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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
激動編 変革する世界 そして……来たりしモノ
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クラヴィーア人の自活支援

第三部スタート

 クラヴィーア人のコールドスリープを解いてから一月が経過した。各種属のリハビリも順調に進んでおり日常生活に支障が無いレベルまで回復したので彼等の今後の生活について話し合わないといけない。


 俺は今、秘密基地の大会議室でクラヴィーアの各種族の代表者達と対面しているんだが少し気になる事がある。それは席次についてなんだが中央がイーマ様で左側の席が幸四郎さん、そして右側が俺だ。


 他のメンバーは一段低い席で順番に並んでいるがやはり席次が決まっているようだ。この並び方だと俺がギャラクティカダークのNO.2だという事になるが納得がいかないので後で幸四郎さんに聞いてみよう。


 クラヴィーアの代表者はシーロズ族の代表はテンタ君の弟であるチャック、ジョイロード族代表はファンシーにディフォルメされた二足歩行のカニであるタイザー氏、チュウカイナ族代表はディフォルメされたタコであるアカーシ氏だ。タイザー氏とアカーシ氏はえら呼吸で水圧の変化に弱いためキャタピラ式で水圧コントローラーの付いた移動式水槽に入っている。


「イーマブルグ閣下、この度は我らを救っていただき有り難うございました。クラヴィーア人を代表して御礼を申し上げさせていただきます」


 水槽内でタイザー氏が膝? を折り深々と頭を下げるが、この姿勢だとただの巨大なカニにしか見えない。続いてアカーシ氏も一礼してイーマ様に深々と頭を下げる。


「偉大なる神聖ミリオネル王国の皇太子殿下直々に我らの救出作戦の陣頭指揮を取られたと……」


「そういった事はやめてくれないかな」


 イーマ様は上座から降りて二人の水槽の前に歩いて行く、俺も言いたい事があるのでイーマ様について行った。他のメンバーは席に着いたまま高みの見物を決め込んでいる。


「殿下……」


「僕はもう神聖ミリオネル王国の皇太子では無いんだ……そもそもそんな国はもう存在しない」


 二人の水槽の前で毅然とした態度で言うイーマ様、最近は帝王モードで無くても凛々しくなってきたな。俺も水槽の前に歩み出て代表の二人に言いたいことを言わせてもらう。


「ここに居るのは神聖ミリオネル王国の皇太子なんかじゃない。この地球文明に変革をもたらす組織、秘密結社ギャラクティカダークの首領であるイーマブルグ様だ。イーマ様は滅びた王国や文明圏のことは振り返らず新天地である地球に変革をもたらして、より良い世界を作ろうとしている。とっくの昔に滅びた国の事を持ち出すんじゃない!」


「僕等の文明は戦争がきっかけで滅んだんだ、そしてこの地球でも戦争の種はたくさんある……だからこの星に変革をもたらせて平和な文明を築きたいんだよ」


 イーマ様が自分の思いを話すと幸四郎さんがゆっくりと降りて来てクラヴィーア各種族代表者の前に立つ。


「我々ギャラクティカダークはその象徴としてイーマブルグ様を首領としているが基本的には有志による平等な組織だ。恩義を感じてもらっても構わないがあなた方を助けたのは我々の自由意志によるモノだから礼も見返りも求めていない」


「ではあなた方に恩を感じ、その思想に共感して行動を共にする事も我々の自由意志で良いのではないですか?」


 幸四郎さんの言葉にタイザー氏が意見を返すとチャックとアカーシ氏もそれに同意する意思表示をしている。どうやら各種属代表の中では彼がリーダー格のようだ。


「上下関係無しの同志になってくれるなら大歓迎だよ」


 イーマ様が良い笑顔で返すと場の雰囲気が明るく和やかになった。超カリスマやカタルシススマイルを使わなくても帝王であり愛らしい子供でもあるイーマ様は無敵だな。


 とりあえず彼等クラヴィーア人の生活の基盤を作る事が最優先だな。一応コールドスリープ明けのリハビリ中に地球の文明や産業、世界情勢については勉強していたようだ。とりあえず地上で活動する時の為に細胞変換装置で地球人の姿を体験してもらう事にした。


