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2話
想像してみて欲しい。
疲れが限界とか
凄くお腹が空いたとか
そんな限界じゃなく
人としての限界を感じる限界。
感じるのは痛みだけで
五感の全てが曖昧になって
浮かぶのは
「終」「死」「痛」「楽」「怖」
その繰り返しで
語尾や文字として成り立つ事すら考える余裕もなく
人間として何かが終わるような恐怖
私が何をしたのかわからない
何がいけなかったのかも
わからないまま
突然始まるその時間
血の気が引き、指先から冷たくなるのが分かる
「きた」
気がついたら夜だったり
朝だったり
終わったと思うと
また始まる事もあるから
油断は出来なかった。