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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
始動編 ギャラクティカダーク活動開始
28/220

ギャラクティカダーク号接舷する

 あれから四ヶ月が経ち「銀河バイオ株式会社」の本社と工場が完成に近づくと同時に地下施設と海底トンネルの完成も近づいている。


 クリーナーパンジーとクリーナーテングサの売り上げは好調で種子の納品が新規申し込みだと一年待ちになっている。想像以上の反響で世界各国からはもちろん、遺伝子操作に抵抗感が強い日本の企業や自治体からも注文が殺到しているらしい。


 パンジーとテングサの秘密を狙ってハッキングを仕掛けてきた者が多数いたらしいが、地球のハッカーが今日子の作ったセキュリティーを突破出来るわけがない。案の定失敗のツケはサーバー破壊や情報拡散といった形で支払わされる事になっていた。


 産業スパイや各国のエージェントも暗躍していたらしいが、忍者のみなさんがサクッと処理したらしい。始末して支障の無いヤツはターチのエサとして処分したそうだ。


 トンネルと地下施設の完成が近づいたならギャラクティカダーク号を接舷させる用意もしなければならない。いくらステルス性が高いといっても巨大な物体が海中を進むんだ、海上保安庁と自衛隊も米軍もボンクラでは無いので気付かれる可能性が高い。


「今日子、いい感じのヤツは見つかったか?」


「これなんか良さそうじゃない?」


「直径約18メートル、質量約15トン主成分は鉄とアルミニウムかぁ、ちょうどいいな。よし!これにしよう」


 俺たちは遠隔操作の無人宇宙船を使って隕石を探している、目的は地球に落とすためだ。といっても地球や文明にダメージを与える為では無く2つの目的のためだ。


 落とす場所はS湾沖の海上で、1つはギャラクティカダーク号を海底トンネルに入れる間のカモフラージュだ。隕石落下を地球の天文台に早い段階で観測、警戒させて周囲の目がそちらに向いているあいだに速やかにギャラクティカダークを移動させる。


 もう一つは資源の確保と輸送だ。ギャラクティカダーク号の修理やミリオネル王国の科学技術を再現するには地球上に存在しない物質と元素が必要だ。


 必要な元素と物質は小惑星や月のクレーターから採取する事が出来たが無人宇宙船では地球に運べない。そこで大気圏突入の熱で燃えないようコーティング加工して隕石の中に入れて地球に落とす作戦をとることにした。


 資源の確保とギャラクティカダーク号の移動のカモフラージュを同時に行う合理的な計画だ。一見、無茶な作戦のようだが俺たちの技術と演算能力を駆使すれば出来ない事は無い。


 後は決行日までに地球の機関に隕石落下を気付かせて、対策をとらせる事。無人宇宙船で隕石の中に加工した素材を入れて軌道の調整と大気圏に突入する時の処置をする事。地下施設と海底トンネルの工事を済ませる事だ。


 ギャラクティカダーク号がトンネルから地下施設に入ってからが本格的な拠点作成だしな。


 今のところは「銀河バイオ」で販売する種子の遺伝子加工はギャラクティカダーク号のバイオプラントで行なっているが、本社工場が出来ればそちらに移し、バイオプラントも秘密基地に新設する計画だ。


 食堂で雑談をしながら食事をするのも日課になりつつあるなあ、今日の日替わりはチキン南蛮定食だ。本日の丼メニューである中華丼を食べながら真司が話しかけてくる。


「なあ真人、パンジーとテングサが好調で注文が殺到してるんだが工場が出来れば今よりも生産効率が良くなるんだろう?」


「三倍程度にはなると思うがどうした?」


「いや、中国のクライアントからなんだけど土壌と海水を浄化する植物があるなら、淡水と空気を浄化する物は出来ないのかと問い合わせがあってな。もし作られるんだったらそっちのほうも開発も頼もうかと思ったんだ」


「両方ともあるぞ、淡水用はクリーナー睡蓮がある水底のヘドロも浄化出来る優れものだぞ。空気はクリーナー杉だ、大気中の汚染物質を分解して繁殖期に無害な花粉として放出する」


