イチャイチャ
エルザ国が自滅して──コホンッ、内乱となったお陰でアガレス王国に一時の平和が訪れた。
無論、王女が勝利しても、国の立て直しにしばらくは忙殺されると予想された。故に、しばらくは面倒な事は起こらなく、滞っていた政策に集中できたのである。
「あの~カイル?そろそろ離してくれませんか?」
「ヤダ」
カイルは執務室で、シオンを膝の上に置いて抱きかかえながら書類にサインしていた。
「あの~ヤダではなく、ほ、ほら重たいでしょう?」
ニッコリ
「シオンは羽根の様に軽いから全然気にならないよ?逆に軽すぎるから、もっと食べないといけないんじゃないかな?痩せすぎは病気になりやすいからね」
チュッ♪
あうあう…………
カイルの溺愛にシオンは顔を真っ赤にして、アウアウと口をパクパクさせるしか出来なかった。
1年以上も離れて暮らしており、ようやく一緒に居られるという思いから、今まで以上にシオンを愛し、離れたくないと思ったカイルの溺愛が止まらなかった。
誰か何とかしてーーーーー!!!!!!
シオンは恥ずかしくて心の中で叫んだ!
コンコンッ
そんな時、扉のノックの音が聞こえた。
パァーーー!!!!
助けが来たわ!
失礼します!と、配下の者が書類を持って入って────来なかった。
バタンッ
新しい配下の側近は空気が読めるのだ。
扉を開いた瞬間に目に飛び込んできた光景を見て、無言で扉を閉めたのだった。
まぁ、膝の上に皇妃様を乗せて抱きかかえている光景を見ればイチャイチャしていると思ってしまうでしょう。
その時間を邪魔したとなれば、後でどんなお叱りを受けるか察してしまうのだ。
こうしてアガレス王国の王城では、四人目が産まれるのも近いかなぁ~と、カイル皇王とシオン皇妃2人の甘い空気の中、生暖かい目で見られるのでした。
めでたし。めでたし。
じゃ、ないですわーーーーー!!!!!恥ずかしくて死んじゃいますーーーーー!!!!!
誰か、た~す~け~て~~~!!!!
シオンの叫び声が響くのも日課に成りつつあるアガレス王国だったのじゃ。←(誰?)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
スパコーーーーン!!!!
「なんですか!最後の話は!子供になんて事を話すのですか!?」
過去の出来事を語っていたシオンは、戦争の詳しい話の時に、カイルに代わって話してもらっていた所で、話さなくてもいいこと言ったカイルの頭をハリセンで叩いたのだった。
「あいたッ!何をするんじゃシオンよ?ワシのシオンとの馴れ初めの良いところでじゃな…………」
「黙りなさい!私の黒歴史を語らないで下さいまし!あの時は、ほんとーーーーに!恥ずかしくて死にそうだったんですからね!」
シオンは顔を真っ赤にしながら吠えた。
「まぁまぁ、シオンちゃんは黙っていてね?今、良いところなんだから♪」
ムギュと、シオンの口を抑えたのはお母様でした。恋愛話が大好きなお母様は、ぜひ続きをと言って来ましたよ!
ってか、自分の恋愛話ってこんなに恥ずかしいなんて、もう許してーーーーー!!!!!
…………リア充爆発しろ!と、作者は遠い目をして思うのだった。(嫉妬)
『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』