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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
活動編 ギャラクティカダーク世界情勢に介入しまくる。
52/220

夏休みアメージングツアー

なぜか第二部ヒロインにのし上がったハルちゃんのターンです。前回との温度差にご注意下さい。

 なんでこうなった?


 私は今飛行機の座席に座っている。国際線のファーストクラス並みの快適さ、離陸時の振動も揺れも雑音も感じさせない快適な空間。適度な室温と湿度が保たれた喉の乾燥を感じない完璧な空調。


「ハルちゃんさん、パンケーキは何枚食べて何をトッピングしますかニャ? 色々そろえていますので好きな物を選んでくださいニャ」


 猫耳猫尻尾の美少女メイドがオヤツのパンケーキをお皿に盛ってくれる。耳と尻尾が動いてるから生えてるやつなんだよね?


「えっと……とりあえず二枚でココナッツソースとクラッシュナッツにしようかな」


「かしこまりましたニャ、お飲み物は何がいいですかにゃ?」


「あ、アイスレモンティーとかありますか?」


「なんでもありますニャ。ヒバリさんはいつも通り五段重ねでチョコソース、キャラメルソース、ホイップクリームにバナナ乗せでいいですかニャ?」


「飲み物はキャラメルマキアートのアイスでお願い!」


「わかりましたニャ」


 ヒバリちゃんは血糖値とカロリーがエライことになりそうなトッピングとドリンクだ。生活習慣病製造機のようなメニューを平気で食べてあのスレンダーボディーは忍者の修行と改造の賜物だろう。


「ねえヒバリちゃん、あの猫耳ロリメイドも宇宙人なの?  実はあれで成人とか?」


「ん? ミーは機械人形だよ。アンドロイドって言っていた」


「凄い! もしかしてタイムマシンとかテレポーテーション出来るドアとかもあるのかしら?」


 ウリアーナが目をキラキラさせながらヒバリちゃんに聞いている。この娘の人生は波乱万丈過ぎてもはや一般人の感覚が当てはまらない。


「見たこと無いけどあの人達なら作れるんじゃないかな?」


 うん、私もそろそろ感覚が麻痺して来そう。ヒバリちゃんと出会ってから私の常識は現在進行形で粉々に破壊されている。


「ロリメイドロボ、人類の夢の一つの到達点だとは思わんか? この輸送機の居住性だって地球の航空機とは比べ物にならんだろう」


 マッチョなオッサンがドヤ顔で言う、この人どっかで見たことあると思ったら最近実験中の事故で亡くなったK大学の名物教授だ。


「ああ、ここで活動するのに都合が悪いから死んどく事にしたんだ、クローン死体を用意したから誰も疑ってない。自分の葬式にも出てやったぜ」


 戸籍上で生きてるのは「銀河バイオ」の社長と広報、イケメン科学者、忍者一族の八人だけらしい。


 その辺は気にしない方がいいんだろうな。


 私とウリアーナが何でギャラクティカダーク所有の飛行機に乗っているかというと一ヶ月前、一学期の期末テストの最終日に遡る。


「ハルちゃん、夏休みは家族と一緒に過ごすの? それとも寮に残るの?」


 期末テストが終わった日にヒバリちゃんがあっけらかんと聞いて来た。今年の夏休みは夏期講習を受けないと一番上のクラスに残れないと思ってたから親には寮に残るって言ってたけどヒバリちゃんとウリアーナと一緒に勉強するようになってからの成績は上位十位以内で安定している。


 二人とも成績は三位の小根川さんと大差をつけての一、二位な上に教え方がとっても上手いから下手な塾に行くよりよっぽど成績があがるんだよね。


「オーストラリアには行かないけど、夏期講習どうしようかな? ヒバリちゃんとウリアーナと一緒に勉強しないと、成績下がりそうだしなぁ」


「じゃあ一緒に中東行こうよ! ウリアーナも一緒だから勉強もいつも通りみんなで一緒に出来るよ」


 えっ⁉︎ 中東⁉︎


「ちゅ、中東って……トルコとかドバイとか?」


「えっと、イラクとシリアの国境付近。あとはイラン、アフガニスタン、パキスタンにもちょっかい出すって言ってたよ」


「無茶苦茶危険地帯じゃん! 何しに行くの? ってビザとか出ないでしょ!」


「ウチにはそんなの関係ないよ、飛行機だって自前だだから交通機関の心配はいらないよ。地球製のレーダーには引っかからないし戦闘機もぶっちぎれるって言ってたから大丈夫だよ」


