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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
活動編 ギャラクティカダーク世界情勢に介入しまくる。
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イーマブルグ立つ

 マインのソウルコアは無事にコアブロックに移す事が出来た。そして新しい身体は思った通り今日子と清志がノリノリで作ってくれるみたいだ。


「真人、話があるから手が空いたら全員を集めてくれないか。特にヒョエとルークと幸四郎には質問があると言っておいてくれ」


 イーマ様がいつもの子供らしい口調と態度とは全く違う、威厳と気品に満ち溢れた顔つきと言葉使いで指示を出す。今日子が帝王モードと言っているイーマ様の為政者としての顔だ。


 トレーラーのスタンバイが終わり簡易の宿泊施設を展開する。ワンタッチで完成するが学校の教室程の広さの会議室と食堂とキッチン、二段ベッドが二つ設営された寝室が六部屋あってその全てに冷暖房を完備している優れ物だ。


 中東に来たギャラクティカダークのメンバー全員が会議室に集合している。メンバーはイーマ様、ミレ姫の王族。幸四郎さん、ルーク、スカーレット、ヒョエさんの作戦、交渉担当。


 俺、今日子、清志の科学者チーム。鷹丸とツバメ、ツグミ、ヒバリの忍者組。なおミスティは防衛要員として秘密基地に残している。鷹丸がガックリしていたが幸四郎さんの人事だ。


 あとはショーンさんジョージーさんミーの生活班だ。


 残りの人員は拠点の管理と銀河バイオの経営にあたっている、銀河バイオは民間企業だけでなく様々な国家からマークされているので留守にするわけにはいかないからな。


 ちなみにゴッグ船長とテンタ君はしばらくの間は木星と小惑星に資源採取に行っている。クラヴィーアの宇宙船を救出する為に必要な資材を揃えるには今年いっぱい掛かるみたいだ。


 そして、ゲストのウリアーナ、ハル、現地の協力者の代表であるロトゥフ氏が会議室に集まっている。


「ヒョエ、さっそくだが僕達にマインを見せた真意を聞きたい。テロリストに対する怒りを煽る為だとか、僕達若い世代の教育の為だとか言う陳腐なモノじゃ無いんだろう?」


 イーマ様は完全に帝王モードだ、俺たちにはある程度の耐性があるがハルとロトゥフ氏の顔色が悪く変な汗をかいている。ウリアーナは肝が座り切っているので大丈夫そうだが緊張はしているようだ。


「我々が成すべき事、戦う相手が何なのかを考えるためです」


「考えるためか………答えはあるのか?」


「分かりません……あくまでも問題提起です」


 イーマ様はしばらく目を閉じて考えていたが不意に目を開くと、ルークとスカーレットに質問を投げかける。


「ルーク、スカーレットこの地のテロリストは名前すら与えられぬ子供達を人殺しの道具とし、それだけで無く性のはけ口としていた。このような悪行は過去のミリオネル王国の歴史やヘルクレス座球状星団広域文明の歴史の中では無いものだったのか? 一切の配慮無く正直に事実のみを答えよ」


「イーマ様、残念ながらそれほど昔の話では無く、我らが王城をギャラクティカダーク号で脱出する直前に似たような事はあったのです」


 そんなに昔の話じゃないと言っているがギャラクティカダーク号が飛び立ったのって五千年前じゃ無かったか? 彼らの基準じゃ五年くらいになるのかな。


「新興国家群に占領された伝統国家の王族貴族は虐殺され民間人は略奪に遭い、女子供は奴隷商人に売られたと聞きます」


「伝統国家でも星間戦争のキッカケとなったダスペリア帝国では人身売買が日常的に行われていました。さらに革命後、戦争が始まったころは名前も無く兵士や性のはけ口となった幼子が数多くいたと聞きます」


