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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第1章 プロローグ
25/65

25 女王の決意2

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

 毎晩、天てらすは悪夢に悩まされていた。

 多くの子供達の不幸な一生を夢の中で見てしまい、熟睡できず、夜何回も目覚めてしまった。


 朝食のためテーブルに座っている時も、とても眠くてうとうとしていた。

「大丈夫、てらすちゃん。この頃、よく眠れないみたいじゃないの。」

 母親に心配をかけまいとして、彼はうそをついた。


「どうも、夜遅くまで難しい本を読んでしまって、眠っている間も心が勉強しているみたい。おかあさん、心配しないで。」


 学校に登校すると、眠くて眠くて辛い午前中の授業の後、昼休みになって、彼は日登与と夜咲希の2人に囲まれて問い詰められた。


「てらす、この頃おかしいわよ。勉強が好きなあなたが、授業中にずっと大変眠そうな顔をし続けているじゃない。どうしたの! 私には、ほんとうのことを言いなさい! 言わないと怒るわよ! 」


 登与はとても真剣な表情だった。 

 その表情を見て、彼はほんとうのことを話すしかないと思った。

「実は、なぜだかわからないのですが、近頃、眠った後で毎晩悪夢を見るのです。」


「どんな悪夢なの。」

「僕と同じくらいの子供達のとてもかわいそうな一生が、映画のように映されるのです。子供達の辛くて悲しい感情が、僕の心の中に流入してきます。」


 咲希が聞いた。

「てらす様、その子供達は、どれくらいの時代の子供達なのかわかりますか。服装とかでわかると思いますが。」


「そうですね。古代から中世、そして現代に近い時代まで、子供達が生きていた時代はさまざまです。ただ、奇妙な共通点があります。」

「どのようなものですか。」


「人生の最後の瞬間になると、不思議な鈴の音が聞こえるのです。それから、子供達の姿は見えなくなりますが、泣き声が聞こえ始めます。泣き声はずっと続き、止ることはありません。」


「わかりました。てらす様のお宅の近くで、悪夢を見せている者がいます。たぶん、それは人買いの善児という悪鬼です。善児は、悲しい一生を終えた子供達の最後の瞬間に、その魂を鈴の音で縛りつけてしまうのです。」


「咲希さん。子供達の魂はいったいどうなってしまうの。」

「善児は子供達の魂に泣くことしか許しません。魂に繰り返し繰り返し自分の悲しい一生を想い出させて、絶望に落とし泣かせ続けるのです。」


「まあ。なんてひどい悪鬼だわ。」

「私も同じ黄泉の国の者ですが、昔からあの者が大嫌いです。たぶん、人間の全てを読み取るてらす様が、子供達のことを感じて苦しむことを狙っているのでは。」


「どうすれば良いの。」

「てらす様の家のそばに、黄泉の国からの通過穴を作っているのでしょう。てらす様しか感じ取れぬ子供達の魂の心の声を、深夜になると送ってきているのです。」


「悪鬼善児に捕らわれている子供達の魂を、是非救ってあげたいと思う。だけど緊急なことは、まず、黄泉の国からの通過穴を急いでふさいで、てらすがぐっすりと眠ることができるようにしなくちゃね。」


「黄泉の国からの通過穴の場所を見つけることができれば、てらす様のために私がしっかりふさぎます。今晩から私は捜しに出かけます。」

「咲希さん、あなただけでは危ない。私も行くわ。」


「僕が眠っている時間って、夜遅いですよ。女の子にそんな時間にご迷惑をかけるわけにはいけません。それでは、僕は今晩から眠らないことにします! 」


「なにをばかなことを言ってるの。2人は『日一族』の長の跡取りと『闇一族』実質序列第2位なのよ。恐いもの知らすだわ。そんな、悪鬼が作った穴なんて、ちゃちゃと見つけてしっかり固めてふさいでしまうわ。」



 その日の夜遅く、登与と咲希は彼の家のそばで待ち合わせて合流した。

「咲希さん、調子はどう。」


「私は全く眠くありません。ほんとうに悪鬼善児のことが大嫌いなんです。なんで、あんな者が存在しているのか意味がわかりません。女王も女王です。きっと、善児が行っていることにも、承認を与えたのに違いありません。」


「どう、黄泉の国からの通過穴の場所はわかる。」

「はい。もう少しお待ちください。」


「チリーン、チリーン、チリーン………」

 その時、2人の耳に不思議な鈴の音が聞こえてきた。

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~10時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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