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激戦!

総攻撃の号令が掛かりアガレス騎士団は準備に追われた。国境の砦までの距離は滞在している街から半日の距離である。戦の準備には丸一日掛かった。


伝書鳩で王都に総攻撃を仕掛ける旨を連絡し、いざと言う時の為に情報を送っておいた。


カイル達、兵士は1日タップリと仮眠を取り、真夜中のうちに出発した。夜明けと共に砦に到着して攻撃を仕掛ける為である。


一方、エルザ王国軍側では───



「ほ、報告致します!マーチス将軍の予想通りアガレス王国軍が全軍でこちらに向かっております!」

「…………やはりきたか。すぐに砦にいる全兵士に伝達!最大限の応戦準備をするように伝えろっ!」


斥候からの報告を急ぎ伝えた伝令は思わずマーチス将軍に尋ねた。


「1つよろしいでしょうか?どうして今まで攻めて来なかったアガレス軍が、突如攻めてきたのでしょうか?」



軍の上層部のみ愚王である国王の最悪の提案を知っており、末端の兵士まで知らされていなかったのだ。


「それを知ってどうする?すでに賽は投げられたのだ。死にたくなければ戦う準備をしろっ!」


伝令兵は申し訳ありません!と言って出ていった。それを見送ったマーチス将軍は深いため息をついて呟いた。


「言えるものか。自国の王妃を側室として差し出せなどと言う狂った提案をしたことなど」


この戦に大義名分などないことを1番痛感している将軍であった。



そして、1年以上の時を経て初めての大規模な戦闘が始まった。カイルも無策で向かった訳ではなく、攻城塔を3台用意し砦攻略に挑んだ。


この時、砦にはエルザ王国軍1万5千の兵士が詰めていた。この1年で残りの5千は自国の国境砦に戻っていたのだ。


無論、すでに援軍の手配はしてある。


アガレス王国軍は約3万の戦力だった。

これは辺境に住まう者達が加わったのが大きかった。


蹂躙されて村を焼かれて生き残った者達の恨みは大きく、やる気に満ちていた。


砦から弓矢の雨が降り注ぐ中、盾を頭に掲げて進軍し、長梯子を掛けて登っていく。


攻城塔を警護しながら遂に、砦の城壁にアガレス王国軍が侵入した。


「よしっ!どんどん登れっ!我々の国からエルザ王国軍を追い出すのだ!」


攻城塔から城壁に兵士がどんどん侵入していった。すでに3台あった攻城塔の2つが破壊されてしまい、最後の城壁塔であった。


城壁の一角を占拠したアガレス軍は、その場所を死守しつつ、城門の方へ兵士を向かわせた。


多くの死者や怪我人を出しながらも、押しているのはアガレス軍だった。そして遂に城門が開き、外に待機していたアガレス軍が雪崩れ込んだ。


そして、日が沈み始めた頃、エルザ王国軍は後ろの城門を開けて撤退していったのだった。




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― 新着の感想 ―
[良い点] なんとしてでも暴虐のエルザ王国を排除するという固い意志を感じる 民が減れば国が疲弊するが、負ければそれ所ではないからなぁ
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