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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第1章 プロローグ
27/65

27 女王の決意4

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

 ずっと冷静な顔をしていた悪鬼善児の顔色が大きく変わり、怒りの表情が表れていて真っ赤だった。


「私の手元から子供達の魂を救うだと! 神の転生者により行われるだと! なんてことを言うのだ。これだから『日の一族』はいやだ。―――チマチマした攻撃をしたのがよくなかった。大々的な攻撃をすることにしましょう。」


 咲希が言った。

「私は『闇の一族』だけど、登与さんと全く同感です。神の転生者である天てらす様が、あなたから子供達の魂を必ず救います。よく覚えておきなさい。」


「姫様もそのようなことをおっしゃるのですか、いいでしょう。女王様にお願いして、私の全ての力を使って現実社会に大侵攻しましょう。それでは、今晩のところは失礼します。」


 善児は右手で黄泉の世界への通過穴を作り、そこに吸い込まれるように去った。

 それは、あっという間の時間だった。

「咲希さん。悪鬼善児が大侵攻を宣言したけれど、どれくらい強いの。」


「善児のやっていることがあまりにも下劣なことなので、黄泉の国の中でもみんなに支持されず、階級は極めて低いです。しかし、ある方法で人間界に侵攻すると、極めて大きな被害をもたらします。だから強い力があるといえます。」


「ある方法って?」

 登与が真剣な表情で聞いた。


「夜見の国の最終兵器である黄泉比良坂(よもつひらさか)です。黄泉の世界と現実社会を結ぶ坂道で、そこから黄泉の国の者がなんの障壁もなくやってきます。その場合、現実社会は大きな被害を受けます。」


「そうすると、黄泉の国から大軍勢が攻めてくるの。」


「古来からのならわしで、黄泉比良坂(よもつひらさか)を片方の世界に属する大勢の者が通ることは許されていません。大軍勢ではなく、悪鬼善児が操る者だけになるでしょう。」


「今日は遅いからもう帰りましょう。ところで、善児が咲希さんのことを『姫様』って読んでいたけれど………」

「いやらしい。あいつの言い方ですよ。」


「そうなんだ。」



 黄泉の国の女王の城で、悪鬼善児は女王夜見に謁見していた。

「女王様、通過穴を通して転生者に子供達の心を見せましたが、直ぐに穴をふさがれて邪魔されました。」


「誰がふさいだのですか。」

「それが、咲希さまです。しかも『日一族』の娘も一緒にいて力をかしていました。咲希さまと同じくらいの年齢に見えました。」


「咲希ですか………あの子はとても賢いのです。きっと何か深い考えがあるに違いありません。それに『日一族』の娘がそばにいたのですか。」

「はい、かなり強い霊力のもち主で私に攻撃してきました。」


「咲希と同じくらいの年齢で、かなり強い霊力のもち主ですか。きっと日巫女の跡取りですね。咲希とはどんな感じでしたか。」

「不思議ですが、かなり仲が良いみたいでした。」


 一瞬、その言葉に聞いた女王に笑顔がこぼれたが、善児は気がつかなかった。

「ところで善児、これからどうするのですか、私に願い事があると聞いていますが。」


「はい、お願いでございます。黄泉比良坂を現実世界に架けることをお許しください。子供達の魂を現実社会に戻して、転生者と直接対面させるのです。」


「あなたが捕縛している子供達の魂はどれくらいせすか。」

「ざっと1万人くらいです。」


「私はアマテラス様の転生者に人間の悪さ、みにくさを是非知っていただきたいのです。人間は自分達を飾ることがとてもうまく、悪さやみにくさをほとんど外に出しません。それで私達は………」


 女王様の目から一粒の涙がこぼれた。それは星の光のように輝き、見た者を完全に魅了する魔力があった。


「女王様、大丈夫でございますか。私が必ず転生者を人間の敵にして、黄泉の国の味方にしてみせますので、どうぞお心を安んじてください。全身全霊で私の任務を全う致します。」


「魂であれば、それくらいの数の通行は許されますね。善児、どうぞお願いします。」



 陽光神社の鳥居の前で、天てらすと日登与の2人が誰かを待っていた。

 しばらくすると3人目が来て、登与が笑顔で話しかけた。


「咲希さん。いらっしゃい。よく来てくれたわ、『闇一族』だからといっても何も気にすることはないわ。元々、同じ一族だったんですもの。それに、今日はおばあちゃんが是非、連れて来るようにと言っていたわ。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~10時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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