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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
53/65

53 優しくて悲しい夢11

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

「そうだ。良い方法があります。僕と夜見さんが結婚し、咲希さんを妹にすることを卑弥呼(ひみこ)さんへのお告げで示すのです。『神』からのお告げは()の国全域に広がりますから、誰もが知るようになります。」


「『神』からの公のお告げを私的に使うことになってしまいます。」

「僕と夜見さん、咲希さんが家族になることを早く確実に全国に知らせ、手出しができないようにするためです。許されると思います。」


「私達の結婚の意味を、他人が犯すことのできない神聖なものとして知らせるためには仕方がないことですね。それに、一族の長である卑弥呼(ひみこ)とお告げを示す2人の叔父に結婚を知ってもらえば安心です。」


「ところで、夜見さん、咲希さん、後少しの時間で日が落ちて寒さが厳しい夜になります。眠る場所を確保しなければなりません。ここは、前にいた小屋からさらに森の奥に入り込んでいますが、急いで家を建てようと思いますが。」


「今からどうやれば家ができるのでしょうか。」

「2人は結婚したのだから、妹の私の部屋が別に必要なのだけれど………」


「おまかせください。ほんとうは、一家の長である男の僕が木や石を集め何日もかけて一生懸命に家を建築しなけれないけません。でも、今日悪い人達に急襲されて、住む場所を燃やさざるを得かったのですから仕方ありません。」


 アマテラスは両手で印を結び詠唱した。

「モリノセイレイタチヨ、アマテラスガ・ココロカラネガウ、ワガカゾクノテメ・イエヲツクリタマエ。」


 すると、不思議なことが起こった。

 森中の精霊が騒ぎだした。


「アマテラス様が結婚して妻をめとるそうよ。」

「美しい姉妹と家族になるみたいだ。めでたいな。」

「家を作ることをお願いされたから、みんなでがんばろう。」


 何万の森の小さな精霊達が集まり、家を作るために必要な木や石を運び始めた。

 それは緑色の川のようになり何筋も発生し、最後には一箇所に集まり大きな頑丈な家の姿が現われ始めた。


 ほんのわずかな時間で家は完成した。

 アマテラスは森の精霊達に言った。

「ありがとうございます。お礼に僕のオーラを食べてください。」


 すると、アマテラスの回りが濃い緑色に包まれて全然見えなくなった。

「アマテラスさん、大丈夫ですか。」

 心配して夜見が呼び掛けた。


「問題ありません。何万もの精霊がお腹一杯食べたとしても、僕の神聖の力のオーラは無限大ですから。それよりも、夜見さんと咲希さんは家の中の様子を先に確認してください。」


 そう言われて姉妹はできたばかりの家の中に入った。

 中はあまりにも美しく仕上げられており、姉妹はうれしそうな歓声をあげた。



 卑弥呼は今日も、祭壇の上に亀の甲を置き火であぶる亀卜(きぼく)の儀式を行っていた。


 その結果、甲羅に表れたひびの意味を確認して非常に驚き、急いでお告げを国中に示す役割をしていた2人の兄弟を呼んだ。


 その2人は、《九郎》と《十郎》といい両目が灰色をしていた背の高い兄弟だった。

 十郎が聞いた。


「卑弥呼様、何事ですか。いつも冷静沈着なあなた様が、あわてて私達兄弟をお呼びになるとは非常にめずらしいことです。」

 卑弥呼は真剣な表情で話し始めた。


「おまえ達の2人の姪は遠い所に住んでいるのだね。国中に鳴り響いている完璧な美女の姉妹で伝説になっている。確か名前は………」


「姉が夜見、妹が咲希と申します。」

 九郎が卑弥呼の問いに答えた。


「今日、私が亀卜をしたらなんと、『神』アマテラスのお告げがあり、その姉を妻として迎え妹をほんとうの妹とするそうだ。」


「私達の姪が『神』の妻や妹になるのはほんとうにおめでたいことです。それが何か気にかかることがあるのですか。」

 十郎が卑弥呼に聞いた。


「アマテラスのお告げでは、決して、我が妻、我が妹に手を出し危害を加えてはならないとされていた。『神』が人間に対してこのようなことを強く要求するのは極めてめずらしいことだ。おまえ達は何か知っているか。」


 九郎の顔が極めて真剣になった。

「姪達はここからはるか遠方に住んでいて、風のたよりで聞くしかありませんが、私達兄弟がとても心配していることがあります。」


「どういうことか。」


「姉妹がとても美しすぎて、その地域の有力者達に何回も狙われたということです。それに、彼女達の両親が大熊に襲われて命を落したこともほんとうだとは思えません。彼女達を手に入れやすいように殺された可能性があります。」


「そうか。ほんとうに申し訳ない。おまえ達はすぐに姪達の元に駆けつけたいだろうが、私のかたわらに残り仕えてくれているのだな。そうすると、姪達がアマテラスの妻や妹になることは心強いということか。」


「はい。」

「はい。」


お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~11時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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