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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
激動編 変革する世界 そして……来たりしモノ
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進路希望調査

今回はハルちゃんのターンで時系列は前回とほぼ同じです。

 ギャラクティカダークのメンバーになってからも私の生活はそんなに変化無く、毎日寮から学校に通い普通の学生生活を送っている。

 変わった事と言えば定期的に本部である秘密基地に行って近況報告と戦闘訓練、博士達から研修を受ける事くらいだ。


 中東とロシアの情勢は安定しているし、欧米諸国と中国もギャラクティカダークの力を恐れて行動を取れずにいる。しばらくはビューティーサニーとバトルラークの出番は無いだろうな。


 ヒバリちゃんは毎日、日課のトレーニングをこなして要請があれば従姉妹のお姉さん達と作戦行動に出掛ける他はのんびりと過ごしているし、ウリアーナも真司さん達ビジネス系スタッフの指導で経営や交渉の勉強をしつつ時々本部で射撃訓練を受けている。


 少し普通と違う部分もあるが私の生活の大半はどこにでもいる女子高生と大して変わらない。私達はもう三年生になっているので、そろそろ進路を決めないといけない時期だ。


 私達はギャラクティカダークの構成員なので、すでに就職しているようなものなんだけど|(毎月お給料も出てるし)表の顔も必要だということで、とりあえず進学する方向で話を進めている。


 私、ヒバリちゃん、ウリアーナの三人は中枢神経を強化されているので学校の成績も全国模試でも常にトップ3にいて大学なら国内海外問わず、どこにでも合格することが可能だ。


 今、私達は学生寮のウリアーナの部屋で進路について話し合いをしている。ウリアーナは一人部屋だからルームメイトに秘密がバレる心配が無いし、ギャラクティカダーク特製のジャマーを使っているので外からは普通のガールズトークにしか聞こえないようになっている。


「やっぱり三人そろってT大が無難かな」


 私の提案に二人は首を縦に振って肯定する。先任者のヒバリちゃんではなく私が学生組のリーダーになっているのは、日本の社会常識を知らずに育ったヒバリちゃんと色々な意味で常識のぶっ壊れたウリアーナに重要な判断を任せることは出来ないと幸四郎さんと真人博士から正式に任命されたからだ|(主任手当ても付いている)。


「やっぱり東京にいるのが一番いいよね、首都だと色々な情報が手に入るし本部へも埋立地のアジトからすぐに行けるから緊急時の対応もやりやすい。それに美味しいお店も沢山あるし、遊ぶところにも困らないからね」


 ヒバリちゃんの本音は後半部分だと思うけど。その他の事も含めて東京を中心に活動することはメリットが多い。学力的には楽勝だし卒業後の表の顔を選ぶ時に選択肢が多くなるので全員T大が良いと思う。


「私は理科の一類か二類かで悩んでるんだよね、生物系にも工学系にも興味があるからなぁ。もっとも今はウチの科学者チームに習っている事のほうが高度だからあくまでも表向きなんだけど」


 正直な話、真人博士や清志教授に教わっている私にとっては地球の大学の研究室は義務教育レベルだ。でも博士号はとっておいたほうが都合が良いので一応大学院の博士課程までは進むつもりでいる。ちなみに今日子さんは電脳人間による脳直結でコンピュータを操作するので教えるのはヘタクソだ、アレとかコレとかと擬音ばっかりで言っている意味のほとんどが分からない。


「私は経営チームに見習いとして所属しているから文科の二類ね、単位は片手間に取得して経営は銀河グループの企業運営で実践で学びますので暇つぶしにベンチャー企業でも立ち上げようかしら」


 私とウリアーナは科学者見習いと経営チーム見習いだから選ぶのは簡単なんだけど戦闘員である|(本人は忍者だから隠密も得意だと言っているが正直な話、そっちは向いて無い)ヒバリちゃんはどうするつもりなんだろう?


「私は文科一類にする!」


「弁護士目指すの? それともヒョエさんやルークさんのチームに入れてもらうつもり?」


 カブキ揚げをボリボリと食べながらキッパリと答えるヒバリちゃんの目には何の迷いも無かった。


「間の仕事は弁護士でも官僚でも議員秘書でも何でも良いから、とにかく政治家になろうと思って!」


『議員に立候補するつもりなの!!』


 キレイにハモって驚く私とウリアーナに、ヒバリちゃんは口の周りにカブキ揚げのカケラを付けてニカっと笑う。


「うん! 衆議院議員に立候補して当選したら上手いことやって三十代のうちに内閣総理大臣になるつもり!」


 私があまりにもザックリとしたヒバリちゃんの人生設計に唖然としているとウリアーナがヒバリちゃんに笑顔で返す。


「なるほど! 中東や旧ロシア連邦のように日本もギャラクティカダークの傀儡政権として扱い易くするつもりね!」


「そうなの! 組織の構成員が国家元首になったら日本国は完全にギャラクティカダークの下部組織! 好きなように操ることが出来るよ!」


「そうね! 素晴らしいプランだわ! ギャラクティカダークの力があればヒバリさんを内閣総理大臣にすることなんて難しくないしね!」


 二人して盛り上がっているんだけど、日本政府は真人博士のコネもあってもうほとんど傀儡なんだけどな……それに今日子さんのサイバー攻撃によって与野党の不良議員は一掃され、衆議院議員解散総選挙は時間の問題。真人博士の叔母さんと弟さんの派閥がほぼ確実に政権を取る事になるだろう。


