神命を与える
短編投稿しました。
『王子と公爵令嬢の恋愛相談係り。お前ら私を挟んで恋愛すんな!もう直に言いやがれ!』
良かったら読んで頂けると嬉しいです。
アリエル様の言葉は驚きの連続だった。
古龍種・火炎龍王フレイムの復活など、アリエル様から教えて頂かなければまったく知らなかったのだから。
「いったい、いつ頃復活するのですか!?」
「正確な時期はわかりません。しかし、復活の予兆はあります。地震が多く発生してくるのが予兆です」
!?
「すでに各地で地震の報告が上がってきているが……………まさか!?」
「今は弱い地震ですが、シオンのイージス領を中心に今後、強い地震が発生するでしょう。それがフレイムが目覚める合図です」
アリエルの言葉にイージス領によく行くアルトは思案しながら思い出していた。
「今、思い出せば新しくイージス領で建築された建物は、王都や他の地域の物より耐震性に優れていると思ったんですよ。前に聞いた時は、火山噴火が起こった時の備えとして、そうしていると言われましたね。耐震性の強化の分、高くなった建築料金分はイージス領が負担しているとも聞きました。そんな事情があったんですね」
「ええ、シオンを通して被害を最小限にする為に耐震性に優れた建物を建造するようにしました。まぁ、シオンにもフレイムの復活の事は伝えておりませんが……………」
アリエルは二人に頭を下げた。
「私の力が及ばず申し訳ありません。本来なら100年は目覚めないはずでしたが……………その、シオンを転生させる為に、思った以上に力を使ったみたいで………」
言い難くそうに言うアリエルの言葉にルークとアルトは激しく否定した。
「何をおっしゃいますか!アリエル様が人知れずフレイムを封印して頂いたおかげで、今は平和に暮らせているのです!感謝しかありません!」
「そうです!母上にまた会わせて頂いた事は、神の奇跡として深く感謝しております!アリエル様に文句などございません!」
二人は国を守り、母を生まれ変わらせたアリエルに、心の底から感謝していた。
「もし、火炎龍王フレイムが復活するのであれば、今度は我々が討伐のお手伝いをさせて頂きます!この国をアリエル様だけに頼ってはいられません!是非、協力させて下さい!」
この国を守りたいと言う想いも本気であった。
二人の目には揺るぎ無い強い意志が感じられた。
「……………そうですね。犠牲を恐れては国を守れませんね。では、二人に………いえ、この国を治める皇王に命じます!この国を火炎龍王フレイムから守って下さい。地震の規模から数年のうちに復活する可能性があります。イージス領に軍の配備と、避難所の確保。火山噴火による食糧難に備えての小麦などの備蓄の確保など、細かい采配はお任せ致します。何かあればシオンを通して連絡しなさい」
ははっーーー!!!!!
二人はアリエルに頭を下げて、『神命』承りましたと了承した。
こうして二人は主だった大臣や貴族の当主を緊急招集を命じ、各地へ伝令を飛ばした。
そして───
「ねぇねぇ!これはどうかしら?」
「あら、こちらのアクセサリーは?」
キャッキャッウフフフと、シーラとカルラはシオンを着せ替え人形としていた。
目の光が消えたシオンは……………
「もう許して~」
小さな声で叫ぶも、まだまだ終わりそうにないのでした。ってか、まだやってたの!?
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