やらかし娘
魔法の授業が終わりシオンはぐったりしていた。
「シオンさん凄いですわね!」
「もう良いよ~~~」
リディア先生を始め、クラスメイト達からも騒がれてシオンは机に伏していた。
「まったく!シオン様のせいで私の出番がありませんでしたわ!」
シオンの魔法に騒がれて次の生徒達の順番が来ないまま授業の時間が過ぎたのだった。
イオンはプンプンッとしながらも嬉しそうだった。
「でもいつの間にあんな技術を身に着けたのですか?」
「いや、何となくやって見ようかな?と思ってやってみたらできちゃったの」
驚くイオン達に、シオンだからね~と、何故かみんな、納得するのだった。
何故に!?
解せぬ!
「でも、これでシオンの名前はより注目されますわ。複合魔法なんて王宮魔術師でも1人ほど使えるかどうかですもの。普通は二人以上で行う魔術なんですよ」
あの両手で使う魔法って複合魔法って言うんだ。
「で、でも使える人が他でもいる訳だし、そんなに騒がないでよ」
「まぁ、シオンさんがそう言うなら」
サーシャなどはシオンの願いを第一に叶える様に動くのだった。
そして、シオンの話題が落ち着いてきた頃、午後の授業になりました。
「さて、今日の午後からの授業には音楽学科がありますわ。負けませんわよ♪」
「いやいやいや!今や国内屈指のピアニストのイオン様に勝てる生徒なんて居ませんわ!」
うんうん。確かにそうだよね~
シオンは心の中でそう思いながらも、音楽なら自分は目立たないよね!と、別の事を考えていた。
この学園の音楽室は普通の学校よりも広かった。別のクラスと合同でやるのもあるが、貴族の嗜みとして、何かしらの音楽を習っている為に、音楽だけでいえばSクラスも最下位のCクラスも関係ないのだ。
いや、こと音楽に関しては下位のクラスの生徒の方が全体的に上手い者が多い場合もある。魔力の少ない次男や三男などの家の継げない生徒は騎士団へ入団するか、何かしら一芸で身を立てるしかない者達が力を入れる科目であるからだ。
各クラスの生徒が音楽室に集まると、授業の時間になりました。
「さて時間になりました。授業を始めましょう。学園が始まり一週間が経ちました。この授業も2回目となります。前回は自己紹介で終わったので、本日から本格的な授業を始めたいと思います」
音楽の教師である『エリーゼ先生』が教室を見渡して言った。
「ではまず、音楽を上手くなるには、練習もですが、本物の音楽に触れる事が大事です。イオンさん、皆さんに本物の音楽を聴かせて下さい」
おお!
さっそく来ましたね!
これでイオンにみんなは釘付けですわ!
シオンは魔法の時の騒ぎがこれで収まればいいなぁ~と期待するのだった。
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