ヒバリ初めての学校
今回は東京の名門女子高に通うヒバリ目線です
やっちまったぁぁぁぁぁ!
なんてこったぁぁぁぁ! 梅津女子学園高等部一年生風間 ヒバリ。編入試験に見事合格して早一ヶ月、自分が大失敗をしている事に気付いてしまった。
私は風牙流忍術を使うクノイチであり、世界に変革をもたらす秘密結社ギャラクティカダークの一員である。
この学園に入学したのは良家の娘や、海外からの留学生も多いこの学園で人脈を作り情報収集をする為だ……と思う。
家老であるルークさんと幸四郎さんは「学業を通じてやりたい事が見つかれば組織を離れても良い」と言ってたけど私はギャラクティカダークが大好きだ。
だってご飯が美味しいし、周りの人がみんな凄いんだもん。
君主のイーマ様は見た目は愛らしい子供だけど、もの凄い威厳と胆力を持っている上に、頭も良いし公明正大なんだよね。許嫁のミレ姫様も可愛いし、私が仕える主君はこの人しかいないと思ってる。
家老も優れた人物で、武官寄りの幸四郎さんと文官寄りのルークさんの二人がいる。幸四郎さんは初老に見えるが百歳を超えていて風牙の里の長老とは戦友だったらしい。ルーク様は古くからの家臣でイーマ様の父の代から仕えていたそうだ。
学者の三人も文官の皆さんも、星の彼方から来た人達も、風牙の里から一緒に来た兄さん姉さんも私の大事な仲間だから、ここでの生活も任務として秘密基地に有益な情報を送って役に立ちたいって思ってたのに……。
いきなり失敗しちゃった!
隠密行動と情報収集の基本は目立たない事なのに……今の私、学校で目茶苦茶目立ってる! この一月でかなりやっちゃたよぉぉぉ!
何がマズかったって? いっぱいあり過ぎて……。
まず成績! この梅津女子学園は中高一貫校だが高等部は外部受験による編入枠が60人分ある。
偏差値とかよく分からないんだけど中学で76で高校は75なんだって。後で聞いたら超難関らしい、それを全教科満点で合格しちゃったんだよね。
さらにクラス分けの為の実力テストでも全教科満点、普通、外部受験の生徒は中学からの生徒に勉強で勝つのは難しいらしい。
ギャラクティカダークの文官の皆さんや学者さんに特訓してもらったせいか、どの教科も全然簡単だったんですけど!
この学校は開校当時から自立出来る女子教育が売りなのでテスト結果は順位と点数が貼り出される。二位に大差をつけての満点だから嫌でも目立つ。
そして入学してすぐにあったスポーツテスト。鷹丸兄さんが「俺達は一般人とは鍛え方が違うから運動は軽〜く流せ」って言ってたからチンタラやってたのに、走る、跳ぶ、投げるにおいて高校記録に迫る勢いだったらしい。
色んな運動部からものすごい勧誘を受けたけど勉強や文化的活動に従事したいと言って断った。
そしたら教室で隣の席の加藤 千秋さんが「私、吹奏楽部だから見に来ない」て誘ってくれたから吹奏楽って何だろうって思いながらついて行ったら……楽器の演奏かあ、なんか楽しそう。
色々な管楽器があるけどトランペットなら幸四郎さんに習ったから吹ける。毎朝吹いている幸四郎さんの演奏が力強くて格好良かったから教えてもらってたんだ。
トランペットなら吹けるって言ったら演奏してみてって顧問の先生に言われたから吹く事になった。人前で演奏するのは初めてだから緊張するなぁ。とりあえず一生懸命やってみよう!
ふう、とりあえず吹き終えたゼイって思ったら、みんなから割れんばかりの拍手が巻き起こる。
「凄いわ! 風間さんブランデンブルグ協奏曲第二番のトランペット独奏部分とチューンズアンドエアを完璧に演奏している! 吹き方がマーチングバンドじゃなくてクラッシックだけど……もしかしてどこかに音楽留学してた⁉︎」
顧問の先生がものすごく喰いついてきた。幸四郎さんに教えてもらった曲を一生懸命吹いただけなんだけどかなり上手かったらしい。ちなみに曲名は今知った。
部員のみんなと顧問の先生はぜひ入部してくれって言ってたけど他にも見てみたいって言って、とりあえず断った。
この学校は大正時代から女性の自立を目指し、旧態依然とした男社会の中で数々の女傑を輩出した名門である。そのためか海外からの留学生も多い。
やっぱり情報収集するには海外の知人も作った方がいいだろうなぁっと思って、留学生にも積極的に話しかけた。
英語、中国語、広東語、フランス語はスカーレットさんやルークさん、浩二さんに習ったので日常会話レベルは習得している。
普通に留学生と相手の国の言葉で話しをして教室に戻ると、級友達に囲まれて質問責めにあった。
「風間さん凄い! 何ヶ国語話せるの?」
「留学してたの⁉︎ 高校からの編入だから海外暮らしが長かったのかしら?」
「私なんか英語だけでいっぱいいっぱいなのに!」
「発音も表現も完璧だったじゃない! しかも綺麗なクイーンズイングリッシュ!」
私は困惑していた、英語って中学から三年間も習ってるんじゃ無いの? 私、数カ月でマスターしたよ!
それにギャラクティカダークのみんなは最低でも三ヶ国語以上は話せるし、エリート校って聞いてたから……もしかして私が思っている以上にギャラクティカダークと世間一般ってかけ離れてるの!?
「ねえねえ、ヒバリちゃん」
同室の瀬戸内 晴美さんが話しかけて来た、小柄で大人しそうな女の子で中等部からの内部進学組だ。両親が海外転勤のため高等部から寮生活だそうだ。なんとなく打ち解けて仲良くなってる。
「なあにハルちゃん?」
「すごいね! 小根川さんの嫌がらせに全く屈しないんだから」
「へっ?……あぁぁぁ〜! あれか!」
小根川 留衣は中等部からの内部進学組で家柄も良く、私が編入するまで成績も不動の一位だったらしい。中等部から別の学校に行った生徒は四人だが、いずれも小根川さんのイジメが原因という噂だ。
「あんなの別に何とも思わないし、最近大人しくなったからいいんじゃない」
「集団シカトに学校裏サイトでの誹謗中傷、持ち物を隠したりロッカーに汚物を入れたり……私だったら耐えらないよ! それを涼しい顔して撃退するだけじゃなく子分にしちゃうなんて! ヒバリちゃんって何者なの⁉︎」
いやあ〜全部動かぬ証拠掴んだ上に根回しして精神的に追い込んだだけなんだけどね。ついでに苛めていた子達に謝らせて二度とやらない事を誓わせた。
私、一応訓練された隠密だから素人がケンカ売ること自体が間違っているんだよね。
子分にした覚えは全く無いんだけど小根川 留衣とそのグループは私の配下となった。イジメや嫌がらせをしないように躾けたので同学年の生徒から学年のリーダー的存在として慕われたり、畏怖の目で見られるようになってしまったのだ。
あらゆる面において目立ち過ぎてしまった、一応上に報告しないといけないよなぁ……気が重いよぉ。
ヒバリは隠れ里とギャラクティカダーク以外の人と接していなかったので世間一般の基準が分かりません(勉強しているので知識だけはある)。