「花粉の飛散量は?」


「そうだな……汚染度によって差があるが通常種の五倍から十倍くらいかな」


「「却下だ! 却下ぁぁぁぁぁ!」」


 清志、浩二、和美、秀樹が全力で反対して来た。


「お前達は脳の端末化手術の影響で、もうアレルギー性疾患にはならないはずだぞ」


「それでもだ! 眼球を取り出して洗いたくなる苦しみが!」


「世界中の杉の木を切り倒したくなる気持ちが!」


「春が近づくと憂鬱になる悲しみが!」


「特売五箱一組のティッシュが三組買える高級ティッシュ一箱を一日で使い切る虚しさが!」


「「なったことの無い奴に分かるかぁぁぁぁ!」」


 俺には理解出来んが花粉症というのはトラウマ級の辛さらしい。とりあえず空気浄化用の植物は一からやり直す事にしてクリーナー睡蓮を商品化する事にした。


 そして隕石の改造と軌道調整が完了した。このままいけば予定通りにS湾入り口付近Y市沖40km地点に落下する予定で計算上の誤差は2km程度だ。


 K大学の天文台が日本の領内に落下する可能性に気づいてくれたので政府に気付かせる手間が省けたので助かった。


 今、俺たちはギャラクティカダーク号をS湾沖の水深2500m地点に待機させて作戦決行のタイミングを待っている。


「幸四郎さんS湾を中心とした太平洋沿岸は厳戒体制で、自衛隊や警察、消防が住民に避難を呼びかけてるよ。海上は自衛隊の護衛艦と海上保安庁の巡視艇が巡回している他は船は出てないね」


 海上の様子を自衛隊や公共の端末をハッキングして調べている今日子が幸四郎さんに報告する、間も無く作戦決行だ。


「よし、計画通りだな。清志は人工島から隕石に入った無人機の操作をするんだったな」


「清志の方は準備万端で後はタイミングを見計らって隕石を爆破するだけらしい。俺とテンタくんは作業用潜水艦で待機する」


 俺はテンタくんと一緒に作業用潜水艦に乗り込む、加工した素材には生体ユニットが埋め込んであり潜水艦のセンサーに俺のバイオスキャナーを同期させて高い精度で回収するためだ。


「よろしくお願いします、阿久博士」


 テンタくんは本来の姿だ八つの目と十数本の中触手で器用に潜水艦の操縦と各種機器の操作を一人でこなす」


「操縦は任せるよテンタくん、俺は索敵に専念する」


「了解です、博士」


 作業用潜水艦がギャラクティカダーク号を発進して浮上を開始したその時今日子が作戦決行の声をかける。


「「来たよ真人さん! 爆発が起きたら作戦開始だね!」」


 遥か上の水面が閃光で照らされ、衝撃波が海中にも伝わって来る!海面に落ちて来る隕石の破片の中から目的の素材を見つけ出さなければならない。センサーと同期させた感覚が頼りだ!


 ギャラクティカダーク号は各種センサーを妨害する波動を出しながら全速力で海底トンネルに迎う。船長の腕は確かだから心配はいらないと幸四郎さんが言っていた。


 俺は自分の役割を果たすだけだ……見つけた!


「テンタ君! 二時の方向に進路をとってくれ」


「了解です!」


 感覚を集中して素材を探す……あった!


「右25度、距離40メートル!」


「発見しました! 早急に回収し、海底トンネルにてギャラクティカダーク号と合流します」


 海底トンネルはまだ洞窟のようだ、奥にまっすぐ進んでいくと広い空間に出る。まだ岩肌がむき出しだがギャラクティカダーク号が岸に接舷している。


 潜水艦を隣に接舷してハッチを開けると今日子がブンブンと手を振っていた。


「真人さぁぁぁん! 作戦は成功だよぉぉぉ!」


 今日子に手を振り返して俺はギャラクティカダークに乗り込み、みんなと合流した。これからが仕上げだな。

次回、秘密基地やっと完成。

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