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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
始動編 ギャラクティカダーク活動開始
16/220

松戸 清志をゲットせよ

「チョット待ってよ! なんか僕たちがチョロいみたいな言い方じゃないのさ! なんで僕たちが簡単でその人が難しいのか、納得のいく説明を要求する!」


 今日子が芝居がかった言い方と動きでズビシ! っと浩二を指差すが、浩二は淡々と説明する。


「松戸教授はK大の名物教授で様々なパテントを持ち、複数の企業と提携している。メディアへの露出も多くて社会的地位の高い人物だから我々のような得体の知れない組織の誘いを受けるとは思えないんだよ」


 確かに地位も名誉もある人間があからさまに怪しい組織のオファーをホイホイと受けるわけないよな。


「確かに俺は学会を追放されて行くところがなかったからなあ」


「真人の場合はさらに学会からの圧力で民間企業への就職も難しい状態だったしな。それに今日子にいたっては国際指名手配のテロリストだったからウチに来る以外に選択肢がなかった」


 幸四郎さんの口から衝撃の事実だ、面接すら受けさせてもらえないと思ったらクソジジイ共、企業に圧力をかけてやがったのか!


「そうだ! スッカリ忘れてたけど僕ヤバかったんだ、捕まったら拷問されて嬲られて最後は自白剤見せられて「吐かないとおクスリつかワないとナリマセーん。いいレスカ、これ用いるト脳味噌くるくる、もう元には戻れマセーン」て言われるところだったんだ!」


「2人の場合はそんな事情で簡単だったんだ、浩二を始め他のメンバーも社会復帰は困難だったり、しない方が良い人間ばっかりだからなあ。真っ当な人間は誘い難いんだよ」


 確かにここに来れば安定した生活どころか基本的人権すら無いからな。勘違いしている奴が多いが人権って奴は誰もが生まれながらに持っている物じゃなくて国家によって保証してもらう物だからな。


 もっとも地球のどの国よりもイーマ様達は俺たちの権利を保障してくれそうだけど、俺たちの立場は地球上では宙ぶらりんだ。


「とりあえず松戸 清志個人について調べてみないか? 立場上は地球人ですら無い俺達が社会的立場で遠慮するのはナンセンスだろ。メインコンピュータの課題をクリア出来る人間は希少だからスカウトする方向で考えるのが良いと思う」


「言われてみればそうだな、まだ地球人の常識に捉われていたよ。俺たちはデータを検証して彼について調べてみる、具体的な勧誘方法を検討してみるよ」


「じゃあ俺と今日子は彼が返信した論文を検証しよう。その中に有効的な切り口があるかもしれない」


 幸四郎さんと文系スタッフは作戦司令室で、俺と今日子はメインコンピュタールームでそれぞれ別の視点から松戸 清志について調査をする。


 俺は主に論文を検証している、専門外であるが内容は理解出来るし彼の考え方や理論を見るとどんな考えを持ち、何がしたいのかが分かるからだ。真っ当な科学者なら論文には誠実で嘘をつくことができないはずだ。


 コピペを使ったりデータを捏造したり、コネを作って出世しようとか考える奴は科学者じゃない! 科学分野のサラリーマンやお役人だ、絶対に科学者を名乗って欲しくない。


 俺や俺の恩師は論文や研究、実験に対しては誰よりも誠実だ。目的は新しい発見、発明、真理の探究だからだ。その崇高な目的の前に、地位、名誉、財産は必要無い。法令遵守や宗教的倫理観など研究の邪魔者でしか無い!


 今日子は悪質なパワハラ、セクハラを受けたうえに自分の研究成果を横取りされて出世や金儲けの道具にされた事に対して激怒し、ウイルスでプログラムやツールを完膚無きまでに叩き潰した。その気持ちは研究者として強く共感出来る。


 運悪く、それが世界中の中枢部で使われていた為に政治、経済、軍事システムに大打撃を与えた結果、テロリストとして追われる事になり現在に至るわけだ。


 そういえばコイツはエージェント達の目の前で幸四郎さんの偵察機に回収されたんだよな。彼らから見たら突然現れたUFOにさらわれたとしか見えないだろう、CIAとかモサドはどう解釈してるんだろうか?


 思考が脱線していると今日子の声が直接脳に響く、思考のリンクは脳に負担がかかるからやめとけって言っておいたハズだが。


「「とりあえず各諜報機関の調査内容だと、僕は宇宙人に拉致られて行方不明って事になってるよ。あとメインコンピュタールーム内だとお互いにWiーFi環境にいるみたいなもんだからリンクしてても問題なさそうだよ。」」


 本当だ、常時リンクしていても中枢神経の負担はほとんど無い。


「「それよりも松戸 清志の個人的なデータベースやSNS、インターネット閲覧遍歴、ネットショッピングの購入履歴、裏アカその他諸々「電脳人間」の能力フル活用して調べたけど、以外と簡単に引き込めそうだよ」」


「こっちの見解では彼は権力や金には全く興味無がさそうだ、研究資金を調達するために仕方なくパテントを取ったり、企業と提携してるみたいだな。生活は極めて質素で金のほとんどは研究費につぎ込んでいる。ストイックに研究するちゃんとした科学者と見て間違いないだろう」


「「ナルホド、ナルホド。それじゃ僕のまとめた資料見てよ、真人さんが感じた彼の科学者魂プラス、僕が調べた人格、個人情報を合わせたら、説得すると仲間になる確率は高いと思うよ」」


 今日子がまとめた松戸 清志の資料を見る、俺たちに個人情報保護法など関係ない。


 あ!  確かにこれだと色々と考えるより真正面からガツンと言った方が効果的だ。万一大学教授の地位や普通の生活にこだわるようなら記憶を消去したらいいか。


「「じゃあ早速、幸四郎さんやコーちゃん達に相談して段取り決めようよ」」


 そうだな彼の心が動くように多少の演出は用意するとしよう。まあ、多分大丈夫だろうが。

次回は松戸 清志目線です。

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