところに出た霊よりも速い。


 優希はその拳を止めずに、そのまま拳を顔面に()らう。

 男はさらに優希の鳩尾(みぞおち)を蹴る。


 しかし、優希はその場から動かなかった。

 それどころか、指も動いてない。

 しかも、無傷だった。


 「私さ、『壱の玖班』の班長なの。それでさ、班長って強い人しかなれないんだよ」


 落ち着いた調子で言う優希に、男は混乱する。


 「つまり、私って結構強いと思うんだ。霊化の能力も」

 「……は、は……? じゃあ霊化してみろよ!」


 男は優希に少し恐怖して、優希から離れる。

 優希はその反応を面白がるように笑う。


 「わかった、じゃああなたを殺してあげるよ」


 優希がそう言う。

 男は優希に警戒したが――


 気がついたら男の目の前から優希は消えていた。

 しかも、首に違和感を感じる。


 「こっちだよ。私のスピードについて行けなかった?」


 男の後ろから声が聞こえる。

 優希の声だ。


 しかし、その声が男に聞こえることはなかった。

 なぜなら、男の首は切断されていたからだ。


 「あなたごとき、霊化も、刀すら抜かなくても勝てるよ」


 男の身体は倒れる。

 優希は手刀で男の首を切っていたのだ。


 「早く柊菜ちゃんのところに行かなくちゃ……」


 優希は何もなかったかのように言い、歩き出した。

班長かっこいい……

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