嬉しいですわ
シュガーの自己紹介に一瞬唖然としてしまったが、すぐに気を取り直して挨拶した。
「失礼ながら、とっても甘そうなお名前ですね」
「ウフフフそうでしょう?元々シュガーって名前だったのだけど、結婚して名字まで甘くなったのよ♪歳は永遠の18歳だけどね♪」
さいですか。
「実はこの店はアイギス家が出資しているんですの。その関係で、よく利用しているのですわ」
「なるほど。それではスピカ様の好物であるレアチーズケーキをお願いします!」
じゃぁ私も~と、他のみんなも同じ注文をした。
「ちょっ!?みなさん!」
「ハイハーイ!スピカ様も同じもので良いですね~ご注文承りました~」
待っー、スピカの抗議も虚しくシュガーは行ってしまった。
「みなさん!他にも美味しいメニューはいっぱいありますのに!」
「まぁまぁ、今日は親睦を深める為の集まりですしね」
少し待つと、レアチーズケーキが届いた。
「なんですの!?」
「綺麗ですわ♪」
ショートカットされた三角の白いレアチーズに赤いラズベリーソースが色鮮やかに彩られていた。
ケーキの横には果物で出来たゼリーも目を引いた。
シオン達は目で楽しんでから口に入れた。
「美味しいですわ!」
「本当に♪」
「うん、これはイケる!」
みなさん大絶賛でしたわ!
「スピカさん、とても美味しいです。ここに連れて来てくれて、ありがとうございました」
「べ、別に構いませんわよ!」
スピカは赤くテレながら顔をプイッとした。
『『ツンデレだ』』
みんなの気持ちが1つになる瞬間であった。
そして、みなさんで楽しい会話を楽しみながら帰るのでした。
『本当に、派閥を気にしないで純粋に楽しんだのは初めてかも知れないわね』
帰りの馬車の中でシオンはそんな風に思っていた。
前世で、お茶会と言えば、一口飲んでからどこの茶葉を使っているかだの、どこで作られているかだの、派閥の関係で褒め称えたりなど、気が抜けなかったのだ。
純粋に【友達】としてワイワイとお茶会をしたなんて初めてかも知れなかった。
前世では学校が終われば王妃教育があり自由な時間なんてありませんでしたものね。
これが学生と言うものですか…………
「こういうのも悪くありませんわね」
「シオン、何か言いましたか?」
目の前にいたイオンが尋ねた。
「いいえ、なんでもありませんのよ」
シオンはそう言い嬉しそうに微笑みを浮かべるのだった。
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