 私が半パニックになっていると、ウリアーナが楽しそうに笑いながら物騒なことを言う。


「なんでもムスリム神国の支配地域や部族間の抗争の激しい地域に何かをするらしいわよ。来年にはオムスムルグの塩湖の宇宙船を回収するらしいから私も祖国に帰って封印を解きにいくの。もちろんロシアが黙って無いから中東の作戦でギャラクティカダークの力を見せてくれるらしいわ」


 私のパニックは一周回り切って反対に冷静になって来た。一呼吸してヒバリちゃんに根本的な疑問を投げかける。


「ウリアーナはある意味当事者だから分かるんだけど、なんで私を誘うのかなあ?」


「ハルちゃん、前にギャラクティカダークに入りたいって言ってたよね。ちょうどその後に幸四郎さんから、ハルちゃんをギャラクティカダークに誘えないか? って聞かれたんだよね」


 えっ! ただの軽口だったのに……そういえばヒバリちゃんってチート能力もってるけど世間知らずでど天然だった!


「そんでね、幸四郎さんにハルちゃんがギャラクティカダークに入って中枢神経の改造をしたいって言ってたよって言ったんだ!」


 ぎゃぁぁぁぁ! やっぱり冗談や軽口が通じない! どうしよう!


「でも幸四郎さん、高校生くらいだったら軽口や冗談で言ってるだろうから間に受けない方がいいって」


 幸四郎さんってダンディーなオジ様だよね。良かったぁぁぁぁ! 良識のある人がいてくれて。


「だからね、それとなくギャラクティカダークがいい所だってアピールしてハルちゃんが興味持つようにしろって言われたの。ハルちゃんはぜひウチに欲しい人材なんだって!」


「ヒバリちゃん……今の部分は私に言っちゃいけないと思うの……それとなくって意味知ってる?」


「あっ! でもノリで来てくれるかなと思って」


 なんだろう……思考回路がショートしちゃってるよ。ヒバリちゃんは可愛いくて素直で大好きな友達だけど色々と浮世離れしすぎてるんだよなー。なんか断りにくいな………。


「じゃあハルさん、鼻の奥が痛くならなかったら中東に行ってみるのはどうかしら?」


「えっ! 何言ってるの? ウリアーナ!」


「そもそも私が中東に行くのはギャラクティカダークに保護してもらうのが一番安全だからよ。ロシアの諜報員に狙われても返り討ちにしてくれるもの」


 そうか、危険がなかったら大丈夫だよね。またと無い体験が出来るだろうし。


「幸四郎さんも一度見てみてから決めてもいいって言ってたよ。家族と離れたくないなら戸籍は残して立場上は銀河バイオの社員になってもいいし、私だってやりたいことが出来たらいつでも抜けていいって言われてるよ」


「そっかあ、そんなに自由が効くんだ。じゃあギャラクティカダーク体験ツアー、行ってみようかな」


「決まりだね!すぐ幸四郎さんに連絡しとくよ」


 そして私はギャラクティカダークの輸送機に乗っている。輸送機と言っても異次元の快適さで猫耳ロリメイドロボがオヤツと飲み物で接待してくれるという、人によっては鼻血を噴き出すサービスだ。漫研のミツコちゃんがいたら「萌え〜! 萌え〜!」とのたうちまわって喜ぶだろう。


 格納庫の巨大水槽に入った怪獣と厳ついコンテナ車が無ければ快適な旅客機だ。


 怪獣といえばここにも一匹、ギャラクティカダークの首領であるイーマブルグ様のペットのターチがいる。私はサイコウエーブ持ちだから会話が出来るけど凄く紳士的だ。


「ハル様今回の旅にご同行いただき御足労であります。もしも我らの同志となるならば心より歓迎させていただきます」


 ターチの背中にはこの世のモノとは思えないくらい美しい子供が男女のペアで乗っている。星間文明が滅び地球に逃げてきたミリオネル王国の王子様イーマブルグ殿下と婚約者のミレーニア姫さまだ。


「ハル、幸四郎やヒバリから話は聞いているけど無理に勧誘するつもりはないからね。今回の体験で嫌になったならやめていいよ、でもやっぱり仲間が増えると嬉しいな」


「ウチはとても居心地が良いから来たら楽しいですわ」


 何? この美しくて可愛くて威厳のある生き物は! 本能的に従いたくなっちゃう。でも将来がかかっているから冷静に……えっ! 何か私この組織に入りたくなってない?


 何だか知らないうちにギャラクティカダークに体験入会している私はまた、何だか知らないうちに中東に向かっている……でもまあいいか、鼻の奥が痛くないし何とかなるんだろう。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヒバリちゃん割とヒーロー気質だもんね 砂漠のデザートイーグルの妹分だけに! ハルちゃんがヒロイン枠に納まるのもしゃーない 麗しい女子三人の友情を見守っていこう
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