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親睦会

誤字報告ありがとうございます!

次の日になり教室へ向うと先に来ていたルインと目が合い、先日のお出掛けのお礼をした。


「楽しい時間をありがとうございました」

「いや、こちらも楽しかったよ。それよりさっそく贈った薔薇の香水を着けてくれているんだね。嬉しいよ」


薔薇園から帰る前に、露店でプレゼントしたのだ。

ちょっと顔を赤くしてシオンが答えた。


「はい。ほのかに香る程度ですが、この香りが好きなんです」


香水と言うよりはコロンに近いものであった。


「シオン!本当にごめんなさい!次は埋め合わせするから許して!」


シオンを見るなりガバッと頭を下げた。


「イオン、怒ってませんから頭を上げて下さいます。公務では仕方がありません」


グサッ!


嘘を吐いている後ろめたさから、シオンの優しさが突き刺さる。


「それに、ルインには大変お世話になりましたし、大丈夫ですよ」


グサッ!グサッ!!!


それは自分と出掛けなくても、お兄様がいれば良いと?


そんなのは嫌よ!

イオンはシオンの手を取り今度は絶対にお出掛けしましょう!と、涙目で訴えるのでした。


「あらあら、イオンは優しいわね。そんなに気にしないでいいのに」


イオンの意図に気付いていないシオンだった。




放課後、本日は午前で授業は終わる日だった。


シオンとルインのデートについてはスピカ令嬢とサーシャ令嬢にイオンから説明がありました。


「はぁ~、まさかシオン様の都合が悪いなんて想定外でしたわ」


先日の埋め合わせに、さっそく放課後にお茶に誘ったのだが用事があると言う事でシオンは授業が終わるとすぐに出掛けてしまった。


イオンは、サーシャとスピカを誘って喫茶店で親睦を深めていた。


「それで、イオンさん、シオンとルイン様のデートについて詳しくお話し下さい」


スピカは悔しそうに言った。


「さっきも説明したでしょう。それとスピカには先に言っておくわ。お兄様はシオンに惚れているのよ?貴女がお兄様に好意を持っていても、その気持ちが報われるとは──」


イオンが言い切る前に、わかっていますわ!と、声を遮って言った。


「そんなのルイン様の顔を見ていればわかります!でも、この気持ちは止められないのです!」


涙を目に浮べながら叫ぶように言った。


「そうですね。人を好きになる気持ちは、自分でも制御できないものです。私だって守護精霊アリエル様の愛し子であるシオン様への想いを止めることはできないのですから!」


「「いや、それは意味が違うから!」」


イオンとスピカの声がハモった。

最初は良い事を言っていたのに台無しである。


三人はお互いに視線が合うと笑い合うのだった。

親睦会は成功のようである。



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