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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
41/65

41 虚無との戦い6

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

 日巫女を先頭にして、人々が収容されている総合病院の施設に入ろうとした。

「日巫女様、よろしくお願い致します。」

 

 市の担当官らしい数人が丁寧に挨拶した。

 彼らは深くお辞儀をしただけで、それぞれの扉が簡単に開けられた。


「おばあちゃんは偉いのね。顔パスね。」

 登与は、日登与の待遇の高さに驚いていた。

 霊能力で全国的に名高い日巫女に、今回の事件の解決が一任されていた。


 施設の最深部に入ると、1フロアーに数百人が寝かされていた。

 心がないだけで、呼吸など体の生命維持は自ら正常になされており、時々点滴なので栄養補給されていると係官から説明があった。


「てらす君、この人達の心がいる時間がわかりますか。」

 その問い掛けに彼は心を集中させた。


 彼は、数秒の間に寝かされていた全ての人達を見た。

 両目が黄金色に輝き、そして彼の心の中にさまざまな人生の場面が投映されてきた。


 それぞれの人が生きてきて、最高にうれしかった時に移動した心が最も多かった。 

 意外なことに、悔しかった時や辛かった時の場面に移動している心も多くあった。


 彼は日巫女に伝えた。

「終わりました。全て記憶しました。」


「それでは、私と登与がこのフロアーに結界を張ります。市の担当の方はすいませんが退出してください。」

 『日一族』の最高の力をもつ2人が、フロアーの四隅に祭壇を作った。


「登与、私が見ています。今日はあなたが舞って、強い結界を作ってください。」

「わかったわ。おばあちゃん。」


 それから、登与は最初はゆっくりと、そしてだんだん早く、最後には荒々しく舞い始めた。

「登与さん。とてもきれい………」


 咲希からひとり言が出た。

 天てらすや九郎も見とれていた。

 やがて、密閉されているフロアーの四隅が太陽の光りで輝き出した。


 日巫女が言った。

「さあ、今です。時間をさかのぼり、この人達の心を元に戻した後、時間の壁を神聖の光りと影で覆い、虚無が消滅させることができなくしてください。」


 天てらす、夜咲希、灰目九郎の3人はまとまった場所に立った。

 九郎が言った。

「時間に対して縮地法を使います。アマテラス様、行き先の指示を。」


「九郎さん、少しずつ思念を送りますから、よろしくお願いします。」

 彼がそう言った後、3人の姿はそこから消えた。



 3人は、数百人の人生をさかのぼって一覧した。

 それぞれの人の心は、うれしかった時、悔しかった時、悲しかった時などの時間に引きつけられて留まっていた。


 それを見て咲希が言った。


「心が引きつけられている時間から離すのは、とても難しいことです。でも『闇一族』の力で心を暗闇で覆えば、可能です。ただ、長く暗闇に覆われると心自体に悪影響がありますので、直ぐに本来の時間に戻す必要があります。」


「わかりました。お願いします。」

「叔父様、それぞれの人の心を私が影で覆いますので、縮地法で本来あるべき時間の体の中に直ぐに運んでください。」


「わかった。咲希と心を合わせて迅速にやろう。」

 『闇一族』最高の術者である2人が、それぞれの心が引きつけられている時間にある心を暗闇で覆い、直ぐに本来あるべき時間の体の中に運び始めた。


 さすがに『闇一族』最高の術者である2人だった。

 たちまち数百人全ての心を、本来あるべき時間の心に戻してしまった。



 フロアーに結界を張り警護していた日巫女と日登与の目の前で、心が戻った人々の意識が覚醒し始めた。


「あっ、おばあちゃん。てらす達はうまくいっているみたいよ。」

「虚無が感づき攻撃してくるから、気を引き締めましょう。」


 すると、2人は気がついた。

「登与、やはりきましたね。」

「おばあちゃんの予想したとおりね、結界の中に侵入しようとしている。」


 病院の外では虚無が怒っていた。


「我々が時間の壁を消滅させ、心を別の時間に送った人間達が全て元に戻っている。もう1回、その人間達の心を別の時間に送ってしまおうとしたが、この建物の中に入れない。我々の力が届かない。」


 登与が虚無に思念を送った。

 てらす達が時間の壁を補強するまで、引き止めようと考えたのだった。


「虚無さん、悔しかったら、この中に入ってみなさい。たぶんできないでしょうけど。ほんとうに中途半端な存在ね。」


「誰だ。極めて無礼なことを我々に言うのは。しかし、これは強い光りの結界だ。この中に光りの皇子に仕える者がいるのか。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~11時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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