第115話 コウの仲間……?
男から聞こえてきた単語が頭の中に響いた。
『コウ』。
あのときのことを思い出す。
真気に似た人が現れて戦ったあのとき。
苦戦してるとき月菜ちゃんたちが救けてくれたあのとき。
そして月菜ちゃんからオレンジ色の刀をもらったあのとき。
「コウのときは六花女神に邪魔されたみてぇだけど、この空間じゃ六花女神も来れそうにねぇな」
男は面白そうに辺りを見渡す。
隙がないから攻撃できない……。
「坂田柊菜は女だからな。まずはそうじゃねぇやつを殺すとするか」
男が言い終わると同時。
真気のほうから血が飛び散った。
真気はゆっくり後ろに倒れる。
お腹から血がいっぱい流れてる。
あの男の攻撃……?
いや、あいつ……、動いてなかったよね……?
でもあの男の右手に血がいっぱいついてる。
多分、真気の血だ。
「『坂田柊菜を殺してもかまわない』って言われたけど、殺すのは嫌だなー。面倒くさいし」
男の手についてる血から煙がでる。
すると、男の手についていた血がなくなった。
「さーてと、誰が坂田柊菜かなー……。わかんねぇし、3人とも持って帰るか」
男が腰を低くした。
すると、班長の右腕が切断された。
班長は特に表情を変えてない。
痛みを感じてないみたい。
でも、今一瞬だけ見えた。
男が超高速で班長に殴りかかっていた。
そして超高速でもといた場所に帰っていった。
でも、まだ不思議に思うことがある。
男は武器を持ってない。
なのになんで班長の右腕が切断されたの……?
殴りかかってるのに、与えた攻撃は切断。
どう考えても刀で斬ったようにしか見えない。
どこかに武器を隠してる……?
「なるほどね、一番弱い部類だ」
班長が喋る。
そのときには、班長の傷は消えていた。
切断されたはずの右腕はもとどおりになってる。
「スピードだけすごいけど、攻撃力や防御力は弱いやつ。正直一番楽な敵だね」
攻撃力が弱い……?
攻撃を喰らった真気や班長を見るとそうは思えないけど……。
あと、真気のことだ。
倒れた真気に、誰も近づこうとしない。
『大丈夫?』とか声をかけてない。
私は声をかけたかった。
真気のところに駆け寄りたかった。
でも、そうできない。
男からの『圧』がすごい。
それさえなければ、私は泣く勢いで真気のところに駆け寄っただろう。
でも今は違う。
わかってる、『今下手に動いたら殺される』。
その『圧』が逆に私を落ち着かせてるのだ。
さてと、どうやって戦うか……。
班長はああ言ってたけど、そんなに簡単に終わる戦闘ではなさそうだ……。




