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予兆

シオンがイージスに戻ってきて数日経った。

建物の倒壊は無いものの、建物にヒビが入ったりとの報告が多く上がっていた。


そして余震も格段に多くなっていた。


実際にフレイムの復活はまだ数年先だと予想していた。しかし、予想外な事に復活が早まりそうだと報告が入った。


守護精霊アリエルも独自に封印の確認を行い、主要なメンバーを集めて報告した。


「少しマズイ事になりました。フレイムの封印が破られそうです」


メイドの姿から精霊の姿になったアリエルは深刻そうに言った。


「アリエル様、正確な日時はわからないとおっしゃっていましたが、何かあったのでしょうか?」


アリエルは頷いて言った。


「フレイムは封印の時に眠らせてから『水の檻』に閉じ込めました。しかし、フレイムは眠りから覚めて、水の檻を壊そうと暴れているのです。いくら堅牢な封印結界の水の檻でも何れは破られるでしょう」


実際に封印を張っているアリエルはヒシヒシと、結界の振動を肌で感じていた。



「アリエル様、1つ宜しいでしょうか?どうしてフレイムは急に暴れ出したのでしょうか?」


アリエルはシオンに視線を送った。


「恐らく、私とシオンが戻ってきた事を感じ取ったのではないかと推測されます。今まではイージス領にいたのでフレイムも私の『存在』を感じていたはずです。しかし、遠く離れた王都に行った事でフレイムは私の存在を感じ取れなくなり、焦りが出たのでしょう。憎い相手が居なくなったと。そしてまた戻ってきた事で、再度存在を感じられなくなる前に、また決着をつけようと暴れているのです」


アリエル様の言葉には長年フレイムと渡り合ってきた事で、何か思う所があるように感じた。


「本当に蛇の様にしつこいトカゲなのですよ」


アリエル様は不快そうに言った。


「シオンが戻ってきたのも関係があるのですか?」


「シオンは私の愛し子ですから、フレイムが憎む対象になったのでしょう。申し訳ありません」


アリエルはシオンに頭を下げた。


「気にしないで下さい。アリエル様には感謝しかありませんから!」


シオンは慌てて言い返した。

ここでお父様とカイルが真剣な顔で言った。


「アリエル様が悪い訳ではありません。ただ困った事になりましたね」


「ああ、少し急いで兵を招集させなければ間に合わない可能性が出てきたな。現時点で兵の数は2万まで駐屯地に集まっている。これは我が国がすぐに集められる兵力である。ここから各貴族の領地から集めた兵士が来る事になるが…………」


今は夏!

田植えの農業真っ最中なのです。

民から兵を集めると言う事は働き手が居なくなると言うこと。出来れば秋以降に目覚めて欲しい所ですね。


「アリエル様、このままではフレイムはいつ頃、封印を破ってしまいますか?」


アリエルは目を閉じて封印の感覚を感じ取って言った。


「早くて1ヶ月と言った所でしょうか?」


早いよ!?

余りの速さに驚くシオン達だったが、アリエルは答えた。


「このまま何もしなければです。信者が一気に増えたおかげで、力も少し回復しました。封印の強化をして時を稼ぎましょう。ただ数ヶ月延ばせる程度ですが…………」


「いいえ!それで十分です!決戦が冬になれば気温が下がり、火属性のフレイムの力も落ちるかも知れない。急ぎ伝達をして決戦は今年の冬になると通知致しましょう!」



どんどん話が大きくなっており、里帰りだったシオン達は決戦の準備に追われる事になるのだった。










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