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防衛戦

遂にエルザ国王軍が攻めてきた。


「本当に勝てるつもりなのかしら?斥候も出さずに情報を知っているの?」


敵も攻城塔を2台持ってきていたが、急拵えなのがわかる程に、出来が悪そうに見えた。


エルザ国王軍は装備の違う部隊に別れているのがすぐにわかった。


「グレン将軍の言う通りですね。前衛で戦わされているのが元エルザ軍で、後ろにいる如何にも立派な鎧を着ているのが近衛騎士団ですわね」


エルザ国王軍も約3万の人数を集めてきたが、戦うのは実際は2万で、残りの1万は近衛騎士団であり、後ろで見ているだけだろう。


なら、今攻めて来ているエルザ軍を叩けば勝てる!


エルザ軍は前回、アガレス軍が行った砦攻略と同じ正攻法で攻めてきた。

ただ、前回と違うのは兵力の数がほぼ同数なのと、士気の高さに差があった事だろう。


「前線で攻めてきているエルザの兵士には悪いですが、数を減らせて貰いましょう」


前回とは立場が逆で、アガレス軍は矢の雨を降らせた。エルザ軍も盾を頭に砦に攻めてきた。


しばらくは登ってくるエルザ軍を振り落としながら時間が過ぎていった。


「何をしている!さっさと城壁の上に登らないか!」


後方で偉そうに指示だけ出している近衛兵に、エルザ軍は悪態を吐きながら命令に従っていた。尊敬するマーチス将軍の命が掛かっているからだ。この戦で功績を上げればマーチス将軍の命が救われると言われたからだ。


「まったく、無能な上官ほど軍の害悪ですわね」


「本当に、エルザ軍に同情しますな。だが、侵略者に同情は不要。予定通り前線の敵の数をある程度減らしたら、作戦をフェイズ2に移行します」


グレン将軍の言葉にシオンはお願いしますと答えた。


そして、エルザ軍の屍の山が出来てくると、そろそろ無能な近衛騎士団も、ヤバいかもと思い始めた頃、アガレス軍が動いた。


「狼煙を上げろ!さらにドラも鳴らせ!こちらも動くぞ!」


オオオオォォォォォォォ!!!!!!!


赤色の狼煙とドラの音と共に、砦から少し離れた場所からアガレス軍約3千の兵士が地面から現れた。地面に穴を掘り草を被せて見つからないようにしていたのだ。


そしてエルザ国王軍の後方にいる近衛騎士団に強襲を掛けたのだった。


「なっ!?どうして後方からアガレス軍が!?」

「と、止めろっ!迎撃するんだ!」


突然のアガレス軍の登場に、混乱し禄に陣形すら形に出来ない近衛軍にアガレス軍は斬り込んだ。


そして、同時に、砦の城門が開き砦からも1万のアガレス軍が飛び出した。その1万の軍は城壁のエルザ軍を無視して、近衛騎士団の陣地に向けて突撃した。


「近衛騎士団さえ全滅させれば、元のエルザ軍は投降、または撤退するでしょう」


シオンはグレン将軍と話しながらエルザ軍の事も調べていたのだ。


そして上手く国王の直属の騎士団を全滅出来れば───


その先の事まで考えて動いていたのだった。








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