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38話 今さら追放だと言われてももう遅い!



楽しい夏休みが終わって、2学期が始まった。

浮かれた気分を立て直して、今日から学院の授業を頑張らないとね。



「何だよアイツ。ミアちゃんとベタベタしやがって」

「あああ!誰かエリスを殺してくれえええ!」

「辞めろって、マックさんみたいに呪われるぞ?」

「何で呪いのエリスなんかがミアちゃんと…」



うん。僕の嫌われっぷりは相変わらずだ。

夏休みが楽し過ぎて忘れてたよ。



「テメエら嫉妬なんて見苦しいぞ!

ランディに真っ向から向かって行けねえ雑魚どもが、コソコソ下らねえ事言ってんじゃねえ!」


「そうだよ!

ランディ君の事を知りもしないで、呪いだ何だってデマ流してさ」


「だいたいアンタら如きが、剣聖のミアちゃんを犯せる訳ないじゃん。

ミアちゃんはランディに犯されちゃったんだから、いい加減諦めなさいよ」



ロシュとセレナが僕を庇ってくれるなんてな…

ちょっと前までは、1人で耐えるしか無かったのに…

モネは…相変わらずだな。



「調子こいてんじゃねえぞ!テメエらはただの落ちこぼれだろうが!」

「エリスの呪いで操られてるゴミ共が、舐めた事ホザくんじゃねえぞ!」

「雑魚のエリス如きが、ミアちゃんを犯せる筈がねえだろ!」



どうしよう…僕のせいでロシュ達が口撃されてしまった。

僕が下手な事を言うと、余計ロシュ達が罵倒されそうだし…



「残念でした〜!

ミアは何度もランディにえっちして貰ってるんです〜!

ミアはランディの奥さんになるんだから、お前らみたなクソ雑魚に構ってる暇なんて無いんです〜!」



ミアが爆弾を投入した…

何人かはショックで泣き崩れている。

そして、ロシュよ。裏切り者を見るような感じで睨むのはやめてくれ。

朝からめっちゃ荒れたけれども、1限目は全校朝会なので、指導員が出席を取った後、全員で講堂に移動した。



ハァ…学院長は30代のやり手のキャリアウーマンみたいな感じだけど、何か変な話し方をするし、話がとても長い。

たまに貧血で倒れる生徒が出るくらいだ。

もうかれこれ50分くらい喋っている。



『え〜、では続いて在校生の表彰を行いマッス!

2年C組レイン・ブラッドリー君。

2年D組ミアさん。

同じく2年D組エリスランディ君の3名はステージに来て下さいッス!』



うわ〜、表彰なんて要らねえよぉ。

さっき教室で揉めたばかりなのに、余計に叩かれてしまうじゃないか。

既に講堂内がめっちゃザワついてるし…


非常に嫌だったけど、ミアに促されてステージに上がった。

クラスの奴らからの刺すような視線が…



『え〜、此方の3名は、7月に王都郊外を襲撃した魔族を討伐しただけでは無く、カメーリア連合国ワイハー領を、古代竜の脅威から救うという偉業を成し遂げたっス!

在校生としては王立冒険者学院初の功績を上げた彼らを讃えて、この場で表彰するッス!』



学院長は多分、この妙な話し方をするから話が長くなるんだろうな。

見た目と話し方のギャップが凄すぎて、なんとも言えない不気味さを感じる。



「エリスが魔族を討伐なんて有りえねえぞ!」

「そうだ!ソイツは禁術使いだ!学院から追放しろ!」

「成績優秀者に寄生しやがって!呪いを使う奴なんて追い出せ!」

「エリスは学院の汚点だ追放しろ!」

「「「追放!追放!追放!」」」



クラスの連中から罵声が飛び交い、追放コールまで…

マジで凹むなぁ。

隣ではミアとレインがめっちゃ殺気立ってるし。



『皆さん、静粛にするッス!!!


は〜、追放ブームに乗っかってるっスねぇ。

エリスランディ君、一部の生徒は追放しろとか言ってるッスけど、君は何か言いたい事あるッスか?』



何故か学院長が俺にコメントを求めて来た。

ここでダンマリとかはダメな流れだろうなぁ…



『え〜、僕はこの1年半、ずっとクラスの人達から誹謗中傷を受けて来たッス!

夏休み前に追放とか言われてたら、自主退学してたかもッスね…


だけど…こんな僕でも、素晴らしい友達が出来ました…

だから…


今さら追放だと言われてももう遅い!!!

僕は今、学院生活が楽しくてたまらないッスから!!』



僕の渾身のスピーチが炸裂した。

ロシュ、セレナ、モネが大きな拍手をしてくれて、釣られたように講堂のあちこちから拍手が起こった。



『エリスランディ君、ありがとうッス!

君みたいな優秀な生徒を失わずに済んだッス!


さて、今までアタシの耳にも、エリスランディ君が禁呪を使うだのというデマは届いてたッス。

まぁ、負け犬の遠吠えだろうと、今までは取り合いませんでしたが…

ここまで表立ってデマを吠えられては、学院の品位が落ちるッス!


今後、エリスランディ君をデマ情報で誹謗中傷する卑屈なヤツらは、容赦無い処分を言い渡すッス!』



学院長の言葉を聞いたクラスの連中は、歯噛みをして下を向いた。

学院で問題を起こして中退になった場合、5年以上冒険者登録出来なくなる。

奴らも黙らざるを得ないんだろう。



『あっ、1つ言い忘れてたッス!

エリスランディ君を追放しろって言ってた負け犬君たち…




ザマァっ!!!』



ええ〜、何言ってんのこの人…

そもそも、何がザマァなのかよく分からない。

色々有って気疲れしたけど、その後は普通に表彰状と名誉学院生の金バッヂを貰って、始業式が終わった。


教室に戻った後は課題の提出をして、2学期のカリキュラムの説明で2学期の1日目は終了した…

筈なんだけど…

僕とミアとレインは、学院長室に呼び出された。

何かマズい事を言ってしまっただろうか?



「エリスランディ君、本当に申し訳無かったッス!」



いきなり学院長に頭を下げられた。

何かされたっけか?



「エリスランディ君が、学院を辞めても良いと思うくらい追い詰められていた事に、気が付けなかったッス!」


「その事なら良いんです。

今は良い仲間と恋人が出来ましたから。

それよりも、あの最後のザマァって何ですか?」


「あ、アレは、良くラノベで、追放された主人公がチート能力に目覚める展開が有るじゃないっスか?

で、追放した側にザマァするのがお約束なんで、奴らをザマァしたって訳ッス!」



おおう…何か凄く突っ込みどころ満載だな…

先ず、僕は学院を追放されてない。

そして、チート能力が何なのか分からんけど、魔力操術は子供の頃に爺ちゃんとの訓練で身に付けた能力で、急に目覚めた物では無い。

最後に、仮に連中にザマァと言うのなら、僕が言うべきであって、学院長が言うべきでは無い。


はぁ…何だか色々と疲れる人だな…



「あ、そう言えば大事な要件が有ったっス!」



大事なら先に言ってよ…

この人が学院長で大丈夫なのかな?



「マクレラン・マクスウェル君が失踪したッスが、彼と最近会ったりしてないッスか?」



マックが失踪した…

僕らの知らない所で、とても深刻な事が起きているようだった。



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