 テンタ君の例で予想はしていたがシーロズ族は黒人の姿だった。ジョイロード族はノルディック系の白人、チュウカイナ族はラテン系だ。細胞変換装置のOSとプログラムは今日子がしているが遺伝情報を演算してヒューマノイドに変化した時に一番相応しい容姿を自動的に選別しているらしい。


 クラヴィーア人が同志としてギャラクティカダークに所属する事を承諾すると、イーマ様の意向で場所を食堂に移してティータイムを楽しみながら気楽に話しをする事にした。


「ヒューマノイドの身体は落ち着かないもんですな」


「しかし地球にはヒューマノイド以外の知的生命体が存在しないのでしばらくは地球人に擬態するのが良いでしょう」


「それに水中ではこのような飲み物や菓子を味わうことは出来んからなあ、この飲み物と果物の乗ったサクサクした物をもう一つもらえんかのう」


「はいはーい、沢山ありますよー」


 アイが元気良くミックスベリーのタルトをホールごと持ってきて切り分ける。タイザー氏はミルクティーと地球のスイーツが大変気に入ったようだ、結局最終的に全員1人ワンホール食べてたな。


 タルトに満足したタイザー氏は姿勢を正して話しを切り出す。


「我々はいつまでもギャラクティカダークの世話になるわけにはいかんからな、それで自活の道を考えたのだが地球は面積の約七割が海だというのに海底資源を有効活用する事が出来ていないようですな」


「肺呼吸のヒューマノイドしか知的生命体がいないので仕方が無いですがもっと海という環境と海底に眠る資源を有効活用するべきです」


 チャックがタイザー氏に続くと最後にアカーシ氏が具体的なプランを出す。


「地上ではレアアースと呼ばれる希少物質が重宝されているようですが我等の調査によると海底には日本国領海内だけでも数多くの鉱脈が存在します。今は輸入に頼っているようですが我々が採掘業務に従事すれば日本国内で使用する量でしたら今見つかっている鉱脈だけでも百年分以上は確保できます」


 ほう、それだけでも経済的な自活はクリアできそうだな、その後にチャックがもう一つの提案を出す。


「資源ともう一つ、技術についてですが海底のインフラや作業機械、船舶など地球の水中技術は我々に比べて著しく劣っています。そこで海底インフラの整備業、船舶や作業機械の製造販売も行いたいと思います」


「あとは地球の軍隊にも海軍や潜水艦があるだろう? 我々にはギャラクティカダークの海軍として戦う意思がある。もし良ければ考えておいてくれ」


 クラヴィーア側の提案は満場一致で採用となり、秀樹と真司が銀河バイオグループの新事業として資源採掘会社「銀河リソーシズ」と水中用機械の製造販売会社「銀河ウォーターマシンナリー」海中インフラ整備の会社「銀河オーシャンファシリーズ」を立ち上げることになった。


「あと二、三人経営担当と営業担当増やして欲しい……」


「銀河システムエンジニアリング立ち上げたばかりなのに三ついっぺんに増やすって……まあちゃんと休みと特別手当てくれるからブラックじゃないんだけどね」


 方針がが決まると銀河バイオグループのトップである真司と和美のボヤキを無視して、タイザー氏達が動き始める。

 優秀なエンジニア揃いのシーロズ族、働き者のジョイロード族、職人肌のチューカイナ族が一致団結してわずか三ヶ月でS湾に集落を作り上げて日本海溝付近にレアメタル採掘場を開設した。銀河リソーシズの立ち上げも順調で既に顧客の確保も出来ていると営業の秀樹が濃いコーヒーを飲みながら言っていた。


 秘密基地上の埋め立て地にウォーターマシンナリーとオーシャンファシリティーズの社屋も建設中だ。これで埋め立て地も半分以上に施設が建つことになる、手前の排工場の敷地も近々買い取る予定らしい。


 一度、激励の為に彼等の集落を訪ねたが建造物が……なんともファンシーなそれぞれの種族の姿を模した造形だった。


「なんかクラヴィーア人の容姿も相まって絵本の世界だな」


 清志の感想に強く同意する。そういえば俺の席次について聞くのを忘れていたな、今度ちゃんと幸四郎さんに聞こう。

しばらくは平穏が続く予定です。

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