「ねえヒバリちゃん、水をさすようで悪いんだけどもうすぐ真人博士の叔母さんが総理になる予定だし、その次は弟さんが引き継ぐはずだよ」


「年齢的に考えたらその次が私でちょうど良くない? 間に何人か入るかもしれないけど、真人さんってああ見えて身内には甘いから二人共長期政権になると思うよ」


 確かに……ヒバリちゃんはバカっぽい時もあるけどここぞという時は鋭いんだよね。冷静に考えると今後のプランとしては悪くないかも。


「じゃあ、そんな感じで志望校は提出しようか、後で本部の方に連絡だけ入れておくね」


 私とヒバリちゃんはウリアーナの部屋をあとにして自室に戻る。ヒバリちゃんと少し雑談ををしてからベッドに入って眠りについた。


 その時の私にはヒバリちゃんの進路希望の話があんな大騒動になろうとは知る由も無かった……。


 翌日、進路希望調査の提出日なので教室はその話題で持ちきりだった都内屈指の進学校で一番上のクラスなので全員が進学希望で第一希望は国公立か有名私立ばかりだ。


「表彰台三人衆はやっぱりT大志望?」


 声をかけて来たのは私達と同じ学生寮に入っているミッちゃんこと江口 満子さん。以前はマン研だったがエロ同人誌を没収されてから部活をやめてしまい、しばらく元気が無かったが突然古典文学と日本神話に目覚めて活き活きとしだした。「源氏物語って最高だよね! 日本神話のエログロナンセンスなんていまの表現者とは違って凄いセンスだよね〜」と言いながら源氏物語を始め日本書記や古事記の研究本を読むようになったのだ。


 さらにオタクからは足を洗い最近はヒップホップダンスを始めたようだ……何というかミッちゃん振り幅大きすぎだよ!


 ちなみに表彰台三人衆と呼ばれているは学年順位TOP3を常に私達三人が独占しているからだ。


「うん! 三人ともT大志望だよ! ミッちゃんは!?」


「K大学の文学部を目指すよ。古事記、日本書記研究の第一人者、横田教授に師事したいんだ」


「そういえばミッちゃんって、ござるとか言わなくなったね」


「やめてくれ! あれは私の黒歴史なんだから!」


 まあ、これでギャラクティカダークが強権を発動して清志教授の悲願であるロリエロ関係者極刑法案が採決されてもミッちゃんが死刑になることは無くなった。中等部からの友達だったから本当に良かった!


 ウチの学校では志望校を書くときにその大学の志望理由にそこで何をするか、卒業後はどうしたいかを明確に書かなければならない。偏差値とネームバリューだけで進路を決めることを問題視しているからだ。


 翌日の昼休み、いつものように三人で食堂の席を囲んでいると阿久先生が相席を求めてきた、阿久先生はお兄さんの阿久博士絡みでよく私達と接触を持ちたがる。末期のブラコンを除けば優しくて良い先生なんだけどな……。


「ふふふふ、やっぱり三人ともT大志望ね。瀬戸内さんは理科二類だから兄さんの助手になるのかしら? そうなったらよろしくね」


 や、やっぱり一類にしておこうかな。


「アダモヴィッチさんは文科二類、ビジネスの世界に出るのね。二人とも銀河バイオグループの後ろ盾があるし将来有望だわ」


 うん、私達三人は銀河バイオグループが主催するボランティア団体に所属していて成績も優秀なのでグループから奨学金が出ている事にしてある。


「そして風間さん! 素晴らしい野望だわ! 日本初の女性総理大臣をめざすのね!」


 次の総理には真人博士と先生の叔母さんがなる予定だから初にはならないと思うんだけど、それが表にでるのはもう少し先かな。


「総理になったらぜひ近親婚を認める法律を作ってね」


「でも真人さんには今日子さんがいますよ」


 安定のブラコンに苦笑いする私だったがヒバリちゃんが口にした言葉で一気に血の気が引いた。


「あっ、兄さんは昔からモテるから。でも長続きしたことは無くて最長でも一ヶ月もたなかったんじゃなかったかしら」


 セーフ! どうせいつもの事だ、に落ち着いたぁ! しかし私の安堵はヒバリちゃんのこんな時に限って空気を読まない発言にぶち壊される。


「真人さんと今日子さんは出会ってから、もう二年以上は一緒にいるんじゃないかな。真人さんは今日子さんの事を最も信頼出来るパートナーだって言ってるよ!」


 その瞬間、いつも温厚な阿久先生から凄まじい殺気が放たれた!


「信頼出来るパートナーですって?」


 怖い! 怖い! 怖い! 表情が無くなった美人って半端なく怖いから! しかも殺気が凄すぎる。このテーブルの周りから人がいなくなっているしテロリストや暗殺者相手に物怖じしないウリアーナと人間兵器のヒバリちゃんが抱き合って震えている!


「瀬戸内さん」


「ひゃいっ!」


「今日子って雌は銀河バイオの関係者なのかしら?」


「システムエンジニアで銀河情報システムの運営はほとんど全て彼女が手掛けています!」


「そう……」


 怖い怖い! 間が怖い! 黙らないで!


「ねえ、瀬戸内さんその今日子って人に会いたいんだけど……兄さんをたぶらかした雌に会って是非とも話がしたいわ! だいたい私が血縁だからいけなのよ! 風間さん! その雌は排除するから一刻も早く総理になって近親婚を認める法案を可決させなさい!」


 ヒィィィィィ! 気に当てられて失神しそう! とりあえず真人博士に相談するしかないよね……連絡するの嫌だなあ。

次回もハルちゃんのターン、沙羅先生と今日子さんが対峙します。

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