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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
活動編 ギャラクティカダーク世界情勢に介入しまくる。
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友達と忍び寄る影

「おっはよ〜!アダモヴィッチさん」


 教室に入って来たアダモヴィッチさんに明るく元気に大きな声で挨拶する。昨日、阿久先生に話しかけるように頼まれたけど、この子は人と関わる事を避けている感じがする。


「アッ! オハヨゴザリマス」


 日本語はまだ片言だな、英語かフランス語は話せるけどロシア語も習っといたほうが良かったかな。まあ英語でいいかぁ。


「アダモヴィッチさん、私ロシア語は分からないけど英語は大丈夫だよ。あなたとお話しがしたくって声をかけたんだ」


「英語は大丈夫です、ビジネスレベルで話せますから」


 アダモヴィッチさんは金髪碧眼の美人さんで色白だし背が高くて脚もすらりと長い。


「私に何か御用ですか?」


 いきなり話しかけられて動揺しているみたいだけど国家元首の娘だけあって、立ち居振る舞いはとても優雅だ。


「クラスメイトだからだよ、私はみんなに挨拶する主義なの。まだ編入して慣れてなかったけどもう一ヶ月でしょ? これから友好全開でいこうと思って」


 私はクルッと後ろにターンして興味本位で見守っていたクラスメイトに大声でいう。


「アダモヴィッチさん英語で話せるよ! ロシア語分かんなくても大丈夫! 特に英会話苦手な人ほど積極的に話そうよ。外国人に変なコンプレックス持ってるから日本人はコミュ障だって言われるんだよ!」


 それから休み時間とかに少しずつクラスメイトがアダモヴィッチさんに話しかけるようになって、昼休みには生徒食堂で私とハルちゃんとアダモヴィッチさんで食べるようになった。


 ハルちゃんは子供の頃、両親の仕事の都合で英語圏で暮らすことが多かったので英会話はバッチリだ。


「それにしても私は驚きだよ、この学校ってレベルが高いって聞いてたのに英会話できる人って以外と少ないんだね。最低でも三年は習ってるはずなのにね」


「受験のための勉強だからね。日本人てコミュ力の低いから、話す以前に話しかけられないんだよ」


「でも、風間さんのおかげで話しかけてくれる人が増えました、ありがとうございます」


「いやいや国を離れて一人で日本に留学でしょ友達の一人くらいいないとね。だけど反対に迷惑だと思われてないかなあって少し心配してたから、ありがとうって言ってもらえて嬉しいよ」


「あの……もしよかったら私のことはウリアーナと呼んでいただけると嬉しいんですが……」


 アダモヴィッチさんは嬉しそうな顔で少し恥ずかしそうに言った。


「じゃあ私もヒバリでいいよ」


「それなら私もハルちゃんって呼んでほしいな」


 そういえば私、同年代の友達って初めてだ。クラスメイトとも仲良くなったし、これが普通の女の子の感覚なのかな?


 隠れ里で修行の毎日、将来は鷹丸兄さんの嫁か妾として子供を産んで育てる。そんな未来に何の疑問も持っていなかった。


 ギャラクティカダークに入った私は里の掟と鷹丸兄さんの子供を産むという役目から解放されて、任務の時以外は自由にして良いことなったけど結局気持ちは宙ぶらりん。


 なんか任務と思って入った高校だったけど同年代の子達と過ごすことが凄く楽しくなって来ている。この時間が少しでも長く続いてほしいけど……やっぱり私は今でも闇に生きるモノなんだろうか?


 その日はハルちゃんが商店街にある老舗のうどん屋さん狐狸庵で夕食にしようと提案した。ウリアーナがうどんを食べてみたいと言ってたからと、もう一つ理由があるみたいだ。


「今日は寮でご飯食べない方がいいって予感がしたんだよね」


「へっ? 予感って……」


「なんだか知らないけど私、鼻の奥がツーンと痛む時の予感ってほとんど当たるんだよね」


 子供の頃、家族旅行で観光列車に乗るのが怖くなって大泣きしたので両親が諦めたら死者数名が出る事故を起こしたり、海外にいる祖母の所に遊びに行く時に嫌な予感がして飛行機の予約を変更したら、最初に乗る予定だった飛行機が墜落したらしい。


