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洗礼の儀式

誤字報告ありがとうございます。

あれから5年の月日が流れました。


私は、赤ちゃんの時にヒマでしたので、体内で魔力を練る訓練を淡々としていた。


「ずいぶんと魔力が上がりましたわね。やはり子供の頃に訓練すると伸びしろが大きいですわ」


自分の魔力を把握して呟いた。


「アイシクル・ランス!」



ドガガガッ!!!!

森の木々に氷の氷柱が突き刺さった。


「ふむ、前世と同じ属性を受け継いだようですね」


この世界は各自、属性というものがある。


【火】

【水】

【土】

【風】


基本属性に


【光】

【闇】


などの特殊な属性がある。


生まれながら相性の良い得意属性があり、魔法を勉強する者は自分の得意属性を見つけて訓練するのである。無論、得意属性でない別の属性も学べば覚えれるが、倍の努力しないと結果がでないので、多くの者は得意属性を伸ばそうとするのだ。


しかし、シオンは赤ちゃんの頃にヒマを持て余していたので、他の属性の魔法の練習もしていた。すでに、不得意な属性もマスターしつつあった。



あれからシオンは、アガレス王国の東に位置するイージス男爵家の令嬢に生まれて、1歳年上の兄ペルセウスと一緒に勉学に励んでいた。


「正直、辺境と言って失礼ながら舐めてましたわ。しっかりとした教育が行き届いていますわね。…………安心しました。私の政策は間違っていなかったのね」


過去の国全体の識字率を底上げする為、色々と政策を考えていた時の事を思い出していた。



「本当にここの領主であるお父様とお母様は領民思いの良い領主ですわ。正直、もっと辺境にも目を向けるべきでしたわね」


こんなに良い領主であれば、もっと便宜をはかっても良かったと思った。


「しかし、領民が少ないのが問題ですわね」


さて、どうやって領民を増やしましょうか?

領民が増えなければ税収も上がりません。

両親の恩返しに何か良い案があればと、シオンは腕を組んで考えていると──



「おーーーい!!!!シオン~?どこだーーー!!!!」


シオンを探している声が聞こえてきた。


「ここですわ~」


いけないわ。私はもう男爵令嬢なのですから、身の丈にあった生き方をしなければ。


「あっ、ここにいたのか?今日は出かけるから早目に戻るように言われただろう?それと森の奥には一人で行ってはいけないよ?」


呼びにきたのは兄のペルセウスだった。


「そうでしたわ!大変申し訳ございませんでした」

「シオンは真面目だな。家族なんだからそこまで丁寧にしなくていいんだぞ?」


あら、私ったらそんな風に見られてましたの?


「ペルお兄様、すみません。善処致しますわ」


ペルセウスはヤレヤレと言った感じで、シオンの手を繋いで戻った。

あら?こういう風に手を繋いで歩くのも悪くはないですわね♪


この時シオンは、前世ではできなかった体験に胸を躍らせていた。

屋敷に戻ると父ジークと母マリアが待っていた。


「こらシオン!一人で森に行ってはダメだぞ?せめて誰かと一緒に行くようにな?」

「はい、気を付けますわ。ごめんなさい」


そう言って話を切り上げると、用意してあった馬車に乗り込んだ。


ガタゴトッ

馬車に揺られながら父ジークが話した。


「さて、前から言っていたが、シオンが5歳になったので【洗礼の儀式】に向かう」


この国では平民も漏れなく、5歳になると自分の得意属性を見極める洗礼の儀式を教会で受ける事になっている。


「ペルセウスは火属性だったからな。辺境の魔物と戦うには丁度よい」

「私としてはシオンには水属性が得意属性になってくれると嬉しいわね♪」


お母様、それはもう確定しておりますよ?


「そうですね」


貴族の女子として水属性や風属性が好まれる傾向にある。逆に戦闘に役立つ魔法の多い火属性や土属性は男性に好まれた。

まぁ、好まれるという風習があるだけで、どの属性も上下がある訳ではないのだが。


教会に着くと、この辺りの5歳になる子供達が集まっていた。


人数的には12人である。


「今年は少ないな………」

「そうなのですか?」


例年はどれくらいいるんだろう?お父様の不安な顔が頭に残った。



少し待っていると神官さんがやってきて、順番に儀式が始まりました。

平民が先で貴族は最後だそうです。


辺境と言う事もあり今回の貴族は私のみとのこと。

そして私の番になり、奥の部屋で儀式を受ける事になりました。


「頑張ってねシオン!」

「はい!いってまいります」


とは言っても神官様のお話を聞いて、奥の水晶に手を置くだけなんですけどね。


「大変お待たせ致しました。私はこの教会の神父で【ルネ】と申します。こちらの方は旅の司祭様で、本日は一緒に洗礼の儀式を担当致します」


ルネさんは細身の中年で、後ろにいる方はフードを被っていたが、白いヒゲをフサフサと蓄えている老人だった。

年功序列なのかしら?


旅の司祭の方が位が高そうであった。


「ではこちらに」


そして神父さんに言われて、水晶に手を置きました。

すると、ピカーーー!!!!と、眩い光が発生しました。



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