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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
始動編 ギャラクティカダーク活動開始
26/220

銀河バイオ株式会社

 各種手続きは文系スタッフに丸投げする事で安心していたが、俺はフロントカンパニーの商品であるクリーナーパンジーとテングサの開発者として顔を出さないといけないので非常に気が重い。


 人工島の売買計画と建設会社の買収、マスコミや他の企業への根回しなどを真司と和美に任せて俺は今、プレゼン用の資料を作成している。


 俺を追放した有名な学者達が圧力をかけて来たらしいが、文系スタッフのみんなが上手くやってくれたらしい。面倒事を一手に引き受けてくれるので彼等には非常に感謝している。


 明日はS市のオフィスビルに構えた仮の本社で企業、自治体、国内外のメディアを招いて起業説明会と商品説明会、実験の説明会と結果を検証する第三者機関の紹介を行う。


 今は、出席する三人で打ち合わせの最中だ。


 すでに人工島は買収した東海富士建設改め銀河建設によって雑草除去と整地がされており、トラクターによって耕されている。肥料は地中の有害物質だから毎朝水をやるだけでOKだ。


 銀河建設の整地作業に紛れて、親会社である「銀河バイオ」の社員として清志と今日子が人工島の土壌調査の名目でナノマシンを散布する。清志が濃紺のツナギの作業用服に麦わら帽子と安全靴で、今日子が安全第一と書いた黄色いヘルメットに緑のTシャツ、首からタオルをかけてニッカポッカと地下足袋だ。どんなイメージでチョイスした服装だ?


 今日は明日の種まきに備えて清志と今日子が土壌検査の機材と種子を積んだトラックを人工島に運んでいる。もちろんそれは表向きで十数台の作業用ロボを積み込んで、到着次第地中に潜らせて地下基地の建設に当たらせる。産業廃棄物のほとんどはナノマシンによって資材に作り変えられている。


 面倒くせえなぁ!  俺も裏側の建築チームが良かったなぁ。やっぱり俺も死んどくべきだった!


「真人、顔が全力で嫌だって言ってるよ。まあ最初のプレゼンだけやってくれたら後はこっちで運用するからさ。研究室に引きこもっているって事にするから外に出ることはほとんどないよ」


「ちょっと休憩しようか、アイ、マイ、ミイがクッキー焼いてくれてるからコーヒーを煎れて来るわね」


 真司と和美がちゃんとフォローしてくれているから安心して自分の役割が出来るのも確かだ。まあ明日1日くらいは頑張るか。


 メイドロボ三人娘は自分たちのエネルギー源であるお菓子を作る時に、ついでにスタッフの茶菓子やオヤツも作ってくれる。本当に良く働く娘達だなあ、クッキーは有名洋菓子店のクッキーに迫るクオリティーだった。


 俺は商品説明と種まき前の土壌と水質検査を第三者機関の前で公正に行う役割だ。現地の警備体制は幸四郎さんとミスティと忍者4人で万全の体制らしい。他にも清志と今日子特性の防犯システムも設置してある。


 昨日の食事の時に初めて素顔を見たが、鷹丸以外の忍者は三人共十代のクノイチだった。当日はアルバイトスタッフとして現地入りするらしい。


 明日は自分の役割を果たすことだけ考えて今日はもう寝よう。


 翌日、S港に空間跳躍して車で仮本社のあるS市内のオフィスビルに向かう。見た目はヨコタ自工のラグジュアリーミニバン「ベータニア」だが清志によって魔改造されている。


 運転手である和美が機能を説明されていたが見るからにドン引きしていた、もしかしたらロボットに変形とかするのかもしれない。


 仮本社は政令指定都市であるS市の中心地で一際目立つ綺麗なオフィスビルの十五階にあった。家賃、結構高そうだな。


 会場は四十坪程でまだオフィス家具は入ってない。壁にプロジェクターが設置されていてその前に折りたたみ式テーブルとパイプ椅子が三つ。向かい合わせて数十人が座れる数のパイプ椅子がならべてあり、横手に第三者機関の調査員の席が5席設けられている。


