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凋落

エルザ国王ヨダズクはすぐに貴族達に自分の領地の民の徴兵を命令し、国境砦に向かわせるよう勅命を出した。国境砦に十分な兵力があれば、王都が攻められる事はないので、すぐに逃げ出した商人が戻ってきて王都は賑わいを取り戻すと思っていた。


しかし、前回の近衛騎士団に命じて徴兵した兵士(民)が全て戻ってきていない状態で、更にの徴兵はほとんどの領地で不可能だった。


すでに働き手の若者が少ない状態であり、田畑を耕す者がいなく、今年の農業収穫は例年の半分近くまで落ち込む事が予想された。


そこに来ての更にの徴兵など、何処の領地でも無理だった。ほとんどの領地では1~3人ほど送りゼロではなく送ったと言う実績だけ作った。


そして何とかエルザ側の国境砦に数百人が集まったのだった。


無論、エルザ国王ヨダズクは王都の5千の常駐予備軍は動かさなかった。

反乱などに備えて自分の側に置いたからだ。


そこに国境砦の実情が噂されると、更に王都に住んでいた民すらも逃げ出して、もっと閑散となって行った。


そんな中、遂に予想されていた事態が起こった。


愚王ヨダズクが暗殺されたのだ。


毒を盛ったのはメイドの1人であった。

城のメイドや執事は貴族の2男3男などであり、そういった者達も逃げ出していたのだ。

そこに急募で募集を掛けた所に採用された者だった。


人手不足であり、禄に身元調査もせずに雇ったのが原因である。


そして内乱が始まった。


暗殺されたエルザ国王ヨダズクには3人の子供がいた。王子2人と王女が1人である。


ヨダズクは自己顕示欲が強く、まだまだ息子に実権を譲る気がなく、王太子を決めていなかった。王子の2人は王妃から生まれており、王女だけが側室から生まれていた。


王女は実権からは遠い立ち位置におり、遅くに産まれたので16歳。成人すれば、他国か自国の有力貴族に嫁ぐ予定の為に命を狙われる事がなかった。


問題なのは王子の2人である。1歳違いで、長男の【レクオテ】と次男の【イルウド】の王位継承権争いが激化してきた事だった。


貴族達もどちらの王子に付くのか対立し、国が割れたのである。


すでに侵攻失敗から1年が経過していた。

幸いなのは、王子や各貴族達が過剰な戦力を持っていなかった為に、大規模な戦闘は起きなかった事である。


王都に常駐していた5千の兵力も2人の王子と有力貴族が分割して、自分の私兵にしてしまった。国のトップが居なくなった事で、通常なら王子が政務を行うが、権力争いに集中している為に、宰相や文官達が国を支えていた。



「この国はもうダメかも知れんな」


そう呟くにはエルザ国の宰相サイモン。

エルザ国には


【武】のマーチス将軍

【知】のサイモン宰相


この2人がエルザ国を支えていた。

あの愚王には勿体ない人材であり、宝の持ち腐れだと揶揄されていた。


そしてサイモン宰相は遂に決断を下すのだった。




※この国の国王や王子の名前を逆から読んで下さい。それで、だいだいの結末がわかります。








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