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子猫ちゃん

作者: 西川 新

泣いてしまわないように

もう泣いてしまわないように

前だけを向くように

今をひたすら生きよう


そう決めたのに

今を生きるその足が

もう嫌だともう無理だと

限界を告げる


足から全身に巡る痛みが

脳すらも麻痺させて

明日の光さえ

見えない


明日は何処に

今日は何処に


迷子の迷子の子猫ちゃん

行く先すらもわからず

誰かの助けをひたすら待ってる


迷子の迷子の子猫ちゃん

可哀想に

待ったって誰も迎えに来ないよ

みんな自分自身のことで精一杯だ


目に映る全てが鬱陶しくて

目すらも閉じてしまう

明日の光さえ

探すことを諦めて

子猫ちゃん止まったまんま

世界は待ってくれないのに

ずっと何かを待っている


全ての言葉が鬱陶しくて

耳すらも閉じてしまう

もう怒るのも億劫で

感情すら忘れてしまう


自ら自分を閉ざしてく

世間から隔離させてく

自分とは違う世界だと

また一歩遠ざかってく


迷子の迷子の子猫ちゃん

ほら思い出して

嫌な気持ちだけに囚われないで

あの日の気持ちを思い出して


光がないならその心で

もう一度

創り出してしまおうよ


うちに秘める光を思い出して

何故君はそこにいて生きているの

忘れた感情を取り戻して

涙すらも抱きしめて


その心に灯る光で

暗闇を仄かに優しく照らし出せ


何処がゴールだなんて

誰もわかりやしないこと

それなのに生きてるんだ

人間って不思議な生き物ね


子猫ちゃん子猫ちゃん

ほら思い出して

自分は違うと壁を作ってしまわないで

もう一度思い出して


本当はもう気付いてる筈さ

君は子猫ちゃんじゃないよ

ちゃんと人間だ


ほら思い出して

息の仕方に

歩き方


ほら思い出して

あの輝きを

明日の輝きを

思い出して

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