生まれ変わってからの再会!
辺境の男爵家にて──
「お久し振りです。ワイズです。シオン皇………ゴホンッ、シオンお嬢様にお客様をお連れ致しました」
突然やってきたワイズ元教皇様に緊張しながらシオンの両親は応接室に通すと、やってきた人物にシオンは息を呑んだ。
「か、カイル………?」
「シオンなのか?本当に?」
二人は見詰め合うばかりでしばらく言葉もなく、動けなかった。
そして少ししてから先王から話した。
「正直、信じられないのじゃ。少し質問してもよいかのぅ?」
「ええ、何なりと」
カイル先王はシオン皇后の事を質問した。
「まず、ワシと初めて会った場所は?」
「王家での王城パーティで顔合わせした時ですわ。近い年齢の子供達が招かれたパーティですわね」
ふむ、とカイル先王は続けた。
「では、シオン皇后の実家の家名は?」
「アイギス公爵家です」
「兄弟は何人いたかのぅ?」
「私を含めて3人です。兄のカーク、妹のミリア、そして私です。残念ながら二人とも他界しましたが…………」
「そうじゃな。失礼な事を聞いた。すまぬ。後、1つ聞きたい。ワシが初めて贈ったプレゼントはなんじゃ?」
シオンは少し考えてから言った。
「王家からの公式な物は、薔薇の花束と宝石のアクセサリーが幾つか。貴方個人からは………四葉のクローバですわ。わざわざ、自ら探して、泥んこになりながら持ってきてくれましたね。とても感動して、押し花としてコーティングして死ぬまで大事に使いました」
!?
ここでカイル先王の顔が変わった。
「それと、王城での私の部屋にある──」
今度は逆にシオンが自分の部屋にある物や、秘密通路などなど、王家の秘密まで伝えた。
そして二人しか知り得ない質問に答えた事により先王カイルもようやく信じることができたのだった。
「まさか守護精霊アリエル様がこんな事をしてくれるとは。病気を治してくれればよかったのにのぅ」
「こら!不敬ですよ?こうしてまた逢えただけでも奇跡なのですから感謝しませんと」
二人は和やかな雰囲気で会話を楽しんでいたが、応接室で空気になっている父と母がいました。
元教皇様が先王陛下を連れてくるとは思ってもみなかったのですから。
「あ、貴方、私達、王家の秘密を聞いて大丈夫でしょうか?」
「ああ…………、さっさと部屋を出ておけばよかったな」
流石に、シオンだけには出来ないと思い、親の義務として同席していた事を後悔していたのだった。
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