第104話 弘太の能力、使えない?
私は女に近づく。
女は苦しそうに私を見た。
そして刀で私の斬撃を止めようとする。
私の刀は女の刀で防がれた。
オレンジ色の刀は。
私は白色の刀で女の脚を斬ろうとする。
流石に女もそこまで予測はできなかったみたい。
女の脚を斬れた。
でも切断まではいかなかった。
もう一回、女を斬ろうとする。
女は私から離れる。
「柊菜、聞いてくれ」
女を追いかけようとしてる私の隣に、弘太さんが来る。
なんか久しぶりに弘太さんに話しかけられたかも……。
「僕の霊化の能力、知ってるか?」
弘太さんの能力?
知らないな……。
「いえ、知りません」
「『相手にトラウマを思い出させる』ことだ」
へー。
……酷い能力……。
トラウマ思い出させるんだ……。
精神的ダメージすごいな……。
「さっきから試してるんだけど、あいつ、トラウマがないみたいだ」
「そうなんですか……? トラウマがない生物なんているんですね……」
「いや、『トラウマを克服した』っていうのも考えられる。……だから、僕の能力は使えない。それを頭に入れた上で戦ってほしい」
弘太さんの能力、使えないんだ……。
じゃあ霊化が使えるのは私と真気、あとは琉璃さんと班長か。
真気の能力は人形をつくること、琉璃さんは多分、自分の傷を相手に与えること、班長は……わからない……。
班長色々なことしてるから推測もできないんだよね。
私が見たことあるのだと、洋服の霊を粉々にしたんだよね?
でもなんか他の能力もあったよね?
なんだっけ……。
思い出せないな……。
……戦闘中に考え事なんてしないほうがいっか。
今はあの霊を殺すことだけを考えよ。
「僕はちょっと準備してくる」
弘太さんはそう言って、この部屋から出ていった。
なんの準備か教えてほしいな……。
私はもう一回女に斬りかかる。
女は、今度は私の斬撃を躱した。
そして私の懐に回り込んだ。
女は刀を振り上げる。
女の刀が私の頭に当たりそうになった――
そのとき、銃声が聞こえた。
それと同時に、女の腕から血が出る。
女の動きが一瞬だけ止まった。
そして琉璃さんが女のところに向かって高速移動する。
そのまま女を斬るつもりらしい。
じゃあ私も斬ろう。
そうしようとして、身体を動かす。
上からは真気が女に斬りかかってきて、琉璃さんの反対側からは班長が女に向かって斬りかかっていた。
女の逃げ道はあまりない。
これで少しはダメージを……。




