第107話 次はオタクの霊
アイドルの霊を討伐してから、数日が経った。
班長から電話がきた。
『またまた任務だよー! 詳しいことは私たちの部屋で!』って。
なんで班長、私のスマホで電話できるんだろう……。
電話番号とか教えたことないよね……?
私は急いで支度する。
ベッドでゴロゴロしながらマンガ読んでる途中に電話きたから、結構だらしない恰好だった。
髪結んでなくて、霊伐隊の制服も雑に着てた。
「あ、遅いよー、柊菜ちゃん!」
壱の玖班の部家に入った瞬間、班長に言われた。
もうみんなそろってる。
「すみません……」
「ってか、急に呼び出した班長も悪いと思うけどな」
班長の背中を見ながら真気が言う。
そんな真気を、班長は無視する。
「またまた任務だよー。今度はなんかすんごい霊だって」
『すんごい霊』……?
霊はみんなすごいと思うけど……。
「『オタクの霊』だって!」
オタク?
オタクって、アニメとかマンガの知識がすごい人?
私の学校にもいるんだよな、オタク。
学校のだいたいの人はさ、オタクに対してネガティブなイメージしか持ってないけど、私はすごくいい人だと思うけどな……。
一つのことに一生懸命になれる人ってすごくない?
「それがすごいんだよ。この前私たち、アイドルの霊討伐したじゃん? そのアイドルのことが好きな霊みたいなんだよ」
ああ、じゃあ私たちのせいか。
私たちがそのアイドルの霊殺しちゃったから、そのオタクの霊が怒っちゃったんだ……。
確かに、推しが殺されたらすっごい悲しいよね。
じゃあ、せめて謝ることくらいはしてあげ――
『――慈悲なの?』
!
突然頭に激痛が走る。
頭の内側が痛い……!
『慈悲を感じてるの? 霊に何を感じてるの?』
『前までずっと霊を殺すことだけ考えてたのに』
『アクサが憎くないの?』
『親が好きじゃなかったの?』
『目の前で親が殺されたのを見なかったの?』
ずっと声がする。
しかも、私の声だ。
真気たちが私に近づく。
ここで、私は倒れていて頭を抑えて苦しんでるということがわかった。
でも、まだ『声』は聞こえてくる。
『霊に同情するんだ』
『その程度の覚悟だったの?』
『月菜ちゃんたちがあんなに傷ついて助けてくれたのに』
『これだから嫌いだよね』
『何もできない』
『何も覚悟できない』
『殺せない』
『護れない』
『犠牲を無駄にする』
『甘い考え方する』
『―――』
『――』
『――』
『―』
さっきからずっとやまない『声』。
私の意識が薄れていく。
そして、視界が真っ暗になった。
今回の描写かっこよくないですか!?