 ルークとスカーレットが淡々とイーマ様に報告すると、その後に幸四郎さんが続ける。


「星が変わっても時代が変わっても、種族が違っても人間のやる事は一緒だな。太平洋戦争の時も似たようなもんだったよ」


 イーマ様はしばらく考えた後に口を開く。


「この中東に来てまずマインという一人の不幸な少女を見た。この後もテロ組織や紛争、難民など情報としては知っている事を実際に見る事になるだろう」


 そしてまた目を瞑って考え込む。俺も言いたい事を言わせてもらおうか。


「事実は事実だ。何故そんな事が起きるのか?  何が悪いのか? どうしたら良いのか? 闇雲に考えても暗礁に乗り上げるだけだから議論するだけ無駄だ」


 全員が俺の方を見て驚いた顔をしている。


「科学者って原因を解明してそれを解決するもんじゃないのか?」


「それとも研究対象にならないとか?」


「あっ! あくまでも問題提起だからか」


 いつも理論的にモノを言う俺らしくないのか? いや、あくまでも理論的に言ってるつもりなんだが。


「ちょっと待て! 俺が議論するだけ無駄だと言ったのはすでに答えは出ているからだ!」


 しばらく沈黙が続いたがヒョエさんが口を開く。


「哲学や社会学では永遠のテーマと言ってもいいものなんですが……」


「簡単な事だ、略奪や弱者を嬲り者にする事、闘争等は全て知的生命体の本能だからだ。ちなみに他人を思いやる心、弱者救済など一般的に美徳とされるモノも同じく本能だ」


「また、乱暴な理屈ですね」


 ヒョエさんは苦笑いしている。


「まあどっかの諺かなんかで「衣食足りて栄辱を知る」てあるだろ、豊かな生活が出来てりゃ割と酷い事はしないもんだよ」


「でも野心を持った人や利己的な人、偏執的な人間のエゴが不幸な人を作ることも少なくないですよ、ちなみにその言葉は中国の菅子が由来です」


 ハルが話に入って来る、さすが現役高校生だな。度胸もあるし幸四郎さんがスカウトしたがるのも納得だな。


「ねえ、いっそのこと分断しちゃうってのはどう?」


 今日子の提案に全員の目が点になるが、なかなか面白い考えだとは思う。やっぱり今日子の考えは面白いな。


「ようは欲の皮の突っ張った豚共や、何も出来んクセに偉そうな馬鹿共と民間人を切り離すって事だろう」


「えっと……言いたい事は分かるんですけど、そんな事が可能なんでしょうか?」


 問題を提起してきたヒョエさんが狼狽気味だ。俺としては一番合理的な案だと思うんだけどな。


「分断した後はどうするんだい?」


 イーマ様がその後の事を質問する。


「為政者や金持ちは無視する、ロクデナシは潰す! まあ民間の中にもおかしい奴が出て来るけどそいつらの対処も必要かな」


「ギャラクティカダークが地球を支配したら手っ取り早くないか?」


 全員が清志の方を見て頷いている。そしてその目はそれがベストな考えだと言っている。


「武力による侵略と力による支配はしたくない……だけど私利私欲に走る権力者から分断した民衆を幸福にしてその支持を得ると言うのであれば悪くない」


 イーマ様が帝王モードのままで考えを巡らせている、この状態の時は不思議なことに頭の回転も良くなるんだよな。


「幸四郎、まずは権力者と民衆を分断することからだな」


「そうですね、しかし今やるべきはこの中東地域です。大国に振り回され、民族間の抗争が激しく為政者にもコントロール出来ず、テロ組織が実質支配下に置いている地域も少なくない」


「我々の力でパワーバランスを崩しましょう、そして民衆を味方につけるのです。鷹丸の活躍でこの地域の人達は我等に好意的です」


 幸四郎さんとヒョエさんがイーマ様に意見を言うとルークが声高らかに告げる。


「イーマブルク様! 今こそ立ち上がる時です! この中東地域の変革をキッカケとして世界を変えましょう!」


 イーマ様は立ち上がり声高らかに宣言する。


「これより我等、秘密結社ギャラクティカダークはこの中東地域から地球文明に介入する! 当面の目的はテロリスト、武装集団、国家間の紛争から民衆を解放することである! 皆の力を貸してほしい」


 呆気にとられているゲストのウリアーナ、ハル、ロトゥフ氏を放ったらかしにして俺達は鬨の声を上げるのであった。

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