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秘密結社ギャラクティカダーク 世界征服を企む組織はホワイト企業だった  作者: ソメヂメス
始動編 ギャラクティカダーク活動開始
15/220

後始末と3人目

 ターチに食事をさせるためにイーマ様、ミレ姫、幸四郎さんとミスティさん、鷹丸さんが少女誘拐売春組織のアジトを襲撃した。


 構成員6名と顧客4人がターチの食事となり、ボスらしき男をミスティさんと鷹丸さんが拘束した。幸四郎さんが操縦する偵察機は結構大型でターチを含めて全員収納する事が出来る。


「幸四郎さん1人捕虜にしてるみたいだけど、そいつどうするの? やっぱり拷問?」


 今日子が凄く楽しそうに聞く。ワクワクしてるんじゃない!


「いや、とりあえず車で逃げようとしてたんで捕まえたんだが、別に使い道も無いからターチのオヤツにでもしようかな」


「ちょっと待って下さい! そいつと話し出来ませんか?」


 名乗り出たのは元エリート官僚の木下 浩二だ。知り合いなのかな?


「知り合いなのか? まあ別にいいだろう、TV電話でいいか?」


「はい、お互いに顔が見えたほうが面白いと思います」


 モニターに映った顔には見覚えがある、テレビでよく見る大物政治家だ。政治に関しては全く興味が無いので名前は知らない。


「お久し振りですね、北梨外務大臣」


「……まさか! お前、木下か⁉︎ 確かに始末したと報告を受けたはず! あいつら高い金をとっておいて、しくじったのか⁉︎」


 なんか映画とかでよくあるやり取りだよな。横にいる今日子が小声で俺に話しかけてくる。


「なんかお約束のセリフでつまんないね、せっかく悪そうな顔してるんだからもっと気の利いたセリフ無いのかな」


「まあまあ、真面目でお堅い浩二が自分から買って出た対話なんだからちゃんと聞いといてやろうな」


「そだねー」


 浩二はワイシャツと肌着を脱いで上半身裸になった。文系で細身だと思ったら結構引き締まった体をしていて胸に1つ腹に3発の銃創がある、明らかに殺害目的で撃たれている。


 そういえば銃で撃たれて崖から海に落ちたところを助けて治療したって幸四郎さんが言ってたな。


「胸は心臓をそれましたが、この状態で海に落ちたら死ぬに決まってますよね。しかし私は悪魔に拾われたんですよ」


 浩二は凄く悪い顔でニヤリと笑う、堅物だと思っていたがこの数日間で俺たちに染まってきたかな。


「あなたがいくら権力を振りかざそうが、ここにいる人間は死んだ事になってるから関係ないんですよ。なんと言っても俺たちはみんな地球のどこの国の所属でもない人間だからな」


「貴様らは犯罪者だぞ! 外務大臣の私にこんな事をしてただで済むと思っているのか!」


 北梨大臣が吠えるがこの場での恫喝は意味がない。権力者って奴は俺以上に空気が読めてないな。


「悪いのは人相だけじゃ無くて頭もだね、僕たちには権力どころか日本だけじゃ無く地球の法律も通じないってコーちゃんが言ってるのに自分の立場が全く分かってないんだから」


「コーちゃんって……」


 今日子の軽口に浩二の顔が若干引きつるが、相手が今日子なのですぐに諦めたようだ。その切り替え力は大事だぞコーちゃん。


 北梨大臣がギャンギャン吠えてるのも見苦しいし、飽きて来たな。


「コーちゃん、そろそろターチに食わせないか? そのゴミ」


「真人さん、こんなゴミ食べさせたらターチのお腹痛くならない?」


「ひいぃぃぃ!」


 引きつる北梨を一瞥すると浩二が楽しそうな笑顔を見せ、俺たち全員に提案する。どうやらここからが本題みたいだ。


「こいつ、イーマ様の新しいサイコウエーブの実験台にちょうどいいクズっぷりじゃないですか?」


「あ! なるほど、どのくらいの効果があるのか見るのに最適だな」


「ここまで純度の高いクズは滅多にいないしね」


「万一の場合は首を落とせば済む話だな」


「ターチに齧らせたほうがいいだろ」


「加減が分からないから全力でいくね〜」


 イーマ様が北梨の前に出て来てニッコリと笑いかけた。




「根性試しバラエティー☆命がけドッキリ☆訴えられたら自己責任!の時間ですが、報道特別番組番組をお送りします。与党リベラルデモクラティック党の北梨(きたなし) 外道(そとみち)外務大臣が緊急記者会見を開く事になりました。現在、党本部に招待せれた報道関係者が集まっています。会見の内容は知らされておりません……あ! たった今、北梨大臣が会場に到着しました!」


