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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
活動編 ギャラクティカダーク世界情勢に介入しまくる。
62/220

料亭にて

今回も秀人目線です。

 常に何でも一人でやってきた兄さんがこの組織に属している理由が分かった、それは兄さんと同等の存在がいるからだ。おそらく出門 今日子以外にも怪物級の天才がいるのだろう。さっきの俺の馬鹿笑いで場の雰囲気は柔らかいから聞くのなら今だな。


「CIAとアメリカ国防省からの情報なんだけど銀河バイオのバックには異星人がついているって本当なの?」


「真実ですよ」


「一応アメリカの国家機密扱いのはずだけど、日本政府にも伝えているんだな」


「初っ端から核心突いて来るったぁいい度胸だねぇ。流石は真人さんの弟!」


 軽いノリのあちら側に対して叔母さんは冷静を装いつつも顔が引きつっているし、親父にいたっては顔面蒼白だ。だけどアチラの反応は悪くないので本題に入ろう。


「さっそくですが日本政府としてはまず、今回の中東での様々な噂がどこまで本当なのか知りたいですね。巨大なドラゴンがテロ組織や武装集団を滅ぼしたとかイランの核ミサイルが無力化されたとか。確かにシリアとイランは政権が変わり核や化学兵器の放棄をすると宣言してますがどこまでが真実なのかご存知でしょうか?」


「全部ホントだよー、てかヒデちゃん変わり身早! 完全に議員秘書の顔と口調になってるね」


 兄さんが今日子さんの頭をパシーンとすごくいい音をさせて叩く。


「真面目にやれ! そのへんについては資料を作ってあるから一通り目を通してくれ。資料をもとに浩二が説明する」


 内容はとんでもないモノだが資料はとても分かりやすく無駄が無い内容の兄さんらしい物だった。元キャリア官僚だけに木下さんの説明も非常に分かりやすい。新人議員や馬鹿官僚をこの組織で研修してもらえないかな。


「とりあえずシリアの復興と支援は日本企業がメインで入ってインフラ整備や産業の構築を進める方針をロトゥフ政権が希望していると……その中心を銀河バイオ株式会社が担うように進めたいってことですね」


「中東の不安定な地域だぞ! もしも何かあったら外務大臣の私に責任が……」


「話し聞いて無かったのか、無能大臣! 中東は安定に向けて動いてるんだ。特にシリアのロトゥフ氏は親日で来年の選挙で正式な大統領になることは確定なんだよ。せっかく嫌々でも手柄立てさせてやるってのにお前は馬鹿だろ? 名ばかりの無能大臣!」


「や〜い、真人パパのチキーン!」


 兄さんの罵倒に続いて今日子さんが変顔で茶化すが、まあこれが親父の限界だな。日本政府としては美味しい話だから法案の草案だけでも作ってあとで親父のケツ引っ叩いてでも議題に上げさせよう。


「真人さん、ちょっといいかしら?」


「何か質問か? ゆかり叔母さん」


「イラクの件で少し、まず前政権が倒れた理由なんだけど軍部のクーデターと対立していた部族、イスラム教宗派が一致団結して前大統領を引きずり下ろしたという事だけどこれもあなた達の仕業?」


「俺はその件に関してはノータッチだがウチの交渉担当者と諜報員が上手くやっているみたいだな。シリアのロトゥフ氏と現地の有力者の支持と協力があったのも大きい」


「ウチは力押しばっかじゃ無くて色々出来ちゃうんだよ」


「あくまでも我々は協力しているだけで、中東の平和と安定はその地域に住む人達が確立しているのですよ」


 ゆかり叔母さんが深いため息をついている。完全に諦めているという表情だが、正直言って日本政府として打つ手は何一つ無い。親父は完全に空気だから後で対策と書類をまとめてサインと判子だけ押してもらえばいいだろう。


「そういうスタンスなのね、分かりました中東における外交活動や民間支援、安全保障について日本政府はそちらが敷いたレールに乗らせていただきます。外務省としてもそれで良いわね桜馬さん」


