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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
34/65

34 黄泉の国へ3

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

「そうですね。てらす様がもう少し大きくなれば、きっと私が断トツの1番になりますから、この話は終わりにしましょう。」


 その後、女王夜見の顔がとても真剣になった。


「今回、てらす様にお越しいただいた大きな理由があります。黄泉の国だけではなく、人間の現実世界にとっても大変な脅威がせまっています。それはきっと、無限の宇宙のどこかで偶然に偶然が重なり、静かにひっそりと生まれました。」


 女王夜見が手で空間を指さすと、そこにスクリーンのようなものが現われた。

 現われたのは、夜空のようだった。


「現実社会は天空の先で宇宙とつながっていますが、実はこの黄泉の国も、宇宙とつながっている接点があるのです。今見えているがその接点です。黄泉の国と宇宙とは、絶対に交わることがない無限の距離でつながっています。」


「この城に来るとき、幅がとても広い大きな道の向こうに城の姿が見え、咲希さんに似たような説明を受けました。」


「無限大の距離を作るという点で、理屈としては同じようなことをしています。光の粒子と反対の性質をもつ絶対的な暗黒粒子を、無限大に敷き詰め防壁にしているのです。ところがある日、異変が起こりました。」


 女王がそう言った途端、スクリーンの映像に変化が現われた。

 彼は神聖の力でそれを悟った。


「僕は今、はっきり感じました。無限大とほとんど変わりませんが、宇宙との距離が有限になりました。」

 そう言った後、彼はさらに驚いた顔をした。


「あれ、有限になってから、だんだん距離が縮められていますね。ざっと、1秒に1センチくらいですが。あたかも、誰にも見つかれないように、慎重に作業を進めているような動きです。」


「てらす様、それをやっている者が今出て来ます。」

 女王がそう言うと、映像の全面に顔が現われた。

 人間の顔にとても似ているようだった。そしてしゃべり始めた。


「我が名は虚無(きょむ)。この広大な宇宙で、既に存在している物を無くす者だ。黄泉の国の者よ、お前達が作った絶対的な暗黒粒子の防壁から苦も無く無限性を無くし、今から、さらに距離を縮め最終的には0にしよう。」


 そう言った後、自分のことを虚無と言ったものは映像全体に広がった顔を満面の笑顔に変えて、その姿を消した。

 宰相の灰目十郎が天てらすに言った。


「アマテラス様、これは虚無からの最大の脅しです。絶対的な暗黒粒子を意識的に1秒に1センチ無くしています。ということは、あっという間に黄泉の国と宇宙との間の暗黒粒子を全部消滅させることも可能だと示しています。」


 彼は聞いた。

「黄泉の国が宇宙と完全につながると、いったいどうなってしまうのでしょう。」


「現実社会と宇宙との関係と異なり、黄泉の国は生者の国ではありません。ですから、空気が無くなるとかの物質的な問題はありません。しかし、精神的霊的なことも何も無くなってしまい。黄泉の国は消滅します。」


 女王夜見が言った。


「これは、黄泉の国に対する虚無の攻撃です。ですから、人間の現実社会には全く関係ありません。しかし、てらす様はさきほど日の神の転生者として、それと相対する黄泉の世界との関係がかなり大切だと言われました。」


「はい、そうです。光りには闇や影が必要です。物質的なことばかりではなく、精神的な世界も同じです。僕は、黄泉の国が消滅すれば人間の現実世界も無事ではいられないと考えています。」


「そうですか。そう言っていただくと、とてもありがたいです。てらす様にお願い事をする勇気が湧いてきました。」

 女王は決意を込めた視線で彼を見ながら言った。


「私達黄泉の国の者と、協力して戦っていただけないでしょうか。」

 咲希も言った。

「てらす様、どうかお願いします。」


「はい。僕も一緒に戦います。」


「あなたなら、絶対にそう言っていただけると思っていました。ありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いします。」


 女王は彼に頭を下げて、心から感謝の気持ちを伝えた。

 そして、謁見の間にいる大勢の家臣達に強く指示した。


「天てらす様が、御一緒に虚無と戦っていただけることになった。これからは、天てらす様のおっしゃることを我が言葉として、絶対の服従を誓いなさい。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~11時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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