デート?②
人気のある演劇は大きな拍手と共に終わった。その後、予定通りに食事に誘った。
「面白かったね。良い時間だし食事に行こうか?」
「はい。そうですね。食事をしながら演劇の見どころだった所を話したいです!」
どうやらシオンも演劇が面白かったらしい。
ルインは内心でよっしゃーーー!!!!と、ガッツポーズをしながら、顔では出さずにそうだね、と微笑んで予約していたレストランに向かうのだった。
『いいですか!お兄様?余り高級過ぎると、シオンは萎縮してしまいますので、ほどほどの所にしておくのですよ?お兄様が予約したこのレストランは個室があるので、そこの席にして貰って下さい。個室の方がムードが出ますので』
ルインは妹のイオンの言葉を思いだしながらレストランに入った。
「いらっしゃいませ!ルイン様ですね。お席にご案内致します!」
オーナー自らが出迎えて席まで案内してくれた。
「シオンは何か希望はあるかな?」
「いえ、初めてのお店なのでルイン様にお任せ致します」
ルインは予め予約してあったコース料理をお願いした。シオンが食べたいものがあるならそれに変更する予定だった。
「アルコールの少ない食前酒だ。今日は来てくれてありがとう。乾杯」
「乾杯」
小さく乾杯をして先程見た演劇に付いて話に花を咲かせた。
「10年以上も待ち続けるなんてステキなお話でしたわ♪」
「そうだね。でも、婚約者も自分に何かあった場合を考えて、自分の事を忘れて幸せになって欲しいと戦争に向かった言葉は印象に残ったね」
「そうですわね。あくまでも相手の事を思って別れるなんて、胸を打ちましたわ」
話に熱弁していると、すぐに料理が届いた。
「せっかくだ。食べてからまた話そうか」
「そうですね。頂きましょう」
ルインが選んだレストランは、野菜料理が好評のレストランで、低カロリーで女性に人気のお店だった。
「まぁ!美味しいですわ」
シオンは一口食べてから感想を口にした。
「口に合って良かったよ。次の料理も楽しみだ」
貴族の食事は基本的に静かである。
食べ終わって、
次の皿が出る短い時間に簡単な会話を楽しみつつ料理を堪能した。
「まさか、野菜のお肉があるなんてびっくりでした。ルイン様、とても美味しかったです。ありがとうございました」
「うん、喜んで貰って良かったよ。シオンはまだ時間はあるかな?一つだけ付き合って欲しい場所があるんだ」
「ええ、今日はイオン殿下の為に1日空けてありますので大丈夫ですわ」
ルインは良かったと言って馬車に案内した。
馬車の中でシオンは何処に行くのか尋ねたが、ルインはお楽しみだよ。と言って秘密にした。
シオンは馬車の窓から外の景色を見ながら、ルインと会話を楽しむのだった。
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