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より良い未来へ──

「これで終わりましたな」


第一王子が死に、謁見の間にいた高位貴族達は全て捕らえられた。


「いいえ、まだ終わっていません。第2王子イルウドお兄様の行方がわかりません」


私達が到着する前に脱出したと聞いたが、逃げられて何処かの貴族に匿われると厄介ですね。


イザツイ王女は制圧した王城の掃討作戦を命じながら玉座に座り報告を待つことにした。


「イザツイ王女…………いいえ、イザツイ女王陛下。お辛くはありませんか?」


宰相のサイモンが尋ねた。


「正直、全然辛くないですわ。それよりも喜びの方が大きいですわね」


「はっ?」


イザツイの言葉に宰相は間の抜けた声を出した。


「あのナルシストで無能で、気に入らない者を殺したりしていたクズ兄を、この手で殺せたのですもの。胸がスカッとしましたわ♪」


「そ、そうですか…………」


苦笑いをしながら相槌を打つ宰相にイザツイは言った。


「これで、少しはクズ兄のせいで死んでいった者達に報いる事ができたかしら」


イザツイ女王の言葉に宰相は、はっ!となって勿論でございますと、臣下の礼を取るのだった。


事態が動いたのは翌朝だった。

王城の制圧が完了し、これから新しいエルザ国王の政策準備をする為に、一度全ての貴族の当主を呼ぶ事になった。



そんな時に慌ただしく伝令がやってきた。


「それは本当なのですか!?」


イザツイ女王の言葉に、伝令は見た事を話した。第2王子イルウドが、城攻め前に放った別働隊に発見され、殺されたと言う知らせだった。


「流石はイザツイ女王の先読みの力ですな。まさかピンポイントで見つかるとは」


こんなにすぐに見つかるとは思っていなかった宰相も呟いた。


「いや、城から逃げ出し、どこに向かうかある程度予想が付いていたから当然だ」


マーチス将軍は腕を組みながら答えた。


城を脱出した者が向かうとすれば、自分の派閥の貴族の領地。城の正面からイザツイ女王の軍が攻めてきているなら、裏手からそのまま一直線に派閥の貴族の元へ向かうだろう。

その道を騎馬隊で追ったのだった。


なんとも呆気ない幕引きにイザツイ女王は、深いため息を吐いて、気合いを入れ直した。


「貴族当主達には必ず登城するよう伝達せよ!そして、第一、第二王子は死んで私が女王になる事を伝えよ!来ない家は貴族籍を剥奪する旨も伝えるように」


はっ!と、伝令は出ていった。


「これで始まりますな」

「ええ、いつも貴方の政策を邪魔していた高位貴族達は軒並み牢獄の中。これで民の為の政策ができます。頼りにしていますよサイモン宰相。まだまだ至らない私を導いて下さい」


「かしこまりました。ビシバシとシゴイていきますのでお覚悟を」


宰相サイモンは、この女王の元でならより良いエルザ国の未来を作っていけると、心の底から喜ぶのだった。







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