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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
47/65

47 優しくて悲しい夢5

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

 夢はほんとうに起こったことかもしれないと天てらすは思った。

 見えていた景色、聞こえていた波の音、それから女の人への思いや受け取った気持ちにはそれほど現実性があった。


 ―――あの女の人はいったい誰だろう?誰かに似ているような気がするけどはっきりしない。だけど、気が狂うほど心配だった。最後に自分への深い愛情を声を出さずに告げて、崖から海へ自ら身を投げてしまった。


 そして、もう一つ重要なことを覚えていた。

 ―――彼女を追い詰めて死に追いやった男達がいた。自分もたぶんその男達に緑銅の鎖にぐるぐる巻きにされて、体の自由を奪われていた。心の中で強大な怒りが燃え上がっていた。



 その日、学校に登校すると日登与が声をかけてきた。」

「てらす、夢の具合はどう。どんな感じ、いつものとおり朝起きると全て忘れているの。それとも何か変わった?」


「それが、今日はいつもと違っていました。夢の内容をまるで映画を見た後のように鮮明に覚えていました。その夢は悲劇に終わり、その場面にいた僕には強大な怒りの感情が残りました。」


 彼の話を聞いて、登与は一瞬顔を下げて自分の感情を隠した。

 そして再び顔を上げた時には、極めて冷静な顔つきになっていた。


「そう、燃えさかった怒りの感情が残っていたとは大変ね。てらすが見た夢の詳細を私に話して。」

 そう言われた後、彼は登与に昨晩見た夢の内容を話した。


「シチュエーションがはっきりしているわね。きっと、その男達は女の人を我が物にしようと、てらすを緑銅でぐるぐる巻きにしたのよ。女の人はてらすにとって、とても大切な人だったのだと思うわ。」


「夢に出てきたのは、転生前の過去なんでしょうか。これから僕はどうなってしまうのか。登与さん、日巫女様に相談したいのですが。」


「おばあちゃんに相談するのは、もう少し後にしない。それよりも、てらすに聞きたいのだけれど。私のことを大好きだと思ってくれているのなら、私が他の誰かに殺されていなくなった時の気持ちを、想像して教えて。」


「怒りが沸騰して、怒り狂う神になってしまうでしょう。たぶん、もう元には戻れなくなっていると思います。そして、アマテラス神の力を復讐のため破壊と殺戮に使ってしまうでしょう。」


「それほど思ってくれて、とてもうれしいわ。お願い。忘れないで。私は誰にも殺されない。あなたのそばから離れず、ずっと一緒にいるから、怒り狂う神には絶対にならないで。」


「登与さんとずっと一緒にいられるのなら、これからの僕の一生は穏やかで幸せな日々が続くでしょう。怒り狂う神になど絶対にならないと思います。子供達に嫌われたらいやですから。」


「えっ………」



 その日の夜、登与は陽光神社に登り日巫女と相談していた。

「あばあちゃん、とうとう夢の内容をてらすが覚えているようになってしまったわ。これからいったいどうなるの。」


「最終的に、転生者は数千年前のアマテラス神の意識と、完全に重なると口伝されています。その瞬間に感じた強大な怒りを、再び感じるのです。その後は、代々の日巫女の働きで大事は発生していません。少なくてもこれまでは。」


「今度も大事が発生しないと良いのだけれど。」


「登与、ほんとうにごめんなさい。私が指命を果たさなければならないのだけれど、既に老々の身、アマテラス神の強大な怒りの気を長時間受けて、意識を保っていられません。あなたに日巫女を譲り、お願いするしかないのです。」


「おばあちゃん、気にしないで。エネルギーがある若い世代の者が日巫女を継ぎ、大切な指命を果たさなければならないことは十分に知っているわ。それに、てらすのことを良く知っている私は適任でしょうから。」


「ところで、登与。ずっと前、小学校の入学祝いにあなたにあげた勾玉(まがたま)は今どうしているの。」


 登与は首にかけていた勾玉を出して日巫女に見せた。

 それは、とても神秘的な緑色をして光った。


「いつも首にかけていてくれたの。」

「当然よ。おばあちゃんから最初にもらった大切なものだから。」


「勾玉はあなたが新たな日巫女として、大切な指命を果たさなければならない時、あなたのオーラと調和して神秘な力であなたを必ず助けます。古来から、神秘的に物に宿る緑色には特別な意味があるの。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~11時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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