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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
活動編 ギャラクティカダーク世界情勢に介入しまくる。
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遭遇

 準備が完了したので俺たちは「銀河バイオ」の企業ロゴがラッピングされたバスに機材を詰め込んで東京に向かい基地を出発した。メンバーは幸四郎さん、ルーク、スカーレット、俺、清志、今日子、そして名目上のヒバリの保護者である真司だ。


 もちろん清志と今日子が魔改造しているので一見普通のバスだが完全自動運転だ。窓からは乗員の誰かが運転している超リアル映像が流れている。警察に呼び止められた時や何かあったときはその人間が出て行き対応する段取りだ。


 今回の東京行きの目的は先日、梅津女子学園の寮を襲撃したロシアのスパイが気になる情報を持っていたのでウリアーナ アダモヴィッチに聞きたいことがあるからだ。


「幸四郎さんウリアーナの方には声をかけてくれたんですよね?」


「ああ、何時でも会って話をしてもいいと聞いている」


 今日は幸四郎さんの肩にゼロは乗っていない。さすがに初老の男性の肩にドラゴンの縫いぐるみが乗っていたら不審人物なのでゼロは今回は秘密基地で留守番だ。


「もう一人の瀬戸内 晴美って女の子も気になるんですよね」


「報告によると感が鋭いらしいな」


「バイオスキャナーを使ってその子を調べてみたいんです。ヒバリの報告が正しければ明らかに直感の域を超えているので、先天的なサイコウエーブ持ちである可能性が極めて高い」


「だいたい三人でいることが多いらしいからヒバリに声をかけておくよ。天然のサイコウエーブか、俺も少し興味があるな」


 朝九時過ぎに秘密基地のあるS県S市を出発し、正午を過ぎた頃に梅津女子学園に到着した。バスは寮と学園をつなぐ私道に駐車しておいて構わないそうだ。


 名目上は東京での「銀河バイオ」が主催する商品説明会と特許手続きの為に上京したついでにヒバリの様子を見に来た事にしてある。実際に今日の目的を果たしたあとは俺と真司は東京に残って二、三日面倒くさい仕事をしなければならない。


 時間があるので下校時間までは自由行動だ、今日子と清志は古本屋やゲームショップを見に行くみたいだ、お互いに好きなジャンルが違うので別行動らしいが。


 真司はルークとスカーレットに東京を案内している。秘密基地周辺以外ほとんど外出したことが無いから異星の大都市は二人にとって新鮮だろうな。


 俺は幸四郎さんと学園の敷地内に残っている、とりあえず昼飯に行こうかな。寮の管理人に聞くと商店街のうどん屋の評判が良いらしいので、そこに行くことにした。


 狐狸庵に着いたのは午後一時前だったので早めの客と入れ替わりで待たずに座れそうだ。暖簾をくぐって店内に入ると店員の「いらっしゃいませ」の声の前に出来れば聞きたくない声が聞こえた。


「真人兄さん⁉︎」


 妹の沙羅だ! 秀人に梅津女子学園の教員になったと聞いていた事をすっかり忘れていた。出会う可能性を失念していたとは俺としたことが痛恨のミスだ!


「久しぶりだな沙羅、そう言えば梅津女子学園の教員になったんだな秀人に聞いたよ」


 なんとか平静を装う俺にキラキラした目で近づいてくる。


「秀人兄さんに聞いてここにいるという事は……私に会いに来てくれたのね!」


「いや、たまたまだ! 東京にプレゼンに来たついでに社長が面倒見てる子がここの生徒だから挨拶しに来たんだ。時間が余ったから社長が外国人スタッフに東京を案内している間に専務の島田さんと飯に来たんだよ」


「なぁ〜んだ、つまんない」


 沙羅は少し口を尖らせるが、その後は平常運転だ。


「あっ、専務さんですか? 兄がいつもお世話になっております。私は阿久 真人の妹で沙羅と申します。御社には大変感謝しているんですよ、無能で見る目のない学会を牛耳る古狸供の陰謀で追放された兄の能力を正しく評価し主任研究員として迎え入れた堀江社長の御慧眼にはまことに感服いたしました。兄の才能を……」


「阿久先生! 午後の授業始まるわよ!」


「伊東先生、ちょっと待って下さい!兄さん滞在場所とせめてSNSの……」


 沙羅は先輩に引きずられて強制退去させられた。


 助かったぁぁぁ!


「真人の妹……強烈だな、あれがブラコンってやつか?」


「何でああなったのかは知らないですが……もう病気ですよ」


「えっと、お客様奥の席が空いていますのでどうぞ」


 思考停止状態だった店員が正気を取り戻して接客を再開する。あれは初見だとなかなかキツイからなぁ。


 肉うどんとカレー丼大盛りを食べてバスに戻る。最近意識して量を食べるようにしたせいか体調が良くなってきた、やはり栄養不足だったんだろうな体調管理も大変だ。


 全員がバスに戻り下校時間を待つ、ヒバリには幸四郎さんが昨日連絡を入れているので真っ直ぐに帰って来るはずだ。


 下校するヒバリたちを幸四郎さんが迎えに行くと何の説明をせずともあっさりとバスの中に入って来た、無防備すぎないか?


「この間は助けていただきまして、ありがとうございました」


 ウリアーナが俺たちに深々と頭を下げると瀬戸内 晴美も一緒にピョコンと頭を下げた。


 バイオスキャナーを発動させ彼女をスキャンすると……なるほどなぁ、かなり特殊なサイコウエーブだがかなり有用なタイプだ。一応後で幸四郎さんに報告しておこう、本人にも教えておいた方がいいかな。


「先日、貴女がロシアのスパイに狙われた件について聞きたい事があるので可能な限り答えていただきたい」


 早速ルークがウリアーナに本題を切り出すと彼女は優雅に頷く。


「質問にはどのような事であってもお答えいたします、あなた方に隠し事をするつもりは一切ありませんので」


「私達のような得体の知れない者に対してその余裕と覚悟、その歳で相当な修羅場をくぐり抜けて来たようですね」


 すると、ルークとスカーレットが擬態を解く。この2人に関してはそれほど劇的に変わらないんだが正体を明かすことは初めから決めていたからな。しかし二人は特に驚きもせずに質問してきた。


「立場上子供の頃からロシアの諜報機関にはマークされていましたから危機や不測の事態には慣れているのです。ところで失礼だとは思いますが地球には何の目的で来られたんですか?」


「ヒバリちゃんたちは変身……いや、正体を見せてくれないの?」


 まあ、普通の人間が見たら幸四郎さんの偵察機はUFO以外の何物でも無いよな。それによく考えたらあの日、目の前で色々やってたからなあ。


 俺達が高度な科学文明を持った異星人で抵抗は無駄だと思われていても当たり前の話だよな。


「私の鼻の奥が痛まないから良い宇宙人なのは分かってるよ」


 瀬戸内 晴美がニコリと微笑む。俺がルークと幸四郎さんに目配せすると二人共頷いてくれた、俺達の意思疎通はバッチリだ。


「まずは我々の事から説明した方が良さそうだな」


 俺達の正体を明かして、お互いに腹を割って話しをするのが最善の方法であるような気がしてきた。

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