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初見での報告

あれからシオンは先に戻ると、ゼファーは時間が経つのも忘れて周囲を調べまくった。


日が落ちてきた所で屋敷の執事が呼びにきた。


「いやー!まさかこんな近場に宝の山があるとは、灯台もと暗しとは良く言ったものですな!」


上機嫌で夕食の時に話すゼファーは饒舌になっていた。


「まさかうちの裏の森がそんな場所とはな………」

「ええ、知りませんでしたわね」


シオンの両親も驚いていた。


「しかし、良い意味で他の植物の栽培も出来ればイージス男爵領の利益になるじゃろう。ゼファーよ頼んだぞ」


「はい、お任せ下さい!」


ゼファーはやる気に満ちていた。そして気付いた事を話した。


「所で、本日の夕食にあるこれは?」


夕食の1品を尋ねた。


「口に合いませんでしたか?これは我々が普段食べている山菜の1つで、塩ゆでして醤油を掛けたものなのですが………」


イージス男爵は不安そうな顔で尋ねた。

先王も特別な料理は必要なく、普段食べているものでと、予めリクエストしていたからだ。

無論、一緒に連れてきた従者に毒味はさせている。


「普段からですか?…………これが地方と中央の見識の違いと言うものなのか………」


ゼファーは唸ると理由を話した。


「この山菜は『コユリ』と言うもので、中央では手に入らない事から、美食家の貴族では金貨で取引されています。正直、これだけの量を毎日の様に食べているなんて、中央では有り得ませんね」


ゼファーはシャキシャキと噛み締めて食べた。


「…………お父様、これは1度我が家の食材を調べて貰ったらどうでしょうか?」

「あ、ああ、そうだな。昔から食べていたものが高級食材だなんて知らなかったよ」



何だか急に美味しく感じるのは気のせいでしょうかね?


「1日でこれなら、森をもっと調べれば、まだまだ珍しいものが出てきそうです。今から楽しみですよ」


本当に嬉しそうに笑うゼファーにシオンも注文した。


「では、ゼファーさん。1ヶ月に最低1度は報告して下さいね。それを聞いて、他の珍しい植物の栽培もお願いするかも知れませんので。それと優先順位は上級薬草の栽培ですから、お間違いのないようお願い致します」


「かしこまりました。しばらくは、上級薬草の畑を見つつ、裏の森の植物の生態調査を始めたいと思います。裏の森の土に秘密がありそうですので、その秘密がわかれば、上級薬草の安定栽培に繋がると考えています」



ゼファーの言葉に頷く一同であった。







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― 新着の感想 ―
[良い点] 実は普段食べてるのが高級食材とか、田舎だと結構ありそうだなぁw あんまり他所に流して食べられなくなるのも嫌だしほどほどがいいね~
[良い点] いつも楽しく読んでます! たまにありますよね田舎とかで、いつも食べてるのが高級品とか(笑) テレビで特集されて知るとか。
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