 会場はすでに満席で席の周りを国内外のマスコミが取り囲み、テレビ局のカメラも入っている。詳細は知らないけど文系スタッフ達が頑張って広報活動をしてくれたようだ。


 出席者の前で3人並んで一礼して説明会が始まる。事業計画とか資本金、株主云々、俺が全く興味が無い話を真司と和美が淡々と続けていく。参加者は真剣に聞いているが俺はアクビを我慢するのに必死だった。


 限界近くになり白目気味になったときに俺の出番が来た。


「それでは当社の主力商品であるクリーナーパンジーとクリーナーテングサについて開発者の阿久 真人博士に説明していただきます」


 俺が起立して資料を出すと、音を立てて立ち上がる一団がいた。俺を学会から追放したクソジジイどもだ!


「こいつは人体実験を平気で行なったり、法を犯すことを何とも思わない、宗教的倫理観や人権意識のかけらも無いマッドサイエンティストだぞ! こんな奴が開発した物など危険に決まっている!」


 大声でまくし立てるクソジジイに真司が冷淡に反撃する。


「私共は、阿久博士が倫理観の欠如により学会を追放されたことを承知しています。確かに阿久博士は倫理観が欠如しており放っておくととんでも無い事をしでかします」


 あれ? フォローしてくれるんじゃ無いの?


「ですが能力に関しては本物です。我が社は博士の欠けた部分をフォローし適切にマネジメントする事で、その才能を生かした商品を開発して世に出す企業です。では博士、改めましてお願いします」


 真司、凄いな! あの世渡りだけで今の地位を築き上げたクソジジイ供をあっと言う間に黙らせやがった。俺は気を取り直してパンジーとテングサのプレゼンをする。


「クリーナーパンジーは遺伝子操作により通常のパンジーよりも深く広く根を張り、地中の有害物資を養分に成長します。成長速度は極めて早く種子をまいてから発芽まで約2日、それから開花まで約3週間です。開花した段階で有害物資の吸収は終わり3、4日で種子が取れて枯れていきます。その時点で有害物質は完全に分解されて無害になり枯れた後は茎、葉、根は有機肥料になります」


 聴衆は熱心に聞いていて俺が作った資料を読んでいる者もいる中で、クソジジイ供は真司に論破されてすっかり大人しくなっている。続けてクリーナーテングサの説明をした後、チャーターした観光バスで人工島に迎った。


 人工島ではギャラクティカダークの面々がスタッフとして待機していて案内や準備をしていた。みんな銀河バイオのロゴマークの入ったスタッフジャンパーを着ている。


 ルークは角を収納できるので今は地球人と変わらない見た目だし、スカーレットも分厚いメイクをしているので地球人と見分けが付かない。普段ピエロみたいなメイクをしていると思ってたらアレが素顔らしい。2人はバッチリとビジネススーツを着ている。


 ゴリマッチョな髭面の白人はゴッグ船長で、細マッチョな黒人青年がテンタ君だ。細胞変換装置で一時的に地球人の姿になっている。容姿は本人の本質を分析してマシンが相応しい姿を選別しているのだ。


 鷹丸、ミスティ、クノイチ三人は案内をしながら参加者の一挙手一投足に目を光らせ、本部テントでは幸四郎と今日子がパソコンの前で何かしている。


 後は種子を撒いて1ヶ月後に土壌と水質検査をするだけでOKだ。今日は慣れないことをして本当に疲れた……。


 一月後、検査結果に第三者機関とマスコミは驚愕した。毒性が強かった土壌が浄化され、水質が劇的に改善されたのだ。


 遺伝子操作に抵抗のある日本の自治体や企業は躊躇したが、環境汚染が深刻な中国の自治体から大量注文を受け事業として成り立つ目処は立った。EU諸国やアメリカ、東南アジアからも注文が殺到している。


 人工島は環境が改善されて好きに開発できるようになり。本社社屋と工場が建設される事になった「銀河バイオ株式会社」は先進のベンチャー企業として世間に認知される事になる。

 

次回は真人が慣れないプレゼンに四苦八苦している間のギャラクティカダークの他のスタッフの活躍?です。

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