自然災害
少し話の中休めをしてから、次の話に移りました。
「そうじゃな。シオンとはあれから良い関係を────」
それはもう良いのですわ!
今は歴史の勉強の最中ですのっ!
シオンは必死にお母様の恋愛話を聞かせて~♪攻撃を避けて、無理矢理話を変えました。
「コホンッ、あれはようやく戦争が終結し、さらに数年経ったある日の事でした──」
ようやく、エルザ王国と国交がスタートした時期であった。
ゴゴゴゴッ…………
最近、地震が各地で起こる様になっていた。
「最近、地震が多いな」
「そうですね。これは大きな災害の起こる前触れの可能性があります。各領主へ食料の備蓄と、民への避難場所の通知を徹底させるよう連絡して下さい」
ようやく、戦争の傷が癒えてきた所であった。
幸い、エルザ国の兵士の一部がアガレス王国に移住したいと希望があり、焼き払われた村の人口は回復した。
「民の不安も高まっています。精霊教に支援要請をして、炊出しとミサを定期的に行いましょう」
「そうだな。炊出しは余り頻繁にはできないが、ミサを開き民の不安を解消してもらえるよう申請するか」
これから何が起こるかわからない。少しでも備蓄に残して置きたいからな。
「そうだ。今のうちに隣国から食料の輸入を多目に依頼しておくか」
「そうですわね。何かあってからでは足元を見られます。今の内に保存の聞く小麦などの食料を買付けしておきましょう」
官僚達と話し合って輸入の拡大を進めた。
後にこれが大正解だったと言う事に今はまだ気付かなかった。
カイルとシオンは多忙ではあったが、家族の時間を大切にしていた。
「ちちうえ~」
「おかあさま~」
2人は子供達をメイド達に任せっぱなしにせずに、夜は家族で過ごす時間を大切にした。
「本当に子供達の成長は早いな」
「うふふふ、いつも言っていますわよ」
1年以上会えなかった時期もあり、大きくなる子供達を見て嬉しくて堪らないカイルは子供達の頭を撫でながら、つい言ってしまうのだった。
「子供達も慕ってくれているのも嬉しいですわね。どうか、このまま健やかに成長してくれるのを願いますわ」
シオンの願いは長くは続かなかった。
この1年後、ついに辺境の火山が噴火したのだ。
「ついに起こったか!」
カイルはすぐに専門家を呼んで、対処方法を模索した。
専門家から、地震の頻度から火山噴火が起こる可能性が高いと指摘があり、すでに専門家チームが結成されており、行動が早かった。
ただ、専門家やカイルの予想以上に大きな火山噴火だったのが辺境の民に多大な影響を及ぼすのだった。
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