 親父は何度も首を縦に振って頷いている。本題はこれでまとまったようだな、後は食事でも取りながら細かい情報を引き出すか。


「そうそう、防衛大臣として一つ聞いておきたい事があるんだけど支障が無ければ教えてもらえるかしら」


「とりあえずお聞きしましょう」


 木下さんが鋭い眼光になり警戒体勢を取ると、ゆかり叔母さんの雰囲気が変わった。防衛大臣としての顔になり周囲の空気が引き締まる。今の日本の政治家で叔母さん並みに骨のある人物は片手で数えられる程度しかいないだろうな。


「中東地域の核保有国が相次いで核兵器の放棄を表明した事についてなんだけど、もしかしてあなた方の組織には核兵器を無力化する技術があるんじゃないかしら?」


「答えはYESだ、俺達には特殊な振動波、音波を使い核分裂を阻害する技術がある。核弾頭、原子力空母及び潜水艦は俺たちの前では無力だとアメリカに伝えておけ」


「真人、そんなにあっさり言っちゃて良かったのか? 駆け引きする余地はあったと思うんだが……」


 呆れる木下さんに、今度は今日子さんが軽いのりで言う。


「そもそも駆け引きとか取り引きとか関係無いじゃない、アメリカも日本も情報はこっちに筒抜けなんだし。今回のこともイーマ様の意向で正式な政治的手続きを取ってやれって事だからやってるだけで、やろうと思ったらこっちで好き勝手出来るんだから」


「盗聴器も隠しカメラもお見通しよね」


「もっちろ〜ん☆ 盗聴器はヘビメタがガンガンだし、カメラにエロ動画しか流れてないよ。一応チェックしとく?」


「やめとくわ。 何をしても無駄な抵抗でしか無さそう」


「まっ、そういうわけで用事も終わったから帰るか」


 おっと、今帰られるとちょっと困るな。もう少し公私両方の話がしたい、半分は個人的にだけど。


「待ってよ兄さん、そろそろ料理が運ばれて来るから食べていってよ」


 兄さんは食べることに無頓着だけど用意された料理やお菓子は必ず残さずに食べる。この手の人間は変なところで真面目で律儀だ。


「仕方ないな、食べたら帰るぞ」


「わーい、セレブ飯だ」


「我々にも接待とは抜け目無いですね秀人君」


 兄さんと木下さんはさすがに和会席の作法を心得ているけど今日子さんは見ていて飽きない。


「この白身のお刺身美味しい! 真人パパは食べないの? もったいないから食べてあげるね」


「アイ、マイ、ミー、マインのご飯も美味しいけど高級食材と修行積んだ板前の料理はまた違うねー」


「ウチのギャラだったら普通に来れそうだけど、やっぱり一見様お断りなのかな?」


「やかましい! 飯は静かに食え!」


 あははは、今日子さんが兄さんに怒られてる、俺の横でゆかり叔母さんも笑っている。


「真人さんが感情を出して人と接するのを初めて見たわ」


 やっぱりそうだよな、今までどんな人間も兄さんには敵わなかったし兄さんと対等に付き合える人間なんていなかった。母さん以外で兄さんの素を出せる人間なんて初めて見たよ。


 食事をしながら結構な情報を引き出せた。秘密結社の名はギャラクティカダークで星間戦争で滅んだ国の皇太子がトップであり、オーバーテクノロジーを持っている事。


 彼らが次に介入するのがロシアである事。イーマブルグ皇太子の方針で地球の国家に対し手荒な武力行使はしないという事だ。


 一通り食事も済んで解散の時間だ。もう少し兄さん達と話したかったけど、また機会があるだろう。車に乗ろうとする兄さんに最後に言いたかった事を言う。


「真人兄さん、今日子さんとの結婚式には弟として呼んでね」


 兄さんはなんとも言えない顔で声が出ず、口をパクパクとさせていた。

 なんだか生まれて初めて兄さんに勝てたような気がする。

次回は基地に戻って緩い日常です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 弟くんも妹ほどじゃないけどお兄ちゃんスキーよね コンプレックスとかで歪まなかったのはお母さんや叔母さんのお陰かなって パッパ?反面教師でしょしってる
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