 どちらの時も鼻の奥がツーン痛んだという。小さな事でもツーンと軽い痛みはあるが今回の痛み方はその時の事故に匹敵する痛さだという。


 ハルちゃんは「重症の食中毒にでもなるのかな?」と言ってうどんをすすっていた。


 天ぷらうどん、キツネうどん、月見うどん、カツ丼とかやくご飯を平らげていく私に二人はドン引きしていたけど三人で談笑しながらしょくじ時間が過ぎていく。


 寮に着いたのは門限ギリギリの午後九時前だ、お話しし過ぎちゃったしデザートに抹茶プリンも食べたしなーって思ってたら突然ハルちゃんが叫んだ。


「みんな! 走って! 早く!」


 私達はハルちゃんの誘導で寮の離れにある管理人室に飛び込んだ。入るとすぐに全ての窓と扉の鍵を閉める。六畳の和室には寮の管理者である神田先生がうつ伏せで眠っている。


「なんだか分からないけど危ないの! ここに来たら助かる気がして…… 鼻の奥がジンジン痛んでるの!」


 ハルちゃんが叫び、私は冷静に周囲を観察する。神田先生が眠っているのは間違いなく強力な睡眠薬だ、ハルちゃんの感が正しいとすれば夕食に混ぜたと考えるのが妥当だろう。


「私が狙わていると考えて間違いなさそうね」


 ウリアーナはこんな状況なのに全然怯えていない、肝が座っていると言うよりも慣れているといった感じだ。


「携帯が圏外だしWi-Fiもつながらないよぉ!」


 ハルちゃんが半泣きになっているが外部との通信手段はすべて遮断されているはずだ。


「ごめんなさい、巻き込んでしまって私……」


「出て行っちゃダメだよ!」


 私の気合いに二人は息を呑み動きを止める。


「何が起こっているか分からないけど二人は私が絶対に守るから!ハルちゃん、賊が何人いるか分かる? ウリアーナ、賊に心当たりは?」


「すぐ外に二人、寮の中に三人いるよ!」


 凄いな、こんなに分かるなんて。前に真人さんに世の中には稀に天然のサイコウエーブ持ちがいるって聞いたけど、ハルちゃんは間違い無くサイコウエーブ持ちだ。いまの状況だとこの能力は本当にありがたい。


「おそらくSVRかFSBのどちらか……もしかしたら両方かも」


 ロシアの対外と連邦内の諜報機関だったかな、訓練された隠密が五人か……キツそうだけど「お前は近接戦闘なら訓練された兵士し十人くらいだったら他対一でも大丈夫そうだ」と言ってくれた鷹丸兄さんとミスティさんの言葉を信じよう!


 一応ギャラクティカダークには一報入れておく。流石は清志さんと今日子さんが作った通信機だね、電波妨害なんてモノともしないや。


 気を集中する、ドアのすぐ近くに一人と5mほど先にもう一人か。


「ハルちゃん、伏兵は?」


「大丈夫! 五人で全部」


 よし、ドアを開けると同時に目の前の厳つい白人の血海に前蹴りで踵を打ち込み、痛みに顔をしかめる間を与えずに跳び後ろ回し蹴りで霞に踵を叩き込む!


 着地と同時にもう1人との間合いを一気に詰める、拳銃を構えるが遅い!銃を持つ手首を掴み小手返しで転ばしながら拳銃を奪う、その流れで背後にまわり裸締めで締め落とした。


 二人を速攻で無力化すると拳銃をウリアーナに渡す、ハルちゃんよりウリアーナの方が使えそうだ。その足で寮の玄関の屋根に飛び乗ると、外の様子に気付いた三人が出てきた。


 一瞬で決める!


 屋根から三人の男たちの真ん中に飛び降り開脚して両手を軸に高速回転! 足の打撃点に気を込めて開脚倒立したままの姿勢で連続で回し蹴りを放つ!


 風牙流無手格闘術奥義「回天怪鳥脚かいてんけちょうきゃく


 多対一の状態で数的不利を覆す私の必殺技だ。


 敵を全員戦闘不能にするとハルちゃんとウリアーナが駆け寄ってきた。怖がられるかと心配したが二人とも笑顔なので安心した。


「凄いよヒバリちゃん! いったい何者なの⁉︎ 忍者? 改造人間? 秘密結社の構成員? それとも宇宙人の尖兵?」


 私が引きつるとハルちゃんは凄くいい笑顔で「もしかしてどれか当たってた?」と言ったけどほとんど正解、どれかどころじゃない。


「ヒバリさん助けてくれてありがとう! あの差し出がましいようだけど下着が丸見えだから出来たらスパッツを履いたほうがいいと思うの」


 私は気にして無いんだけどウリアーナが顔を赤らめてるから恥ずかしい事なんだろうな。スースーして落ち着かないからそれ履いたらちょうどいいかも。


 音もなく上空に影が見える、幸四郎さんの運転する隠密飛行機だ。


 光が伸びて来て、幸四郎さんとルークさんと、真人さんと今日子さんが降りて来た。


 ルークさんがハルちゃんとウリアーナをしばらく見つめて幸四郎さんに言う。


「幸四郎、この二人は大丈夫そうだ。約束は守る人間だし、記憶操作等の処置も必要ないだろう」


「よしヒバリ、今回の件は賊を尋問してから追って連絡する。まあ闇に葬ることになるとは思うが少々気になる事もあるからな」


「バイオスキャナーで見た結果だが全員軍用の睡眠薬で眠らされているな。副作用は中和して置いたから今日子に手伝ってもらって記憶操作してこの件は無かった事にしておこうと思う」


「この人数なら二、三分で出来るね。通信妨害も治しといたよ、ヒバリちゃんの報告どおりロシアの諜報機関みたいだから軽〜くサイバー攻撃でお仕置きしておくね」


「それじゃあ、賊は連れていくからヒバリは引き続き学生生活を楽しんでくれ。お嬢さんがたも元気でな、何か困ったことがあればヒバリに言ってくれ」


 幸四郎さん達はサッサと後片付けを終わらせた。みんな普通に着替えさせてベッドに寝かせて記憶も操作したらしい。


「じゃあまたな」


 みんな手を振って隠密飛行機で基地へと帰って行った。よく分からないけど凄い技術で誰にも気付かれずに全て済ませたみたいだ。


 翌朝、寮のみんなは何事も無くいつも通りに過ごしていた。


 ウリアーナとハルちゃんは記憶操作してないはずなのに、いつもと同じように接してくれている。どうやら許容範囲を超えているので深く考えないようにしているみたいだ。


 私達はいつも通りの学生生活を楽しんだ……数日後、幸四郎さんからの連絡が来るまでは。

ヒバリは徒手空拳だと忍者の中では最強なんです(武器や道具の扱いは下手で飛び道具はノーコン)

ちなみに血海は膝の斜め上、霞はこめかみにある人体の急所です。

次回から真人目線に戻します。

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