第11話 別れた空間 〜弘太〜
「……どんな能力だ……?」
弘太が考えていると、誰かが弘太に近づく。
弘太がその方向を見ると、そこには血まみれの少女がいた。
前髪が少し長く、目は見えない。
しかも、全身の肌が青紫色になっている。
「あーと、お前霊だよな?」
「…………」
少女は無言で頷く。
その瞬間少女はポケットからメスを出して、弘太に斬りかかる。
「俺に攻撃してきたってことは、敵だと思っていいんだな?」
「…………」
「なんか言えよ。こっちが変な独り言言ってるみたいだろ」
弘太は落ち着いた口調で言うが、この状況は決して落ち着いていなかった。
少女の斬撃を全て躱しているのだ。
「あのさ、これお前の能力? それによってお前の殺し方変わるんだけど」
「……花子の……」
少女がやっと言葉を放つ。
それを聞いた弘太は内心喜ぶ。
「へー、花子ってやつの能力なんだ。もっと聞かせてくれない?」
「…………」
少女は再び黙り込む。
しかし、弘太は『誘導尋問』をやめなかった。
「花子って、『トイレの花子さん』のこと?」
「!」
今回は少女の反応が大きかった。
一瞬動きがとまったからだ。
「お前は見たところ、そのお友達かな?」
「……友達……お前もなる……」
少女はそう呟くと、弘太に向かってメスを投げる。
弘太はそれを躱そうとしたが――
それと同時に爆発音が響いた。
メスが爆発したのだ。
「……と、危ねぇ危ねぇ。もうちょっと霊らしい技使おうぜ?」
弘太は少女から距離を置く。
すると、弘太の目が赤くなる。
霊化したのだ。
「今からお前を殺す。もしかしたら自殺になるかもな」
弘太は先刻以上に落ち着いた声で言う。
そんな弘太を少女は見つめていたが――
「……!」
少女は驚く。
そして思い出した。
「はーなこさん、遊びましょ」
私はトイレの3番目の個室で、そう言う。
今、私たちの学校では『トイレの花子さん』が流行っているのだ。
私も興味本位で一人で来た。
トイレの花子さんなんて、嘘だと思うけど……。
ほら、やっぱり何もない……。
「はぁーい……」
個室からそう声がする。
次の瞬間、私の首が……。
「う、うわあああぁぁ!」
少女は突然叫びだす。
それに、手を振り回す。
そして、手に持っていたメスが自分の心臓に刺さった。
少女は何も思うこともないまま、倒れた。
「誰にもあるものだな」
弘太は霊化を解きながら、小さな声で言う。
「トラウマってやつは」
皆さんにトラウマありますか?
我はめっちゃあります。




