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成果

思った以上に薔薇園で時間を潰したみたいで、日が落ちてきた。


「残念だな。この後はショッピングでもと思っていたのだけれど、時間のようだ」

「そうですね。ルイン様、本日は楽しい時間をありがとうございました」


丁寧に頭を下げるシオンにルインは手を取って答えた。


「いいや、それはこちらのセリフだ。今日は自分も楽しかった。もしご迷惑でなければ、また誘っても良いでしょうか?」

「ええ、また次の機会がありましたらお願い致しますね」


二人は少し照れながら馬車に乗り、学生寮へ帰るのだった。行きと違い、帰りの馬車の中では会話が少なかった。


寮の部屋に戻るとメイドのリサが───寝ていました。


「ただいまー!って、ちょっと!寝るの早くない?」

「ふわぁ~お嬢様、お帰りなさいませー」


寝ぼけながら大きな欠伸をするリサに、シオンは本当に守護精霊アリエル様なのかしら?と、頭が痛くなるのでした。


「それでシオンお嬢様。遅い帰りでしたが、大人の階段を上がってきたのでしょうか?」


「はっ?」


……………シオンは何を言われたのか一瞬理解出来なかった。


ボンッ!?


「な、何を言っているんですか!」

「いえ、だってねぇ?ルイン王子とデートだったんでしょう?シオンお嬢様も、すみにおけませんわね~♪」


なっ!?

デート!??


驚くシオンにリサは首を傾げた。


「あらら?まさか気付いていなかったのですか?男性と二人でお出掛けする事を世間ではデートと言うのですよ?」


リサはルイン王子が不憫に思えたが、シオンの反応がおかしかった。


「シオンお嬢…………いえ、シオン、どうしました?」


リサは守護精霊アリエル様モードになってシオンに尋ねた。


「…………いえ、あの、アリエル様、私はこのままで良いのでしょうか?」


シオンの言葉の意味を汲み取れず聞き返した。


「どうしたのですか?珍しく感情に不安が混じっていますよ?」

「私はアリエル様のおかげで第二の人生を謳歌させて頂いています。でも、カイルは………そう遠くない時間で寿命が来るでしょう。私だけ幸せになっても良いのでしょうか?」


アリエルはシオンを優しく抱き締めながら頭を撫でた。


「人は誰しも幸せになる権利があります。そして、いくら守護精霊と言っても、全ての人に加護を与える事はできないのです。先王カイルもシオンの幸せを願っています。このまま先王に操を立てて独身を貫くのも、別の誰かを愛して幸せになるのもシオン次第なのです。恋や愛とは生涯掛けて見つけていくものです。焦らずゆっくりと自分の気持ちを見つけていって下さい」


「………………ありがとうございます」


軽く涙を流していたシオンの目をハンカチで拭いたアリエルにシオンはポロッと呟いた。


「何だか本当の守護精霊アリエル様みたい」


ピキッ!?


「もうっ!久しぶりに真面目モードになっているのに!もうっ!」


アリエルはシオンのほっぺたをつまみながらイタズラした。


「ご、ごへんなはーい!」


二人はじゃれ合うとお互いに笑った。



『本当にありがとうございますアリエル様』


シオンは心の中で感謝の言葉を言うのだった。






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