第113話 速い女
女は私に向かって何発も撃ってくる。
私は自分の目の前に大量の柊の花を出して銃弾を防ぐ。
数発撃ったあと、女は銃を捨てた。
もう弾がないんだと思う。
私は女に斬りかかる。
女は高く跳躍して、隣りにある木に飛び移る。
しかも結構速い。
木を全部凍らせるってのはきっとダメだよね……?
木をどんどん切っていくのもきっとダメ……だよね……。
じゃあどうやって戦おう……。
地形は敵に有利っぽい。
考え事をしている私は少しだけ動きが遅くなる。
その隙に女は私に殴りかかってきた。
私は女の拳を躱す。
女の拳はそのまま木に当たった。
すると、その木は粉々に弾け飛んだ。
……これ、当たったら即死じゃん。
私は一旦女から離れる。
そしたら班長が、私と入れ替わる感じで女に近づく。
女は班長を見てニヤリと笑う。
班長の表情はよく見えない。
班長は刀を抜かないまま女の間合いに入る。
女は班長を殴ろうとした。
班長は女の腕を掴んで、女の顔に自分の頭を思いっきりぶつけようとしてる。
女は脚で班長の首元を思いっきり蹴った。
班長が一瞬だけひるんだとき、女は自分の身体を空中で回転させる。
班長は女を放してしまって、女は班長から距離を置こうとしてる。
私は班長に援助しようと、班長のところまで向かおうとした。
すると、誰かが後ろから私の肩に手を置いた。
振り向くと、そこには琉璃さんがいた。
琉璃さんの顔はまるで『行くな』って言ってるみたい。
「柊菜、行っちゃダメ」
「なんで……ですか……?」
「班長、今機嫌悪いから。ストレス発散を邪魔するの、班長の一番嫌いなことだから」
ストレス発散?
「そうだ、下手に行くとお前まで殺されちまうぞ?」
真気が私たちのところまで来る。
確かに、みんな班長を助けようとしてない。
それどころか、刀も抜いてない。
「残酷行動が嫌いなら目閉じといたほうがいいぞ? もしかしたら班長、拷問レベルでヤバイことするかもしれねぇから」
『拷問レベルでヤバイこと』……?
班長……、なんかヤバイことしようとしてるの……?
ってか弘太さんは?
どこにいるのかな?
「弘太は今結界張ってる。私たちはここで待機してるよ」
琉璃さん、よく私の思ってることわかったね……。
顔に出やすいのかな? 私。
――って、結界!?
結界って、見てない壁みたいなやつ!?
そんなのできるの!?
弘太さんって本当に人間!?
「あと柊菜、自分の身は自分で護れよ」
真気が班長のほうを見ながら言った。
「班長に巻き込まれるなよ」
私も班長を見る。
霊の攻撃を躱している班長。
いつもと動きがなんか違った。




