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状況の変化

誤字報告ありがとうございます!

辺境砦が占拠され1年以上経った。


カイルは状況が停滞し、動きがない為に苛立ちを覚えていたが、王都へ戻る事もできず、この場所でできる仕事をしていた。


皇王がいるだけで、辺境の民は見捨てられていないと、安心して当初の騒ぎも落ち着いていた。

そんな時だった。エルザ王国からこの状況を改善すると言う使者がやってきたのは。


「なに?1つだけの条件を飲めば、国境砦を返還し、軍を引くだと?」


使者の言葉は耳を疑うものだった。

しかし、その条件を聞いた時カイルは使者を斬り殺す所であった。


「お、抑えて下さい!皇王陛下!?」

「巫山戯るな!!!ぶっ殺してやる!!!」


とっさに側近に押さえられ、エルザ王国の使者は間一髪で逃げ帰った。





少しして、国境砦に居たマーチス将軍も、逃げ帰った使者をぶん殴っていた。


「巫山戯るなよっ!何処までアガレス王国とエルザ王国の関係をメチャクチャにするつもりだ!」


「ガッハ!?ぐっ、なにをなされる!?私は国王様直々の使者ですぞ!いかにマーチス将軍とて、私に手を出せば国王様が黙って──」


「…………言いたいことはそれだけか?」


マーチス将軍は国王直々の使者の首を刎ねた。


「砦にいる全ての兵士に伝達しろ!エルザ王国からやって来る国王直々の兵や伝令、使者と言う者はやって来た次第、即刻捕まえるようにしろっ!全ての責任はワシが取る!それと、アガレス王国軍が攻めてくる可能性が高い!斥候を派遣し、動向をしっかりと確認しろ!」



使者が持ってきた国王直々の提案にはこう書かれていた。


現皇王の妃であるシオン皇妃をエルザ国王の【側室】に迎え入れたい。



そうすれば国境砦を返還し軍を引くと。



皇王カイルは激怒した。

そして自分がいかに甘かったのか痛感した。


「兵の犠牲を怖がり逃げ腰になっていた様だな…………」


皇王の怒りの圧は凄まじいものであり、会議室で側近や軍の上層部も恐れて俯くしかなかった。


「すぐに物資を掻き集めろ!」


カイルの言葉に側近が尋ねた。


「どうするおつもりですか?」

「総攻撃を開始する!」


!?


「し、しかし、現状では───」

「黙れっ!ここまでコケにされたんだぞ!お前達騎士団は黙っていられるのかっ!」


側近達はオドオドしているだけだったが、意外にも軍の上層部はヤル気であった。


「カイル皇王陛下、我々もシオン皇妃様を側室に差し出せと言うエルザ国王には虫唾が走ります。ただ、大勢の兵士が死ぬ事になるでしょう。…………その兵士達の亡き骸を踏み越える覚悟はおありですかな?」


騎士団長はギラついた目でカイルを見据えた。


「ああ、オレの我儘で兵士に命令を出す覚悟は決まった。お前達の命をオレにくれっ!」


「ならば結構!お前達!皇王陛下の出陣である!準備を急げっ!!!」


オオォォォォォォ!!!!!!!


大歓声と共に戦の準備が始まった。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 現代のあの愛の深さを思うと、正しく逆鱗に触れたといったところですね [気になる点] よりにもよってこの状況で要求するのが女、しかも敵国の皇妃って…頭がおかしいのか…?
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