救援活動ですわ!
火山噴火で辺境の地域に大量の火山灰が降り注ぎ、辺境の大地を灰色に染めた。
火山灰の影響で体調を崩す者も多く出た為、火山灰の影響の少ない地域に避難する指示が出た。
短い周期で何度目かの噴火が起こり三ヶ月ほど経ってようやく落ち着きを取り戻した。
「これからが大変ですわね!」
今年の作物の収穫後だったのはせめてもの救いではあったが、これからが大変だった。
火山灰に塗れた田畑を土から掘り起こして、正常な地質に戻さなければならないのだ。
「しばらくは騎士団を派遣して、最低限の田畑の火山灰を取り除く作業をさせる」
何はともあれ人手が必要なのだ。
「シオン、私は緊急支援の要請の為に隣国へ交渉しにいく。辺境への視察は頼んだぞ」
「ええ、任せておいて」
お互いに無理をしないよう言い含めて、お互いのやれる事に集中した。
辺境の地域の支援は、また田畑に収穫が見込めるようになるまで、続けなければならない。
1日でも早く復興させなければ、国庫に大ダメージが行ってしまう。
すぐに騎士団を派遣し、それに同行して辺境の復興支援に力を入れるのだった。
火山灰の撤去は人海戦術しかなかった。
地道に騎士団と地元の人々を使い、田畑の火山灰を撤去していった。
1年経って、ある程度撤去した田畑は三分の二程度ではあったが作物が実った。
「ふぅ、良かった。これである程度の生活基盤が整いましたわ」
ずっと騎士団を辺境に縛り付ける訳もいかず、1年で騎士団は引き上げる事になった。
「当面は、支援物資は減らしますが、向こう数年は税を免除するので、それまでに生活できるように頑張って下さい。無論、定期的に視察に訪れますので心配しないで下さい」
「この度は、大規模な自然災害に対して寛大な支援をありがとうございました!」
当時のイージス男爵はシオン皇妃と、助けにきてくれた騎士団に深く感謝した。
「皆の者!これだけの自然災害に対して、餓死者も出ず、多くの支援をして頂いたシオン皇妃様、そして、騎士団の皆様に深く感謝を!そして、後は我々の手で復興していこうではないか!」
「この奇跡を守護精霊アリエル様に捧げよう!」
オオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!!
この時の辺境の民は、一致団結をして自分達の土地を元に戻そうと頑張っていく事になる。
しかし、20年のも時が流れると、若い世代は住みにくい故郷を離れて、都会に流れていき過疎化が進んでいく事になるのは、今の時点ではわからないのであった。
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