 会見の内容は北梨がこれまで行なっていた悪事の暴露だった。俺たちはギャラクティカダークの食堂で天婦羅パーティーをしながらテレビで会見を見ている。元ジャーナリストの堀内 和美は料亭の娘で揚げ方がとっても上手い。


 北梨は資金集めのために反社会的勢力と癒着して様々な裏ビジネスをしていたようだ、少女誘拐売春組織は氷山の一角にすぎなかった。

 人身売買、麻薬密売、反社会的勢力への情報漏えい、諸外国との密約といくらでも悪事が出て来る。


 それを自分は生きる価値のないクズだ! なんて恐ろしい事をしていたんだ! 罪を償っても償いきれない! と号泣しながら自白していく。


 マスコミは呆然と涙の告白を聞いているだけだった、政界の化け狸と呼ばれた北梨 外道が自らの悪事を泣きながら暴露しているのだ。


「エゲツない効果だなカタルシススマイルは。いきなり自殺しようとしたのを罪を償うまで死ぬなと説得するのに骨が折れたよ」


 幸四郎さんが様々な具材を衣で合体させた巨大なかき揚げを作りながらボヤいていた。


「僕もあんなになるなんてビックリしたよ。あ、地球の料理って美味しいね、いくらでも食べられるよ」


 イーマ様はキスとタケノコとシイタケが気に入ったみたいだ。


「おそらく「超カリスマ」との相乗効果だとは思いますが凄すぎますね、どんな悪人にも強力な良心を植え付け改心させる微笑みのカタルシススマイルだけでも日本の政財界エライことになりそうだな」


「まあ、少女売春や人身売買、麻薬密売の顧客リスト公表しちゃったからねえ。政財界、芸能界の大物がけっこういたから暫くはパニック状態じゃないかな」


 今日子は海老ばっかり食べてる、いっぱいあるからいいけれど。


「あの女の子達、心に傷が残らなかったら良いのですけれど。私のヒーリングボイスがどこまで効いているのか心配ですわ」


 ミレ姫様は、とり天と豚天がお気に入りだ。バイオスキャナーで見たが、おそらく後遺症はあっても微々たるものだろう。


「まっ、この件はもう片付いたということで。しかし真人、あれはチョットやり過ぎなんじゃないか? 明らかに捏造だろ」


 浩二もすっかり打ち解けた、同い年の俺とはもうタメ口だ。レンコンをシャリシャリ食べながら今流れているニュースを指差す。


「続報です!北梨大臣の家宅捜査中、庭に成人男性の遺体が埋められているのが発見されました。警察は4ヶ月前から行方不明になっている外務省勤務、木下 浩二さん32歳である可能性が極めて高いと調べを進めています」


「ああ、浩二は死んだ事にしといた方がいいか? って聞いたら頼むって言ってたろ。だから老廃物でクローン作って適当に腐敗させて埋めといた」


 やっぱり天婦羅はカボチャとサツマイモだろ。まあ捏造だが 今の北梨だとバラす心配も無いだろうし大丈夫だろう。


「みんなも死んだ事にして欲しかったら名乗り出てくれ、ちゃんと証拠の死体は用意しとくから」



 会見を終えた後、北梨は姿を消した。


 その後彼の姿を見た者は誰もいない。


 そしてターチはデザートに満足していた。



 翌朝、食堂に行くと幸四郎さん、今日子、浩二が俺を待っていた。


「真人、機械工学のレポートと計算をクリアした人材が見つかった」


 お! 良かったじゃないか。でも浩二は複雑な表情をしている。


「スカウトしたいんだが、今度の相手は真人や今日子みたいには簡単じゃないんだよ」


 浩二のボヤキに幸四郎さんが続ける。


「国立K大学工学部教授、松戸 清志44歳。お前達と違って真っ当に生きて地位も名誉もある人間だからなあ、ウチに引き込むのは難しいかもしれん」

次回、ギャラクティカダークは見事、松戸 清志教授を取り込む事ができるのか!?


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