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最後の転生でハッピーエンドになれますか?  作者: ゆきちゃん
第1章 プロローグ
24/65

24 女王の決意

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

 黄泉の国の女王の城の大広間で、評議が行われていた。

 話し合われていたのは、人間の中に現われたアマテラス神の転生者とどのように向き合うかということだった。


 女王夜見(よみ)が大広間に集まった大勢の『闇一族』、亡者、悪鬼などを見渡しながら、強い口調で話を始めた。


「アマテラス様の転生者はまだ人間の年齢で小学生です。それを良いことに、日巫女など『日一族』がアマテラス様が人間の味方であり続けるように、誤ったことを吹き込んでいます。十郎、みんなに教えてあげなさい。」


 先頭に座っていた灰目十郎が席から立ち上がり、大きな声で話し始めた。


「先日、闇に近い人間を夜見の国に連れてこようと、暗闇空間に闇の電車を走らせました。数十人をきさらぎ駅に集めることができたのですが、………


『日一族』の日巫女とその跡取りの娘が、私のやったことが悪いことだとアマテラス様の転生者にうそを吹き込んだようです。そして、最後は転生者が最強の光りを発して、全部台無しになりました。」


「兄さん、台無しとはどうなったか、みなさんに詳しく話した方が良いですよ。」

 九郎が兄をうながした。


「転生者の光りは怒れる神の光となり、『闇一族』が作る中で最も堅牢で強い、私が作った暗闇空間を木っ端微塵にして消滅させてしまいました。集めることができた人間達も現世に戻ってしまいました。」


「お―――っ」

「それほどの神聖の力を示したのか! 」

「完全に敵になられたのか! 」


 驚嘆の声が上がった。

 夜見の国の中でも、十郎が作る暗闇空間が最強であることは、みんなが知っていることだった。


「転生者である天てらす様が、人間に対する認識を変えて、人間を敵対視するようにするにはどうすればいい。この中で何か良い方策を思いつく者がいれば、意見を申してみよ。序列の高い低いは関係ないぞ。」


「女王陛下! 」

 末席あたりから声を上げた者がいた。

「よし、前に出て話せ。」


 末席から立ち上がり、前の方に歩いてきたのは、古い時代の着物をきた老人のようだった。

「人買いの善児か、おまえの考えを述べてみよ。」


「はい、お恐れながら、転生者がまだ人間の子供であることを利用するのです。子供は子供の気持ちに同感します。私に使える人間の子供達の亡者は生きていた時、人間にひどいことをされた者ばかりです。」


「具体的にはどのようにするのか。」


「子供達の亡者を現世に出現させ、転生者に会わせるのです。確かアマテラス様は人間の心を瞬時に読み取る力をおもちです。多くの悲惨な経験を読み取れば、人間が大嫌いになるはずです。」


「それは良い考えかもしれないな。善児、準備を急げ。」



 きさらぎ駅での戦いの後、咲希が作った暗闇空間の中で、消耗しきっていた天てらす、日巫女、登与が寝かされていた。

 天てらすが意識を取り戻した。


「あっ! 」

 彼の額をなでて話しかけていた咲希が、あわてて手を引っ込め黙り込んだ。


「咲希さん。ここは?」


「私が作った暗闇空間です。ここに駆けつけた時には戦いが終わり、十郎の暗闇空間が消滅するところでした。てらす様、日巫女様、とよさんを現実世界の駅の前に寝かせておけば、十郎の攻撃を受けることも考えられました。」


「そうなの。咲希さん、ありがとう。」

 登与も意識を取り戻した。


「私もお礼をいいます。もうお体は大丈夫ですか。」

 日巫女も立ち上がった。


「はい、大丈夫です。なんとかみなさんのお力になりたかったので、がんばって駆けつけました。それにしても灰目十郎の暗黒空間を吹き飛ばしてしまうとは、『闇の一族』が作る最強の空間です。夜見の国でも大騒ぎになっているでしょう。」


「てらすが神聖の力を出しすぎて、怒り狂ったようになってしまったので、おばあちゃんと私が一生懸命になだめたのよ。」


「すいませんでした。自分で極限の力を出そうとがんばったのですが、無意識のうちに異常な状態になってしまいました。」


「てらす君。神が怒り狂うのは、ある意味神の自然な状態なんです。ですから、そうならないようにこれから十分に注意する必要があります。私と登与も精一杯、てらす君を助けます。」


「はい。」


 彼が咲希にお願いした。

「それでは咲希さん。現実世界に戻してください。電車に乗って帰りましょう。」


「はい、わかました。暗黒空間を閉めます。」

 咲希がそう言うと、回りが三州鉄道大林駅の周辺になった。


 駅に入り切符を買おうとしたが、咲希は発券機の使い方を知らないようだっだ。

「咲希さん。発券機を使ったことないの。来た時は大丈夫だったの。」


「近くを通った方が、助けていただいたので切符を買えました。」

 ―――ほんとうは、暗闇空間で距離を縮め、家からこの駅まで一瞬で来てしまいました。でも、電車に乗って、てらす様達と風景を見て楽しく帰りたいな。


 登与がにこにこ笑いながら言った。

「咲希さん。私が代わりの切符を買うね。」


「ありがとうございます。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければ評価やブックマークいただくと、作者の大変な励みになりますので、よろしくお願い致します。

※更新頻度

平日は夜8時~10時までの1日1回更新(毎日更新できない場合はお許しください。)

土日祝日は1日3回更新(回数が少なくなる場合はお許しください。)


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