温泉は最高ですわ!
先王陛下、元教皇ワイズ様、暫定的にイージス『子爵家』の各屋敷に温泉を引いて、いつでも入れるように改築も完了しました。
そうそう、温泉はゼファーさんがすでに成分を分析して害がない事は確認済みです。
源泉掛け流しの最高の温泉です♪
しかも女性には嬉しい美白効果があるとされる乳白色の温泉でしたわ♪
最近ではお母様と一緒に入ったり、メイド達と入ったりと交流にも役立っております。
「最近のシオンは機嫌がいいね」
「お兄様、当然ですわ!毎日、温泉が入り放題なのですもの♪」
ペルセウスの言葉にシオンはルンルン気分で答えた。
「あ、そうですわ。お父様~」
廊下の向こうにいた父親を見つけるとトコトコッと駆け寄った。
「うん?どうしたんだいシオン?」
「まだ整備中とはいえ町の中心に温泉を冷ます『湯畑』を設置して熱い温泉を自由に持ち運べる場所を建設中じゃないですか?」
「ああ、シオンの提案でそうだね」
「まだ先ですが、完成すれば少なくともこの町の薪代は浮いてくると思います」
イージス子爵はそれが?と怪訝に思った。
「ただ、温泉を他の町までは引けないので、他の町や村の薪代に補助金を出して民に還元しませんか?でないと、この町のみ恩恵があり、他の場所で不満が出てしまいますわ」
!?
確かにそうだ。裏の森のことや、今後の上級薬草の栽培によってさらにこの場所は発展するかも知れないが、他の町や村にも恩恵を与えなければならないな。
「それと、ヴァーボンド伯爵家の領地にも視察に出掛けなければなりませんね。前領主がどんな統治をしていたのか確認しなければ、急にトップが代わって民も困惑しているでしょう」
「おおっ!そうだな。早急に視察の日程を組まなければ!?」
イージス子爵は慌てて執事にスケジュールの確認を行った。
「お父様は自分の生まれ育った場所しか知りません。少しずつ他の場所にも目を向ける事を『誘導』して領地全体を見渡せる名領主になるよう指導していかなければ」
シオンはフンスッ!と意気込みながら見送るのでした。
「…………父上はシオンに良いように扱われているね」
兄ペルセウスは第三者としてドン引きしながら見ているのでした。
「シオンよ。温泉は良いものじゃな~」
ホクホク顔の先王がやってきました。
「あらカイル?今頃気付いたの?温泉は良いものなのよーーーーーーーー!!!!!!」
ムダにシオンは叫んだ。
「うむうむ。五十肩が治ったぞい。身体の節々の痛みが緩和されたわい」
「おや先王殿もですかな?ワシも腰の痛みが取れましたわい」
ワイズ様もやってきて会話に混ざりました。
ワイノ♪
ワイノ♪
温泉の事で盛り上がりましたわ♪
「お嬢様!私達の為に温泉設備を作って頂きありがとうございます!とても気持ちよく身体も健康になったようです!」
メイド達もちょうど御礼を言いにきました。
「いえいえ、私も洗いっ子などやって見たかったのです」
皇后時代は皆さん恐れ多いと言って一人で入ってましたからね。子供になって嬉しいですわ♪
屋敷で働くメイドや執事達の好感度もうなぎ登りで、まさに温泉様々なのでした。
『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』